
島根・津和野町
~ 小京都で楽しむ旬の味 ~

山間の小さな盆地に広がる静かな城下町、津和野町が舞台。農業の傍ら、地元を活性化させようと、食事処「農家レストラン ちしゃの木」を始めた青木登志男さん(67歳)と妻・みゆきさん(64歳)が主人公です。
津和野町出身で家業の農家を継いだ登志男さんは、27歳の時、みゆきさんと結婚、二人の男の子が生まれました。米、野菜、栗を栽培し日々農業と向き合う暮らしの中で、登志男さんは農業の行く末を案じるようになっていました。「これからの農業は、原材料の生産だけでなく作物を加工し商品として販売することが必要だ」と考えました。そこで最初に挑戦したのが、自慢の栗を使った菓子作りでした。しかし農業の経験しかなかった為、失敗の連続でした。それでも諦めず試行錯誤を続けた登志男さんでしたが、頑張りすぎたのか、体調を崩し2カ月の入院。病床で登志男さんは「このまま人生を終わるわけにはいかない。もう一丁頑張ろう!」そう自分自身を奮い立たせ考え付いたのが、趣味で打っていた蕎麦と自宅の栗を使った、地産地消の農家レストランでした。学校給食の栄養士をしていた妻・みゆきさんも、店のメニューを考えるなど手伝ってくれました。また、長男・秀作さんも製菓専門学校を卒業後、栗菓子作りを本格的に手伝ってくれるようになります。
そして2012年3月、「農家レストラン ちしゃの木」をオープンさせました。
山陰の小京都で地産地消の農家レストランを中心に、町を元気にしようと奮闘する青木さん家族の日常を紹介します。


店名の「ちしゃの木」は、自宅の屋号に因んで付けました。この季節の人気メニューは蕎麦と栗ご飯がセットになった「そば栗セット」。蕎麦は登志男さんが打った「十割そば」。つなぎを使わない十割蕎麦は、水回しと練りを短時間で行うのが一番重要だと言います。妻・みゆきさんが作る栗ご飯は、白米8、餅米2の割合でブレンド。蕎麦汁を入れて炊いたご飯に、自家製の焼き栗が乗っています。


店から車で30分程の自宅敷地内には栗の加工場、農園工房があります。35年前、登志男さん一人で栗菓子作りを始めた場所です。現在は長男・秀作さんが菓子作りをしています。製造販売している菓子は、栗羊羹が中心。ペーストにした栗と糸寒天などを混ぜ煮込んで作ります。栗羊羹は津和野町内で30軒の店に販売をお願いしています。


「農家レストラン ちしゃの木」開店して5年を迎えました。青木さんご夫婦は地元の稲荷神社に、酢飯の変わりに蕎麦を詰める「蕎麦いなり」を献上することにしました。津和野の町を見守る高台にある「太皷谷稲成神社」は江戸時代から五穀豊穣、商売繁盛の神様として信仰を集めてきました。「おかげ様で店を無事にやってこられました」と感謝の気持ちと共に、思いを新たにしたお2人です。


「貴婦人」の愛称でも知られるC57型蒸気機関車、鉄道ファンは「シゴナナ」なんて呼んだりもします。週末、山口市から津和野町まで運行しています。
終着駅津和野は、江戸の昔から、4万3千石の城下町として栄えた町。「山陰の小京都」とも呼ばれ、年間120万人の観光客が訪れます。のんびりと散策したくなる町です。



農家レストラン ちしゃの木
津和野の玄関口、津和野駅通りにある地産地消の「農家レストラン ちしゃの木」。登志男さんが打った十割そばに津和野の栗を使った栗ご飯が付いたセットが人気です。自家製の栗菓子も販売しています。
電話番号:0856-72-1455
営業時間:午前11時~午後4時30分
定休日:火曜・水曜
ざるそば:864円
釜あげそば:864円
そば栗セット:1,080円


津和野町観光協会
津和野町は島根県西部の穏やかな山間にあります。
江戸時代4万3千石の城下町として栄え、今尚、その風情が残る町です。
町の中心部の殿町通りなど、見どころ満載の山陰の小京都へ是非お出かけください。これからの季節は温泉も最高ですよ。
観光、温泉に関する問い合わせは津和野観光協会へお願いします。
電話番号:0856-72-1771
問い合わせ:午前9時~午後5時