
京都・京都市京北
~ 伝統息づく茅葺きの宿 ~

京都市右京区の北部に位置する京北地域が舞台。昔ながらの茅葺き屋根の自宅を利用し、農家民泊を始めた植田秀男さん(60歳)と妻の由加子さん(48歳)が主人公です。
京北地域で生まれ育った秀男さん。外国に大きな興味を抱き、大学時代には外国へ一人旅をしました。卒業後は呉服問屋に就職。海外に駐在することが決まったので母親に報告すると、「山と実家を守ってほしい」と涙ながらに頼まれ、実家に戻ることを決めました。2007年、京都市内のスポーツジムに通っていた秀男さんは、インストラクターをしていた由加子さんと出会い、2人は翌年に結婚します。
実家に帰ってから事業を立ち上げるも、母親が亡くなった後にたたんでしまい、何か新しいことはできないかと考えていた秀男さん。そんな時「民泊をやらないか」と、地域の商工会に勧められ、茅葺き屋根の自宅で民泊をやることを決意します。そして2015年7月に農家民泊「徳平庵」をオープンしました。日本の伝統的な茅葺き屋根と、旅のリクエストに柔軟に答える気さくなご夫婦は、外国の方からも大人気です。
実家の茅葺き屋根を守りながら、オリジナリティ溢れる農家民泊を始めたご夫婦の暮らしぶりを紹介します。


この日のお客さんはアメリカから来たジェームスさんとシェリーさんご夫婦。「日本ならではの特別な体験がしたい」とリクエスト。巨大な杉を見に行ったり、農家の畑で野菜を収穫したりしました。夕食はジェームスさんと由加子さんが、料理をそれぞれ4品ずつ作って乾杯。「貴重な体験ができた」と大満足の様子です。


宿泊客にも人気の空間、茅葺きの屋根裏部屋では、由加子さんのヨガ教室も行われます。今は隣の南丹市で、ヨガのインストラクターをしています。レッスンは「若さをもらえる」「元気になる」と大好評。リクエストがあれば、宿泊のお客さんにもヨガを教えます。


「徳平庵」に賑やかな笑い声が響いています。カフェスペースを、秀男さんとともに手がけてくれた大工の東さんを始め、気の置けない地元の仲間が集まりました。由加子さん手作りの鍋を囲んで、会話が弾みます。みんな地元が大好き。伝統的な茅葺き屋根を守りつつ、民泊という新たな挑戦をする秀男さんを応援しています。


茅葺きの家を守り続けることは簡単ではありません。屋根の葺き替えは15年から20年に1度行うので、その時に備えて材料となるススキを刈り取りストックしておきます。また、雪が積もる前には、庇の瓦屋根に付いた茅や苔を取り除きます。手間はかかりますが、意地でも茅葺き屋根を残したいと秀男さんは言います。



道の駅ウッディー京北
地元で採れた野菜や地元の職人が作ったお土産が販売されています。杉の皮で鯖寿司を包んだ「杉鮓」は、杉の香りが鯖の美味しさを引き立てます。
販売は不定期ですのでご注意下さい。
電話番号:075-852-1700
開館時間:午前9時~午後6時


徳平庵
伝統的な茅葺き屋根が特徴の農家民泊です。そこで何がしたいかリクエストを伝えると、植田さんご夫婦が楽しい旅のお手伝いをしてくれます。人気の空間、茅葺きの屋根裏部屋でヨガもできますよ!
電話番号:080-8327-3913
問い合わせ時間:午前10時~午後5時