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2016年11月19日霜月の参

福井・鯖江市
~ 夫婦の人情たこ焼き店 ~

眼鏡フレーム生産量日本一で有名な福井県鯖江市が舞台。故郷に戻りたこ焼き店を始めた齋藤栄一さん(64歳)と令子さん(62歳)が主人公です。ご夫婦が作るのは、本場・大阪風のたこ焼き。味はもちろん、明るいご夫婦が切り盛りするお店はお客さんに大好評!
鯖江市出身の栄一さん。大阪で小学校の教師をしていた24歳の時、令子さんと結婚し、3人の子どもが生まれました。熱血先生だった栄一さんは、家庭でも「これやるで~!」と常に何でもマイペースに決めていくお父さんでした。そんな中、鯖江市に暮らす母・ユリ子さんが病を患い、定年退職後は介護のために故郷に戻ると決めた栄一さん。どうせ帰るなら何かを始めたいと「大阪やったら粉もんやろ、そうだ、たこ焼き屋さんになろう」と勝手に決断します。栄一さんから何の相談もなかったという令子さんでしたが、黙ってついてきてくれました。そんなご夫婦に厳しく、そして惜しみなくたこ焼き作りの技を伝授してくれた師匠が、人気のたこ焼き店を営んでいた次男の充さん。そして2012年10月、たこ焼き店「まいど おおきに」を始めました。
今では、お客さんが絶えない人気店。そして何より、日々訪れるお客さんとにぎやかに会話を交わすご夫婦は、本当にイキイキして楽しそうです。

たこ焼きの生地は、師匠・充さん秘伝のレシピ。そして味の決め手となるのは、近所の蕎麦屋「二男坊」からもらう天かす。天ぷらを揚げるときに出来る天かすには、エビや野菜のうまみが染み込んでいます。また、たこ焼きの上に乗せる九条ねぎは「まいど おおきに」の裏の畑で育てているので新鮮でシャキシャキ。また栄一さんは、作り置きはせず、注文を受けてから焼きます。大阪風の「外側がカリッ、中はトロッ」とした食感を楽しんでもらうためのこだわりです。

お店を始めてから、地域の人々との交流が広がったというご夫婦。栄一さんは長らく離れていた故郷で、再び同級生との友情が深まりました。店頭にたこ焼きを焼くご夫婦のリアルな人形が飾ってあるのですが、これは栄一さんの同級生で人形作家の加藤和夫さんが作ってくれたもの。他にも地元の小学生の下校を見守るボランティアもしていて、子どもたちとの触れ合いも生まれました。かつての先生が今、「たこ焼き屋のおっちゃん」として皆に親しまれています。

お店の中に、筆で丁寧に書かれた「たこ焼き師の認定証」なるものが掲げてあります。息子であり、たこ焼きの師匠でもある充さんが贈ってくれたもの。ある日、師匠・充さんがお店の様子を見に来てくれました。じっとご夫婦の手元を見つめる充さんに、二人とも緊張の様子。そしてすかさず、「これは焼きすぎ」「早く転がして!」など厳しいチェックが入ります。でも、たこ焼きの焼き方は「きれい!」とお褒めの言葉を頂きました~。

次男・充さんと娘の朋子さんご家族が自宅に集い、ワイワイ楽しく夕食です。宴もたけなわの頃…電気が消え、朋子さんが4本のロウソクが灯ったケーキを運んできました。実は「まいど おおきに」はちょうど4周年。子供達とお孫さんが、サプライズのお祝いを計画していたんです。びっくりしたのと嬉しいのとで、令子さんは大号泣!改めて、「お店を始めて良かった」と感じたご夫婦でした。

楽園通信

まいど おおきに

ご夫婦が作る「カリトロ」の大阪風たこ焼きが自慢のお店。味は「ソース」「しょうゆ」「梅しそポンズ」の3種類。美味しい天かすと九条ねぎをたっぷり使用しています。たこ焼きを煎餅で挟んだ「たこせん」もあります。


営業時間:午前10時~午後5時
定休日:月曜・木曜

越前 そば処 二男坊

毎朝お店で打ったそばを提供しています。一番人気は、天ぷらにした薄揚げが乗っている「あげおろしそば」。大根おろしをたっぷりかけて頂きます。ご当地グルメのソースカツ丼もおすすめです。


電話番号:0778-51-4015
営業時間:午前11時~午後8時
定休日:火曜