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2016年9月3日長月の壱

大分・豊後大野市
~ 希少ハチミツで故郷おこし ~

舞台は、大分県の南西部、豊後大野市にある山深い里、鳥屋地区。
故郷おこしをしようと東京から単身で豊後大野市鳥屋地区にUターンし、養蜂を始めた羽田野弘文さん(63歳)が主人公です。
地元出身の弘文さんは進学を機に上京、東京の旅行会社やイベント会社で働きました。妻の弘子さんと27歳の時に結婚し、お盆やお正月には必ず家族と共に帰省。その度に、母校が廃校になったり空き家が増えたりと、寂しい話を耳にします。「故郷を何とかしたい」強くそう感じた弘文さんは、村おこしをする方法をあれこれと考えます。そして「これだ!」と思ったのが、蜜が希少といわれるニホンミツバチの養蜂でした。2013年、家族を東京に残し単身帰郷した弘文さんは、養蜂をスタートさせました。
ニホンミツバチは、1年かけて様々な花々から蜜を集めて来るため、奥行きある深い味わいを持つ蜜になると言われます。最近では、弘文さんに賛同して村おこしの活動に協力してくれる仲間も現れました。この季節は年に一度の採蜜の時期。弘文さんの一番の理解者である妻・弘子さんも手伝いに東京からやってきます。
故郷に活気を取り戻すため、単身で頑張るお父さん。情熱溢れる暮らしをご紹介します!

養蜂場にやってきた弘文さんは、巣の状態を確認します。蜜がほとんどたまっていないものや、蜂たちが蜜を溜めている途中できらきら光っているものなど状態は様々。その中でも白くミツロウでフタがされている巣は、採蜜のタイミングです。蜂たちは花から蜜を集め、巣に蜂蜜を溜めていく過程で、羽で風を送り糖度を高めます。そして糖度が高くなった蜂蜜にフタをしていくのです。弘文さんは蜂たちに感謝しながら、蜂蜜を絞ります。

ある日、弘文さんの自宅に大勢のお客さんがやってきました。皆さんを連れてきたのは「大分和蜂倶楽部」会長、大神さんです。弘文さんも所属している、ニホンミツバチの養蜂を広めるための会で、この日は養蜂初心者へのレクチャーを開催しました。参加者の一人、羽田野元紀さんは弘文さんの地元の先輩です。養蜂で故郷おこしをしようと頑張る弘文さんの姿を見て、「手伝ってやろう」と養蜂を始めることになったそうです。

東京に暮らす妻の弘子さんが、弘文さんの元に来てくれました。一人で暮らす夫をねぎらって家事をこなし、さらに採蜜した蜂蜜の瓶詰め作業も手伝います。今年の蜂蜜の出来に、弘子さんも「美味しい!」と太鼓判を押してくれました。実は最近、嬉しいニュースが。弘文さんの蜂蜜が「ふるさと納税」の返礼品に選ばれたんです。この夜、心のこもった手料理を何品も作ってくれた弘子さん。一人で町おこしに尽力する弘文さんを、心から尊敬しているそうです。

これまで一人で奮闘を続けてきた弘文さん。最近は、その熱い思いが周囲の心を動かし、一緒に故郷おこしを頑張りたいという仲間が増えてきました。ある日、メンバーが集い、地元の渓谷の整備を開始。皆さんは来年から養蜂も始めようとしている仲間で、荒れた自然に手を入れて美しさを取り戻せば、さらなる町おこしにつながると考えています。養蜂を皮切りに、弘文さんの故郷おこし計画は着々と進んでいるんです。

楽園通信

豊後大野市役所 商工観光課

豊後大野市には「原尻の滝」を始め、絶景スポットがたくさんあります。「神角寺展望台」からは豊後大野市の壮大な景色が一望できます。国の重要文化財に指定されている「木造金剛力士立像」や桧皮葺の本堂がある神角寺も必見です。

電話:0974-22-1001(代表)
問い合わせ時間:午前8:30~午後5:00