
山梨・甲州市
~ 桃農園のもぎたてカフェ ~

今回の舞台は、葡萄や桃の産地として知られる山梨県甲州市。代々続く桃農家を継ぎ、桃の魅力を多くの人に知ってもらいたいと、今年の春から自宅で、「桃娘農園カフェ」を始めた堀川清美さん(52歳)が主人公です。
甲州市出身の清美さんは、3姉妹の次女として生まれました。夏休みも放課後も、畑を手伝う事が当たり前の子ども時代でした。地元の短大を卒業後、市役所に勤め、28歳で甲府市出身の会社員、敦さんと結婚し二人の男の子を育てます。清美さんは、子育てや共働きの間でも、忙しい時期になると実家の桃農園を手伝っていました。その後、母が体調を崩し、一人で働く父の姿を見て、自分が桃畑を守ろうと一念発起。2010年に後を継ぎ、父と二人三脚の桃農家になりました。そして今年、専業農家になって6年、たくさんの人に桃の美味しさを知ってもらいたいと、自宅のリビングを改装して、桃を使った料理や限定デザートを提供する「桃娘農園カフェ」を始めました。
今が桃出荷の最盛期。猛暑の中で、桃農園の仕事とカフェを両立しながら奮闘している清美さんの暮らしぶりを紹介します。


専業農家になって6年。立派な桃を育てている清美さんに、美味しい桃の見分け方を教えてもらいました。「色が綺麗で、玉が張っている感じ、そして果点が入ってるほうが甘い」そうです。果点とは、皮に現れる白い点々模様のこと。太陽がしっかり当たって、甘くなった証拠です。購入する際、参考にしてみてください。


今年の春から始めた農園カフェ。清美さんは畑で収穫したての桃を、パスタの具にしたり、桃のコンポートを使った桃カレーにしたりと、様々なアイデアを試みています。収穫最盛期の7月8月には、期間限定の桃パフェを新作に加えました。自家製桃ジャム、桃のコンポート、フレッシュな生の桃を段々に重ねて、色んな食感を楽しんでもらいたいと考えたデザートで、人気となっています。


山梨市にあるフランス菓子の店「パティスリー フルヴィエール」。旬のショートケーキの材料に清美さんの桃を使っています。この店とのお付き合いは去年、清美さんたち桃農家の女性グループが、桃の菓子を作りたいと相談したことでした。試行錯誤の末、保存が効く、桃のコンポートを使った焼き菓子が完成。旬の時期以外にも、桃を楽しんでもらえます。桃の魅力がまた一つ、増えました。


清美さんは桃の育て方を父から教えてもらいましたが、よりよい桃を育てたいと、地元のベテラン桃農家に教えを請いました。先輩たちは、52歳の清美さんを“赤ん坊”と呼びます。それでも女衆のリーダーにさせたいと期待しています。そして、地元の桃研究会にも積極的に参加し、いろんな種類の桃の苗木を育てています。ふるさとの桃を未来に繋いでいく、大きな責任を感じています。




桃娘農園カフェ
忙しい収穫時期が続くので、カフェの利用は電話予約をお願いしています。生の桃を使ったパスタや『桃パフェ』は、収穫最盛期の8月いっぱいまでの予定。桃のコンポートを使った『桃娘カレー』は、1年を通して食べることが出来ます。
電話:0553-33-9352
定休日:不定休(予約制)
営業時間:午前10時~午後5時 ※季節によって営業時間が変わります
桃パフェ:900円
桃娘カレー:700円
桃娘パスタ:700円