
東京・昭島市
~ お母さんの手作りパン工房 ~

今回は、東京都昭島市が舞台。静かな住宅街にある民家を改装し『小さなパン工房 Osanpo』を営む、真下伊紀子さん(63歳)が主人公です。伊紀子さんが手間暇かけて焼き上げるパンは、土曜日だけの営業にも関わらず行列が出来るほど大人気!
結婚後、子供のためにと料理はもちろん洋服、菓子などあらゆるものを手作りした伊紀子さん。木工にも夢中になり、学習机や家具まで作るように。また、家族を喜ばせたいとパン作りにも熱中しました。50代になると「子育てだけが人生のすべてじゃない、自分の人生にプラスαとなる生きがいを見つけたい」と考え始めた伊紀子さん。パン作りの腕を生かし、パン屋さんを始めることを決意します。
伊紀子さんのすごい所は、昭島市にある古い民家を借り、自分一人でリフォームしてしまったことです。そして2014年、『小さなパン工房 Osanpo』をオープンさせました。手作りにこだわる伊紀子さん、パンも沢山の生地を作り分け、具材から手間暇かけて調理。そうして焼き上げるパンは「あたたかなお母さんのパン」です。
子育てを終えて見つけた伊紀子さんの生きがい。パン屋さんに木工に、お客さんとの交流にと、日々充実した暮らしを送っています。


土曜日のみ営業の「Osanpo」は週変わりで15種類ほどのパンを焼きあげます。パンによって生地を作り変えているため大変な手間がかかりますが、伊紀子さんは「お客さんに満足して欲しい」と徹夜でパン作りに勤しみます。ご本人曰く「お母さんのパン」。ピューレ状にしたトマトを生地に練り込み、トマト嫌いの子どもでも食べられるパンを作ったりと、お母さんならではの愛情がたっぷり入った素朴なパンなのです。そんな伊紀子さんのパンを求め、毎週開店と同時に沢山のお客さんがやってきます。


美味しいパンだけでなく、庭に植えたかわいらしい花々や、カントリー調のお洒落な店構えも「Osanpo」が人気の理由。お店は築48年の古民家で、元々は畳敷きの部屋でした。それを伊紀子さんがたった一人で改装したんです。畳をはがし、壁や床に板を張り付け、4カ月かけてコツコツリフォーム。カウンターや棚など、店内の家具もすべて手作り!店を訪れるお客さんも「入口から入ってパンに辿り着くまでも楽しい」と仰っていました。


伊紀子さんが昭島市に「Osanpo」をオープンして1年半、どんどんご縁が広がっています。店の常連はほとんどご近所の方。この日は、店の近くに住む梅田和子さんに呼ばれ、酒饅頭作りを教えてもらいました。そして、店の隣に暮らす大家さん・吉野潔さんも、お世話になっている方の一人。部屋を改装したいと言った時も、快くOKしてくれました。今でも交流は続き、育てた野菜を分けてくれたり、店の宣伝も買ってくれたりして、いつも伊紀子さんのことを気にかけてくれるありがたい存在です。


伊紀子さんのもう一つの顔が「木工女子」。店を一人で改装したように「DIY」が得意なお母さんです。木を並べドリル片手に作業を始めると、あっという間に素晴らしい作品が出来上がります。最近、次男・嗣基さん夫婦が福生市にカフェをオープンさせたのですが、息子夫婦のために居酒屋からカフェへの改装も手伝った伊紀子さん。オープン祝いにと、店先に手作りのウッドデッキもプレゼントしました。



小さなパン工房 Osanpo
東京の静かな住宅街の一角にある『小さなパン工房 Osanpo』は、毎週土曜日のみの営業。伊紀子さんが1人で焼き上げているので、一日150個限定です。
営業時間 午前10時30分~午後3時30分
土曜日のみ営業 ※売り切れ次第終了
りんごパン:160円
トマトチーズパン:180円
上等な食パン(1.5斤):400円


WORD COFFEE
伊紀子さんの次男夫婦が福生市にオープンさせたカフェ。店内では伊紀子さんが焼き上げるクリームパンや、バターたっぷりの「上等な食パン」を使ったクラブハウスサンドも食べられます。
電話:070-4163-8269
定休日:日曜日・祝日
営業時間:午前6時30分~午後6時
カフェラテ:300円~
カスタードCube:200円
クラブハウスサンドイッチ:750円