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2016年4月9日卯月の弐

三重・尾鷲市
~ 仲間と始めた港町食堂 ~

舞台は、ブリの日本三大漁場の一つ、三重県尾鷲市九鬼町(くきちょう)。故郷にUターンし、仲間とともに地域おこしの食堂を手伝う、川上修史(かわかみしゅうし)さん(65歳)と妻の里美(さとみ)さん(62歳)が主人公です。
大阪の繊維メーカーで、忙しい毎日を送っていた修史さんは、いつかは故郷・九鬼町に戻りたいと考えていました。里美さんにも気持ちよく移住してもらいたいと、定年前に、1年かけて築100年以上の実家をリフォーム。そして定年を迎えた2010年、夫婦で九鬼町に移住し、小さな漁港の町で田舎暮らしが始まりました。移住後は、好きな釣りをしたり、のんびりと日々の暮らしを楽しんでいた修史さん。ところが、毎年15人くらいずつ人口が減少していく現実を知り、「自分の故郷がなくなってしまうのではないか」と思い始めます。そんな中、町に一軒もなくなってしまった食堂を立ち上げようと、東京から地域おこし協力隊の青年が赴任。修史さんは、彼に協力するため仲間に声をかけ、店舗の内装を手伝うなど、町に活気を取り戻すための活動を始めました。そして、2015年5月、土日限定の食堂『網干場(あばば)』がオープンしました。
故郷に活気を取り戻したいと頑張る川上さんご夫婦。これからも九鬼町を元気にするお手伝い、続けていってくださいね!

赤い屋根と窓から見えるオーシャンビューが自慢の『網干場』。近くの市場から仕入れた魚が評判で、営業日の土日には、観光やリピーターのお客さん達でにぎわっています。メニューは、刺身・ミックスフライ・にぎり寿司定食の3種類。また、九鬼ブリを使ったしゃぶしゃぶも人気です。お店に立つのは、ボランティアで手伝う地元の方々。厨房とホールに分かれ、『網干場』を盛り上げています。

仕入れを担当するのは、修史さんと地域おこし協力隊の豊田さん。漁師町自慢の美味しい魚を食べてほしいと、早朝から市場に出向きます。営業日の2日前からブリを仕入れ、前日には刺身やフライの魚を選びます。仕入れた魚は、去年移住したばかりで、水産関係の仕事をしていた岸田さんが捌きます。捌きのプロによって施された丁寧な下処理のおかげで、臭みもなく素材本来の旨みを感じることができます。

里美さんは『網干場』を手伝う傍ら、修史さんの親せきから漁港の目の前にある喫茶店を任されています。ここは、里美さんが地元の方と顔見知りになるにはうってつけの憩いの場。地元の老人会の溜まり場にもなっています。「このお店のおかげで、町に慣れた」と話す笑顔の里美さん。今では、地元の方たちと話すのを楽しみにしています。

港から歩いて30秒ほどの場所にある川上さんご夫婦のご自宅。築100年以上経つ修史さんの実家を和風モダン風にリフォームしました。そんな自宅で行われる、仲間を呼んでの宴。1人1品料理を持ち寄りました。集まったのは、故郷が大好きでUターンしてきた地元組と、九鬼町に魅せられて移住した皆さんです。年齢は様々ですが、九鬼町の魅力を語り合いました。素晴らしい仲間たちに囲まれて幸せそうな川上さんご夫婦。これからも九鬼町での暮らしを満喫してくださいね。

この日、国道から九鬼の海岸線へ向かう最初のT字路にやってきた修史さんと友人のお二人。初めて九鬼町に来る人でも迷わないようにと、『網干場』の道案内用の看板を設置することにしました。「あぁでもないこうでもない」と悪戦苦闘しながら掲げた看板に「お客さんが沢山きますように」と願いを込めました。故郷を一軒の食堂から元気にしたい、町のためにやれることはまだまだあります。

楽園通信

アトリエ萌

九鬼漁港の目の前にあるのが、陶芸ギャラリーと喫茶の『アトリエ萌』。
親戚の方の陶芸作品が並ぶギャラリーになっていて、コーヒーやアイスクリームなどをお出ししています。営業は金・土・日の3日間です。

電話:090-8679-6349
営業時間:金・土・日 午後1時~午後5時
コーヒー:350円
クリームソーダ:400円
※遠方から来る際は、お問い合わせください

網干場

お食事なら、町で一軒だけの食堂『網干場』。海を眺めながら食事ができる窓際の席が人気です。お刺身とフライは、週ごとにメニューが変わります。土日限定の営業なので、ご注意ください!

電話:080-2632-8163
営業時間:土・日 午前11時~午後2時
※問い合わせ 水~日 午前10時~午後5時のみ
海のきまぐれミックスフライ定食:1,000円
大敷まかせの刺身定食:1,000円
鰤のしゃぶしゃぶ:300円