今回は愛知県豊田市の自然豊かな山里、五反田町が舞台です。自給自足を目指して田舎暮らしを始めた竹岡秀二(ひでじ)さん(63歳)と妻のとみ子さん(60歳)が主人公です。サラリーマン時代から農業に憧れ、一時は就農準備校にも通った秀二さん、仲間と共に田畑を借りるなどして土に触れてきました。そして2007年、定年退職を迎え、2008年に五反田町に移住し、農的暮らしを実現しました。温かいご近所さんに支えられ、ご夫婦は3度目の冬を迎えます。
五反田町では木箱で「へぼ」を飼っている家が多くあります。「へぼ」とはクロスズメバチのこと。食用にハチの子を育てるのが伝統なのです。集落の方々に勧められ、秀二さんも今年からへぼの飼育を始めました。餌は鶏の生レバー。秀二さんの毎朝の仕事です。とみ子さんは飼っているうちにへぼが可愛いく見えてきたと言いますが・・・、秀二さんは今年、飼いへぼに刺されました!!
田んぼ2反と畑1反で米と野菜を育てている竹岡さんご夫婦。田畑は管理をするかわりに無償で借りています。野菜を収穫していたとみ子さんに声をかけたのは池野きよさん(91歳)。野菜作りを教えてくれる大先輩です。高齢、過疎化が進む集落で、田畑を耕し、山里を守っていくには、竹岡さんご夫婦のような移住者はありがたい存在です。
ご近所さんが集う竹岡さんのお宅。柱がなく広々とした室内の中央には土足で上がれる土間、暖かい薪ストーブと囲炉裏が自慢です。今宵は酒の肴を持ち寄って決起集会。明日は集落の一大イベント「へぼフェスタ」が催されます。家々で育てたへぼの巣を巣箱から取り出し、重さを競うコンテスト。初参加の竹岡さんご夫婦にも期待が集まります。
へぼフェスタ当日、県内外から58個の巣箱が集まりました。煙でハチの動きを静め、巣を計量します。秀二さんの結果は2.34sで37位でした。初挑戦にしては上々の結果です。「田舎暮らしで大切なのは集団の中で生きる意識」と語るご夫婦。へぼの飼育とイベントへの参加を通して、更に地元住民との絆が深まりました。秀二さん来年は3kg目指すそうです。頑張ってください!!