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2021年5月29日皐月の伍

栃木・茂木町
〜のどかな山里の竹細工〜

舞台はウグイスが鳴き、豊かな自然が広がる栃木県茂木町。その山里で竹細工工房を開いた五月女大介さん(40歳)と妻の尚子さん(42歳)が主人公です。工房では「そばざる」や「買い物かご」など、青竹を使い美しく頑丈で長く使える竹細工の日用品を作っています。
栃木県宇都宮市出身の大介さん。東京の美術大学を卒業した後、音楽好きが高じてDJとなりました。しかし、東日本大震災をきっかけに仕事と暮らし、生き方を改めて考えたいと強く思い故郷に帰る決意をします。2012年、故郷・宇都宮にUターンし、農業を始めた大介さん。思い出したのは、亡き祖父・忠さんが農作業の傍ら、竹細工を作っていた姿でした。「自分もおじいちゃんみたいな竹細工を作ってみたい」と思い立ち、栃木県大田原市の竹工芸家・八木澤正さんの元に弟子入り。その時、師匠を介して出会ったのが妻の尚子さんでした。35歳で竹細工職人として独立。竹林のそばで工房を開きたいと、茂木町の空き家バンクから現在の家を紹介してもらいました。そして、自らの手でボロボロだった家を改築し、尚子さんと結婚。2016年、竹細工工房『伍竹庵』を開きました。
築40年の空き家を改築した自宅兼竹細工工房の『伍竹庵』。中は大介さんの竹細工でいっぱいです。欄間は三角形を2つ重ねることで六角形を作る“六つ目編み”。夜に灯りで照らされると漆喰の壁に幻想的な影が浮かび上がります。そして、ランプシェードも竹細工。中でも一番のお気に入りは土間の台所で、全て大介さんの手作り。釜戸には大介さんらしく焚口に竹の取っ手がつけられています。釜戸で炊くご飯を初めて食べた時、尚子さんは「美味しくて涙が出た」と言います。
祖父に憧れて竹細工の世界に飛び込み、山里で昔ながらの暮らしを始めた五月女大介さんと尚子さん。そんなご夫婦の周りには、応援してくれるご近所さん、竹細工教室に集まる生徒さんなど、温かい人々との交流の輪が広がっていました。

ある日、ご夫婦が訪れたのは、近所にある地元茂木町のそば粉を使用した二八そばが評判の『そばの里まぎの』。実はこの店でも、大介さんの“そばざる”が使われています。店長の石川さんは“大介さんのざる”について「水切れが良く、お客さんが食べた後にざるが綺麗と言ってくれる!」と大絶賛。

朝6時、ご夫婦で日課のヨガをした後、大介さんは朝飯前のひと仕事。青竹を割いて竹細工の材料となる“竹ひご”作りをはじめました。幅1.5ミリ、薄さは0.7ミリという細い“竹ひご”を手の感覚だけで削っていく大介さん。中でも、面取りという角を落とす作業は出来上がった竹細工の水切れを左右する重要な工程です。
その頃台所では、妻の尚子さんが朝食の準備に取り掛かります。米研ぎに使うのは、大介さんが作った水切れ抜群の“米研ぎざる”。お米を水に浸している間、自宅前に広がる畑で朝食用の野菜の収穫に向かいます。新鮮なレタスやミツバ、山菜などでサラダを作り、ご飯が炊き上がれば健康的な朝ごはんの出来上がり。ウグイスのさえずりを聞きながらゆったりと味わう朝食に、尚子さんも「贅沢な食事」としみじみ語りました。

月に一度行われる竹細工教室の日。大介さんは『伍竹庵』の側に借りた竹林にいました。生徒の一人、植木職人の平澤行夫さんが、教室で使う竹の切り出しを手伝ってくれます。大介さんにとって平澤さんは「いろいろできるスーパーマンのような存在」だと言います。その後、他の生徒さんも集まり竹細工教室がスタート。この日は“小物入れ用のカゴ”がお題ですが、“スーパーマン”平澤さんは苦戦。大介さんが手取り足取り教えてくれたお陰で、素晴らしい“六つ目編みのかご”が完成しました。

青竹の“米研ぎざる”を完成させた大介さん。『伍竹庵』から車で50分ほどの大田原市に向かいました。全国から仕入れた職人手作りの日用品を販売する『ギャラリーショップ田谷』に竹細工の納品です。そこにやってきたのは、竹細工の師匠・八木澤正さん。大田原市は八木澤さんの地元で、弟子である大介さんの作品を見に来てくれたのです。八木澤さんは大介さんの竹細工を手に取り「非常に繊細で、ひたすら夢中でやっているのが伝わる」と、太鼓判を押してくれました。

楽園通信

ギャラリーショップ田谷

職人が手作りした陶器や木工製品などを販売している『ギャラリーショップ田谷』。一点モノのため、売り切れの場合がございます。在庫などはSNSにてお問合せください。

営業時間:午後1時〜5時
定休日:日・月・火曜
買い物かご(中)38,570円

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