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2021年5月22日皐月の四

千葉・松戸市
〜楽しみ無限大 レンタル古民家〜

舞台は千葉県松戸市。かつては江戸と水戸をつなぐ水戸街道の宿場町があり賑わった町です。そんな水戸街道沿いにある、立派な古民家。ここは主人公・石井なぎささん(60歳)が大正時代に建てられた母屋と蔵を改装して始めた、レンタルスペース『つながる古民家 隠居屋』と蔵カフェ『gallery&cafe雨讀』です。
パン屋さんやイタリアンレストランなど、日替わりで様々な利用があるレンタルスペースはいつも賑やか。奥の蔵カフェではなぎささんが手作りスイーツや香り高いコーヒーでお客さんを迎えます。
東京生まれのなぎささん。お盆やお正月は、父の両親が暮らす松戸市の家で過ごしました。高校時代には、敷地内に建てられた新居に家族で移住。美術短大を卒業後、建築士となったなぎささんは、次第に祖父母が住んでいた古民家の価値に気づき始めます。33歳で二三夫さんと結婚後は、横浜市に暮らし子育てに専念していましたが、5年前に父が病で倒れ実家に通うように。すると、傷みが激しくなった母屋や蔵の姿が目につき、どうにかして守りたいと思い始めました。“古民家を修繕するだけでなく、ここで地元の人とのつながりを作りたい”と考え、一人で“隠居屋プロジェクト”を立ち上げ、2018年1月から母屋と蔵の修繕を開始します。夫・二三夫さんの定年を機に松戸市にUターンし同年6月、レンタルスペース『つながる古民家 隠居屋』をオープン。翌年には、母屋の裏手にある蔵で『gallery&cafe雨讀』も始めました。
『つながる古民家 隠居屋』では、飲食店をしてみたい方や地元で活動を始めた若い音楽家など、様々な用途に応じて地域の皆さんが利用してくれます。なぎささん自身も月に一度、隠居屋を利用し“子ども食堂”をオープン。予約制でお弁当を配布したり、子供たちに遊びの場を提供したりと隠居屋の使い方は無限大です!
また蔵の『gallery&cafe雨讀』はなぎささん自身が楽しみながら働く場所。忙しいなぎささんに代わって夫・二三夫さんがカフェマスターをすることもあり、そんな時間の中から、また新たな交流も生まれています。
先祖が残した古民家と蔵で日々いろんな人とつながり、いつもその中心に立っているなぎささん。そして集う仲間たちや、温かく見守る家族。みんなにとってここは、とっても大切な場所になりました。

『つながる古民家 隠居屋』は、なぎささんの先祖が大正6年に建てた母屋。“隠居屋”は屋号で、かつて江戸で薬売りをしていた先祖が松戸へやって来て農業を始め、隠居の家として建てたことから名がついたと伝わっているそうです。「家を本来の形に戻して残したい」というなぎささん。壁や床などは綺麗に修繕しましたが、天井や柱、梁などは大正時代のものをそのまま残しています。中でも、長〜い1本の木をまるごと使った梁は見事なもの!一体どうやって運んだのだろうと、大正時代に思いをはせるなぎささん。また、土間と10畳間の間にある障子戸は小障子を一つ一つ外す事ができ、夏には風通しの良い格子戸に早変わり。大正時代の職人さんたちの心意気が感じられます。61年前にこの家で結婚式を挙げたのが、なぎささんの母・伊保子さん。当時の写真に写っている部屋は今も全く変わっていません。なぎささんが子供の頃は、お盆やお正月になるとこの家に親戚が集まり餅つきをしたそうで、家族の思い出が一杯つまった場所です。

『つながる古民家 隠居屋』を利用しているお客様の1人、米澤さんは、オープン当初から使ってくれている常連さん。月に一度、土間でパン屋さん『チーサ』を開いています。季節のフルーツを使ってこしらえる自家製天然酵母を使い、米澤さんが焼き上げるパン。種類が豊富で、繊細かつ手の込んだものばかりと大人気。なぎささんも母・伊保子さんも大ファンで毎回沢山購入しています。
また別の日には、土間が農家レストランに変身!脱サラして農家になった大場さんご夫婦が、育てた野菜をお客様に届けるところまでやってみたいと週末に開くイタリアンの店『亀吉農園』です。朝採れの新鮮な野菜を使って調理する前菜やパスタは大人気。完全予約制ですが毎回満席となっています。お客さんも「飽きがこない。どんどん新しい物に出会えるきっかけの場所」と絶賛していました。

なぎささんがオーナーを務める『gallery&cafe雨讀』。自分自身の生きがいを求めて、隠居屋裏の蔵を改装して開いたギャラリーカフェです。週5日、カウンター前でコーヒーを淹れるなぎささん、美術短大出身でアートが大好き。「趣味と実益を兼ねた場所」と話すだけあって、1階のカフェスペースの壁、そして2階は360度、絵画作品が飾れる設計になっています。定期的に行われる展示会は、なぎささんがお気に入りの作家さんに声をかけて実現。今回も作品に惚れ込み「ぜひうちのギャラリーに来て」と声をかけたのが日本画家の杉山佳さん。家や家具、動物など身近なものをモチーフにした作品は、見る人をほっこり和ませるものばかり。若手作家を応援したいと「巨匠お断り!」を断言しているなぎささん。そんなアットホームなカフェには、高校の同級生がやって来たり、母・伊保子さんも常連。お母さんはここで知り合った岡田さんとすっかりお友達に。人の輪がどんどんつながっていきます。

隠居屋の裏手にあるなぎささんのご自宅。隠居屋にイタリアンレストラン『亀吉農園』が来ている日は、こちらにデリバリーをお願いして料理を楽しみます。「おかげさまでどこにも行かなくてもここで楽しめる」と隠居屋ライフを最も楽しんでいるのは、母・伊保子さん。「今日はなぁに?」と日々隠居屋に顔を出しては、日替わりで出店している方々と交流を楽しんでいます。去年夫を亡くし一時は落ち込んでいたお母さん。今ではすっかり元気を取り戻し、なぎささんも隠居屋やカフェをしてよかったと感じています。そんななぎささんは、カフェの営業終了後、夕食の準備です。メニューはラザニアにアヒージョにラタトゥイユ。とっても手間がかかりますが、二三夫さんがキッチンに立って手伝うことは…「全くない!ずーっとご飯作らないでいたとしても、ずーっと待ってる」そう。この日も二三夫さん、ゆっくり寝て待っていたら、ご馳走がずらりと並んでいました。毎日なぎささんの美味しいご飯で乾杯するのが、何よりの楽しみなんですって!なんだかんだで、笑顔の絶えない仲良し夫婦です。

楽園通信

omusubi不動産

「つながる古民家 隠居屋」のスケジュールやレンタル情報に関しては、こちらにお問い合わせください。

電話:047-710-0628
営業時間:午前10時〜午後6時
定休日:水・日曜

gallery&cafe雨讀

主人公・なぎささんが営むカフェです。なぎささんが応援している作家さんの展示会は不定期で開催。手作りのケーキとコーヒーが味わえます。

営業時間:午後0時30分〜5時30分
定休日:水・木曜

戸定歴史館

松戸市にある、徳川家ゆかりの貴重な建物です。

電話:047−362−2050
開館時間:午前9時30分〜午後5時
休館日:月曜(祝日の場合は翌日)

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