日本料理「天現寺 笹岡」オーナーシェフ。
1962年、東京都に生まれる。高校卒業後、18歳で赤坂の料亭「長谷川」で料理の世界に入る。
三田「菱沼」で料理長として活躍。
34歳で独立し、「天現寺 笹岡」をオープン。2007年には新丸ビルに「恵比寿 笹岡 新丸ビル店」をオープン。
(1人分)
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No.219
85ページ
キンメダイ(切り身)…2切れ
にんじん…50g
しいたけ…2枚
ごぼう…35g
木綿豆腐…160g
小松菜…1株
しょうが(せん切り)…1片
しょうがの皮、長ねぎの青い部分…各少々
〈煮汁〉
|水…250ml
|醤油…40ml
|酒…20ml
|砂糖…30g
【野菜は切り目を入れて叩いて噛みやすく】
かたいにんじんは斜め切りにして切り目を入れ、しいたけはつるりとすべりやすいかさ全体に2mm幅くらいに切り目を入れると、噛みやすくなります。ごぼうは細い方はかたいので、半分から下の根元側を使い、包丁で叩いて繊維を壊すと火が早く入ります。
【キンメは煮すぎず身をやわらかく】
身がやわらかくて食べやすいキンメは、骨のない部分を使います。冷たい煮汁に入れて火にかけると、徐々に温度が上がるため、魚の旨みが煮汁にしっかり溶け出し、おいしくなります。煮汁が煮立っている状態を保ち、煮すぎず、身をやわらかく煮ます。
(全量)
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No.219
86ページ
マグロ(刺身用)…1さく
タイ(刺身用)…1さく
にんじん…50g
しいたけ…4枚
しょうが…1片
糸三つ葉…適量
卵…1個
〈A〉
|だし汁…100ml
|醤油…10ml
|砂糖…7g
〈B〉
|だし汁…100ml
|醤油…7ml
|砂糖…5g
米…2合
〈すし酢〉
|酢…100ml
|砂糖…30g
|塩…15g
醤油…少々
塩、酢、サラダ油…各適量
【にんじんはご飯粒くらいに切り、しいたけも大きさをそろえ、ご飯となじみよく】
にんじん、しいたけはご飯粒より大きくならないくらいに切り、ご飯となじみよくします。にんじんはこの大きさなら香りが残り、味もちょうどよく入ります。
【刺身は食べやすい大きさに切り、酢洗いや醤油洗いで軽やかな味に】
タイは、食べやすい薄めの小さな一口大に切り、塩をふってから酢にくぐらせて臭みを流し、さっぱりとさせます。マグロは箸でつまみやすい大きさに切り、醤油をまぶして醤油洗いします。
中国料理「Wakiya一笑美茶樓(わきやいちえみちゃろう)」、「トゥーランドット臥龍居(がりゅうきょ)」(東京・赤坂)他、計4店舗のオーナーシェフ。
1958年、北海道札幌市に生まれる。60歳。
15歳で料理の道に入り、赤坂「山王飯店」からスタートし、2001年に「Wakiya一笑美茶樓」をオープン。
中国茶に精通するだけでなく、ワインにも造詣が深く、'09年にはシャンパーニュ騎士団のシュバリエ(騎士)に叙任。
'10年厚生労働省による卓越した技能者「現代の名工」として表彰、'14年秋の叙勲にて黄綬褒章を受章。
毎朝6時30分から1時間ほど、自宅から店までを8000歩ほど歩きます。仕事前に歩いて体を動かすことで温まり、血行がよくなります。働いている分を含めれば、1日1万歩ほどでしょうか。健康には年齢相応に気をつけていますが、特別に何かするというより、仕事に励み、食事の内容に少し配慮しています。食べることは日々の養生に直結していますから。
水分補給を兼ねてなるべく温かい煮ものやスープ、お茶をとり、腸を温めることを意識しています。煮ものやスープには、筋肉や肌、髪を作る肉や魚、大豆食品などのたんぱく質食材を具に使うと、旨みが煮汁に溶け出し、奥行きのある味に。煮ものやスープは、たっぷり汁も飲むつもりで、薄味にしています。薄味の料理を続けるには、味の満足度を高めることがポイント。陳皮、レモンなどの柑橘類、スパイス類、ハーブ類の香りや唐辛子などの辛みを生かせば、最小限の味つけでもおいしくなり、栄養面でも充実します。
(全量)
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No.218
81ページ
木綿豆腐・・・1丁
鶏ひき肉・・・100g
ホタテ貝柱(水煮缶)・・・10g(正味)
みかんの皮(ワタを除き、天日などで乾燥させ、せん切りにしたもの)・・・適量
*柚子、オレンジなど他の柑橘類でも代用可
粉山椒・・・適量
サラダ油・・・大さじ1
生姜(みじん切り)・・・10g
〈A〉
|酒、砂糖・・・各大さじ2
|醤油・・・大さじ1
|鶏ガラスープ、オイスターソース・・・各小さじ1
こしょう・・・少々
水溶き片栗粉(片栗粉小さじ1を倍量の水で溶く)・・・大さじ1/2
ごま油・・・小さじ2
〈B〉
|鶏ガラスープ・・・400ml
|塩・・・少々
〈C〉
|オイスターソース・・・小さじ1
|酒・・・大さじ1
|こしょう・・・少々
【豆腐を凍らせてから煮ると、スープのしみこみがよく、心地よく噛める楽しみも】
食べやすいたんぱく質源・豆腐。ひと晩凍らせると生の豆腐の風味が残りつつ、弾力が出て、噛むと旨みたっぷりのスープがしみ出します。
【鶏そぼろはかたくならないように弱火でゆっくり火を通す】
加熱するとかたくパサつきやすい鶏ひき肉は、弱火で調味料をゆっくり吸わせるように煮るとジューシーに。汁気がひたひたになるまで煮つめると、旨みがスープにしっかり溶け出します。
(1人分)
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No.218
82ページ
白菜・・・300g
鶏ひき肉(もも)・・・200g
玉ねぎ・・・1個(300g)
春雨・・・30g
〈A〉
|塩・・・少々
|酒、オイスターソース、砂糖・・・各小さじ2
溶き卵・・・1個分
片栗粉・・・大さじ1
〈B〉
|サラダ油・・・大さじ2
|長ねぎ、生姜、にんにく(それぞれ1cm四方に切る)・・・各5g
温かい鶏ガラスープ・・・1l
〈C〉
|塩、こしょう・・・各適量
|砂糖・・・少々
【鶏団子のたねには、おろした玉ねぎを混ぜてふわふわに】
幅広い年代から人気の肉団子をやわらかく煮上げるため、肉だねにおろし玉ねぎを混ぜます。口溶けがよくなるだけでなく、玉ねぎの甘みでコクが増しておいしくなります。
【鶏団子は、仕上がり近くに入れてふんわり煮上げる】
ゆるい感じの肉だねを、料理の仕上がり近くに団子状に形作ってスープに入れると、長く煮すぎないので、ふんわりとした鶏団子に。白菜は繊維と直角に切ると、やわらかく煮えます。
フランス料理「ラ・ロシェル」オーナーシェフ。
1942年、鹿児島県に生まれる。76歳。
17歳でフランス料理の世界に入り、19歳で単身オーストラリアに渡り、1年半の修業の後、帰国。帰国後、数店でシェフを務め、1980年、38歳で独立。「ラ・ロシェル」のオーナーシェフに。
1994年、テレビ「料理の鉄人」に出演し、一躍有名に。
現在は、「ラ・ロシェル南青山」、「ラ・ロシェル福岡」、「ラ・ロシェル山王」を統括。食材の持ち味を生かす軽やかなソース、美しい盛りつけに定評がある。
一番大事なのは健康。健康維持のためには、好き嫌いなく食べること。食欲がなくてもある程度の量は食べることが必要です。
仕事以外の趣味をもつことも大切です。僕の場合は自転車、ジェットスキー、ゴルフ。若い時からジムにも通っていて、体を動かすのは自分にとってごく自然なこと。仕事とは別に、というのが大事です。自転車歴は10年くらい。ロードバイクで家から会社まで40分程度走って通勤する日も。店のスタッフ5人としらす丼を食べようと東京から江ノ島まで走ったり。やると決めたらすぐ、フットワーク軽く動ける自分でいたいですから。
海が好きで、ここ数年は、ジェットスキーに凝ってます。ガンガン走って、結構スピードを出すから、若い人に驚かれます。ジェットスキーでは、握力が鍛えられました。握力がないと波やスピードに流されてしまいますから。
元気で健康でないと、料理の味にも影響します。「リーダーは常に元気であること」。これが僕のモットーです。元気で明るい人の近くにいると楽しいでしょ。それだけでも価値がありますよね。
(1人分)
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No.217
83ページ
鶏もも肉(あれば骨つき)・・・2枚
〈漬けだれ〉
|日本酒、みりん・・・各50ml
|醤油・・・200ml
|砂糖、トマトケチャップ・・・各100g
|生姜(すりおろし)・・・5g
|にんにく(すりおろし)・・・1片分
|豆板醤・・・5g
長ねぎ(3cm長さに切る)・・・1本分
なす(縦半分に切る)・・・1/2本分
水溶き片栗粉(片栗粉小さじ2弱を水大さじ1で溶く)・・・適量
サラダ油・・・大さじ2
【ご飯にのせれば、照り焼き親子丼に】
器に温かいご飯100g、そぎ切りにした鶏肉のソテー適量、市販の温泉卵1個を盛り、ソース適量をかける。あさつきの小口切り、白髪ねぎ各適量をのせる/1人分
【鶏肉はマリネしておくとしっとりとやわらかく】
鶏肉がしっとり焼き上がるように、漬けだれに浸してマリネしてから焼きます。汁気をしっかり拭き、多めの油で焼くことで焦げつかずに香ばしく焼けます。
【火を入れすぎずに焼いたらアルミホイルで包んで休ませ、肉汁を保ってやわらかく】
アルミホイルで鶏肉を包んで余熱で火を入れてしっとり仕上げます。休ませることで肉汁も逃げにくくなります。
(1人分)
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No.217
84ページ
合いびき肉・・・200g
玉ねぎのみじん切り・・・1/4個分
干し椎茸(戻したもの)のみじん切り・・・2枚分
ご飯・・・50g
トマトケチャップ・・・大さじ2
氷水で溶いたブイヨン(市販のブイヨンの素を氷水で溶く)・・・約50ml
サラダ油・・・適量
バター・・・15g
塩、粗びき黒こしょう・・・各適量
〈ソース〉
|だし汁・・・100ml
|醤油・・・10ml
|いちごジャム・・・大さじ1と1/2弱
|バター・・・20g
|水溶き片栗粉(片栗粉小さじ2弱を水小さじ1で溶く)・・・全量
|練りわさび・・・少々
小ねぎ(小口切り)・・・適量
【ぬめりを取ったご飯を入れることで、ハンバーグがふんわりやわらかく】
たねにご飯を混ぜると、ハンバーグを焼いた時にかたく締まりすぎず、やわらかく。ご飯はそのまま使うと食感が悪くなるので洗ってぬめりを取ります。パン粉や卵を使わないので、肉感あふれる仕上がりになります。
【旨みのある冷たいブイヨンを加えて焼き上がりをジューシーに】
冷たいブイヨンで水分を加えることでたねの脂が浮かず、パサつかずジューシーに焼き上がります。ブイヨンはできるだけ冷やして。たねはこねずに混ぜ、なめらかなやわらかいたねに。焼き縮みもしにくくなります。
「四川飯店グループ」オーナーシェフ。
1956年、東京に生まれる。62歳。
大学卒業後、父である陳建民の経営する赤坂四川飯店にて修業を開始。
1990年、父の跡を継ぎ、「赤坂四川飯店」社長に就任。
1993年、「中華の鉄人」としてテレビ番組『料理の鉄人』に出演。他にも雑誌、テレビ番組、講演、料理学校の講師などで幅広く活躍。四川料理の普及や後進の育成にも努める。
年をとると、気をつけていてもいろいろな病気が出てくるよね。勝手に“内臓との闘い”、なんて命名していますけど、しょうがないですからね。だから、ちょっと気にして生活する。すごく気にするのはよくないですよ。ストレスがたまりますから。
よく言われるように“よく食べ、よく遊び、よく働く”。これが健康の素ですね。仕事はきちんとするけれど、この年になると仕事一筋ではなくて、趣味をもつのが大切。僕の気分転換はゴルフ。運動にもなるので一石二鳥です。趣味は自分に合うものなら、何だっていいと思います。食べるのが好きだったら、おいしいものを食べるだけでも。そういう時間があるから、楽しかったり、疲れが癒されたりするんですよね。メリハリのある生活は大事です。
僕も“食べるのは命”というくらい好きですね。でも最近は年齢を考えて、食後のラーメンなど(笑)を食べないようにがんばってます。おいしいものを食べている時も楽しくて“いい気”が生まれます。そういう時間の積み重ねが大切です。
(1人分)
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No.216
87ページ
鶏手羽先・・・8本
長ねぎ・・・1本
干し椎茸(一晩水に浸して戻したもの)・・・2枚
生姜の薄切り・・・1片分
生姜の皮・・・適量
醤油・・・大さじ1
オイスターソース・・・大さじ1/2
〈A〉
|酒・・・大さじ1
|砂糖・・・小さじ1
|醤油・・・大さじ2/3
|こしょう・・・少々
和風だしの素(顆粒)・・・小さじ1/2
水溶き片栗粉(片栗粉を同量の水で溶いたもの)・・・大さじ2
サラダ油・・・大さじ1
【おいしいだしが出る鶏手羽先は骨に沿って切り目を入れる】
家計にやさしい鶏手羽先は、煮ると骨からだしが出ておいしく仕上がります。骨に沿って1本切り目を深く入れると、火が通りやすくなって早く煮え、やわらかく煮上がります。
【とろみをつけて具をまとめ、つるりと喉ごしよく】
仕上げに、水溶き片栗粉を入れてとろみをつけます。鶏スープにオイスターソースの旨み、焼いた醤油の香ばしさが溶けた煮汁が鶏手羽にからみやすく、喉ごしもよくなります。
(1人分)
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No.216
88ページ
むきエビ・・・12尾(120g)
〈下味〉
|塩・・・小さじ1/4
|こしょう・・・少々
|卵白・・・大さじ1
|片栗粉・・・大さじ1
レタス・・・1/2個
ごぼう・・・25g
じゃがいも・・・50g
れんこん・・・30g
鶏ガラスープ・・・200ml
〈A〉
|おろし生姜・・・大さじ2/3
|おろしにんにく・・・小さじ1
|豆板醤・・・大さじ1
|トマトケチャップ・・・大さじ2
〈B〉
|酒・・・大さじ1
|砂糖・・・小さじ2
|塩・・・少々
|こしょう・・・少々
青ねぎの小口切り・・・5本分
水溶き片栗粉(片栗粉を同量の水で溶いたもの)・・・大さじ1~1・1/2
酢・・・小さじ1/2
サラダ油・・・大さじ2
【エビは食べやすく切り、下味を入れて適度なプリプリ感に】
加熱するとかたくなりやすいエビ。7mm幅くらいに切り、下味の調味料を順に入れて揉みこむと、火を入れてもかたくならず適度なプリプリ感が楽しめます。
片栗粉をまぶす前に、卵白のコシがなくなるまで揉むのがポイント。
【それぞれの食感がおいしく楽しめるよう野菜は小さい角切りに】
3種類の根菜は、5mm角に切ることで、歯に負担なく噛める喜びが楽しめます。それぞれの食感の違いもおいしい。エビは野菜と一緒にいったん取り出し、仕上げにソースに戻し入れるのでかたくならず、噛みやすい食感になります。
東京・西麻布「リストランテ アルポルト」オーナーシェフ。
1948年、東京都に生まれる。70歳。
1968年、日本領事館の総領事付き料理人としてイタリア・ミラノへ渡り、約5年間修業。
帰国後、「小川軒」、「マリーエ」を経て1983年、「リストランテ アルポルト」を西麻布にオープン。
日本の食材を生かした小皿で提供するイタリアンで人気に。
日本のイタリアンを牽引するシェフの一人として活躍。
運動はしないですね。その分、食事に気をつけています。普通の人に比べて食事の時間が遅いですから、高カロリーのもの、消化に悪いもの、プリン体を多く含むもの、血糖値が上がりやすい甘いものなどはなるべく摂らないようにしています。好んで食べるのは、豆腐、納豆、卵、やわらかく焼いた肉、お刺身など消化のよいたんぱく質食材。ご飯は昔の1/3量にしています。代謝が落ちてカロリーを消費しないですから。まかないも食べる量は、以前の半分にしています。
朝ごはんには、以前はフルーツたっぷりのスムージーを飲んでいましたが、牛乳に青汁を溶かしたドリンクに換えてカロリーオフ。あとは生野菜のサラダと、バナナ、いちご、アガベシロップ*をのせたヨーグルト、バタートースト、コーヒーがお約束です。全般的に濃い味から薄い味つけにしています。あとは、オリーブオイル大さじ1をいろいろなものにかけています。便通にもいいそうなので。月に1回は健診を受けています。若い頃は無理がききますが、大事になる前にケアしたいので。毎日の食べ方で健康が保てるように気をつけています。
*アガベ(リュウゼツラン)という植物から抽出された樹液を使った甘味料
(1人分)
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No.215
85ページ
牛ヒレ肉(ステーキ用)・・・100~120g
塩、こしょう・・・各少々
オリーブオイル・・・適量
〈A〉
|にんにくのみじん切り・・・小さじ1弱
|ディジョンマスタード・・・小さじ1
|玉ねぎ・・・20g
|トレビス(あれば。ちぎる)・・・2枚
|クレソンの葉先(ちぎる)・・・4~5本分
|ケイパー(酢漬け)・・・大さじ2
|青ねぎの小口切り・・・大さじ1
|卵黄・・・1/2個分
〈B〉
|パセリのみじん切り・・・小さじ1
|塩・・・ひとつまみ強
|オリーブオイル・・・大さじ1
|粗びき黒こしょう、レモン汁、バルサミコ酢(あれば)、
| 白ワインビネガー(なければ酢)、タバスコ®、
| ウスターソース・・・各少々
ガーリックトースト(バゲットの薄切り)・・・4枚
市販の好みのドレッシング、ベビーリーフ、
トマトの0.5mm角切り・・・各少々
【加熱してもやわらかいヒレ肉を選び、さっと香ばしく焼く】
加熱するとかたくなる牛肉ですが、やわらかいヒレ肉を選び、表面をさっと焼いて中にも火を通すことで、やわらかさを保つことができます。
【牛ヒレ肉は粗く刻むと噛み切らなくてすみ、食べやすく】
やわらかく焼いて、さらに粗く刻むことで、食べやすくなります。
肉のなめらかな食感、弾力が楽しめ、噛めば肉の旨みや調味料、ハーブの香りも広がります。
(1人分)
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No.215
86ページ
豚ロース肉(厚さ2cm)・・・250g
温かいご飯・・・茶碗2杯分
塩、粗びき黒こしょう・・・各適量
オリーブオイル・・・適量
〈マリネ液〉
|みりん・・・大さじ2
|酒・・・大さじ2/3
|はちみつ、おろし生姜・・・小さじ1
|青ねぎのみじん切り・・・大さじ1
|醤油・・・大さじ2
|にんにくのみじん切り・・・小さじ1
|バルサミコ酢(なければ酢)・・・大さじ2/3
|オリーブオイル・・・大さじ1/2
|ローズマリー・・・1枝
〈A〉
|酒・・・50ml
|みりん、醤油・・・各40ml
〈B〉
|りんごのすりおろし・・・1/4個分
|おろし生姜・・・大さじ1
|玉ねぎのすりおろし・・・1/4個分
|おろしにんにく・・・大さじ1/2
|長ねぎのみじん切り・・・大さじ1
玉ねぎの縦薄切り、キャベツのざく切り・・・各70g
青ねぎの小口切り・・・適量
【厚みのある豚肉は焼いてからマリネ液に漬けて湯せんにすると、しっとりとやわらかく】
厚みのある肉は、焼いてからマリネして湯せんにして火を通します。湯の温度は、たんぱく質がかたく締まらない65℃で。
マリネ液にはオイルやはちみつが、ソースには果物のすりおろしが入っているから、驚くほど、肉がやわらかく仕上がります。
【やわらかい豚肉をさらに薄切りにして、舌ざわりよく噛みやすく】
やわらかく火が通っていても、食べる時に肉が厚いとやはり噛みにくさを感じるもの。ごく薄切りにすることで、なめらかな舌触りとやわらかさが楽しめます。ご飯とともに食べる丼にしても食べた感じは軽やか。
19歳で長崎県内の旅館で料理の世界に入る。
1978年(株)灘萬(現・(株)なだ万)に入社。
なだ万時代には、ホテルニューオータニ店やシンガポールのホテルシャングリラ店の調理長をはじめ、調理本部部長、理事も務める。
1996年には、“和の鉄人”として人気料理番組に出演し、独創的な料理の数々を見せる。その後、同社を退社後、1999年に独立。
2014年2月には、横浜に「中村孝明 貴賓館」をオープンするなど、国内に4店舗を展開。現在に至る。
昨年11月で満70歳になりました。生涯現役、まだまだ料理を作りたいので、自然と、健康に気をつけるようになりました。時間をやりくりして週に2回は、水泳をしています。住まいを今のマンションに決めたのは、プールつきだったから。仕事が終わるのはだいたい日付が変わってからですから、これなら行けると。一回に1時間くらいかけて平泳ぎでゆっくり泳ぎます。運動に無理は禁物。疲れると、体にこたえますから。1日の締めには晩酌。その日のうちに疲れはとります。仕事ではどうおいしく作るかばかり考えていますから、こういう時間は大切です。家でのつまみも今はいたってシンプル。以前は焼き肉、ご飯ものでしたが、今はヨーグルト、豆腐、納豆、トマト、ツナ。味見やら何やらで1日中食べているようなものですから、夜は炭水化物を控えて、たんぱく質食材、発酵食品を摂っています。朝は胃がもたれることもなく、すっきり起きられます。健康診断は月に一回受けています。年々、シンプルな料理に気持ちが動きます。子どもの頃に母が作ってくれた、竃で炊いたご飯、煮干しでだしをとった味噌汁にちょっとしたおかず。好きな料理を聞かれれば、今はそんな料理ですね。
(1人分)
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No.214
77ページ
〈肉だね〉
|鶏ひき肉・・・200g
|青じそのせん切り・・・10枚分
|玉ねぎのみじん切り・・・50g
|おろし生姜・・・5g
|酒・・・大さじ1と1/3
|マヨネーズ・・・20g
|小麦粉・・・15g
|塩、こしょう・・・各適量
〈A〉
|酒、みりん、醤油・・・各大さじ2
|砂糖・・・大さじ1~1と1/2
サニーレタス・・・適量
卵黄・・・2個
【肉だねにマヨネーズを混ぜてふんわりとやわらかく】
加熱すると締まってかたくなりがちなひき肉を使うつくね。日本料理ではおなじみの卵の素※をマヨネーズで手軽に代用。つくねがふんわりやわらかく仕上がります。
※卵の素…卵黄に油を混ぜたもの。練りものやしんじょうをふっくらさせるためにたねに混ぜる。
【つくねは火を通しすぎずにふんわりやわらかく】
つくねは焼きすぎるとかたくなってしまうので、8割がた火が入ったところでたれの材料を加え、煮つめる間に、ちょうど火が入るようにします。
(1人分)
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No.214
79ページ
ブリ(切り身)・・・4切れ(1切れ40g)
大根・・・1/2本
生姜・・・10g
水菜・・・1/2束
〈A〉
|だし汁・・・600ml
|酒・・・400ml
|酒粕・・・120g
|白味噌・・・60g
|砂糖・・・50g
|醤油・・・大さじ2
サラダ油・・・少々
すだち・・・1個
塩、七味唐辛子・・・各適量
【ブリは大根とは時間差で加えふんわり煮上げる】
大根が煮え、やわらかくなってから、ブリを加えます。長く煮ないのでかたくなりません。ブリは焼いておくと下ごしらえが手軽になり、香ばしさが加わります。
【醤油は煮上がりに入れ、ブリをふんわりと】
煮汁の醤油を最初から入れて煮るとブリの身が締まり、かたくなってしまいます。仕上げに入れると香りがとばず、コクも出ます。食べるときにすだちを搾るとキリッとしてブリの風味が際立ちます。
銀座「ラ・ベットラ・ダ・オチアイ」オーナーシェフ。
1947年、鎌倉に生まれ、東京都足立区で育つ。今年70歳。
「ホテルニューオータニ」に入社後、22歳で洋食レストラン「Top's」(現・赤坂トップス)の料理人を経てイタリアで3年間修業後、イタリア料理店「グラナータ」の料理長に就任し、本場の味が楽しめると人気を博す。
1997年に独立し、「ラ・ベットラ」をオープン。日本のイタリアンを牽引する名店として評判をとる。2009年から、日本イタリア料理協会の会長に就任。後進の指導にも力を注ぐ。
やってることは若い頃とまったく変わりません。年だからといって今までやっていたことをやらなくなったということもない。食事は、好きなものをたくさん食べる。これが一番。体にいいからって我慢してストレスを感じながら食べるほうが体に悪そうだよね。野菜より、肉が好き。昨日も焼き肉を少し食べすぎたかな。パズルは昔からよくやってるね。数字をあてはめて解く数独やカックロは、30年ぐらい続けていて難易度を徐々に上げて克服するのが楽しみ。夢中で解いてたら、新幹線で降りる駅を乗り過ごしたこともあったよ。
元気の秘訣? 間違いなく言えるのは、とことん前向き。ネガティブな思考は嫌い。仕事してたって、昨日より、よくしたい、そればっかりだよ。それがなければ、仕事してる意味がないからね。でも自分が本来そうだったかというとそうじゃない。34歳の時に言われた恩人のひと言で変わったね。同じ物事でも捉え方次第。ポジティブに受け止めれば、やることも見えてくるし、結果も好転する。人との出会いも増えてやることも増える。
いまできるベストを尽くして人のせいにしない。それが元気の源かもしれないですね。
(全量)
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No.213
79ページ
鶏もも肉・・・400g
〈唐辛子オイル〉
|オリーブオイル・・・大さじ6~7
|にんにく・・・1片
|ローズマリー(生)・・・1枝
|赤唐辛子・・・1本
アンチョビ(フィレ)・・・15g
トマトジュース(食塩不使用)・・・200ml
おろし玉ねぎ・・・300g
じゃがいも・・・1個
ブロッコリー・・・4房
強力粉・・・10g
塩、好みで粗びき黒こしょう・・・各適量
【鶏肉は皮目から焼いて一度、取り出す】
鶏肉は皮目から焼き、「このまま食べておいしい」というところまで香ばしく焼いておくのが大事。煮ると、この香ばしさがソースの香りや旨みになり、おいしくなります。鶏皮が苦手な人もおいしく感じられ、一度取り出しておくから、肉がかたくなりません。
【おろし玉ねぎを入れて鶏肉を煮るからふんわりやわらかく】
煮つめて旨みを凝縮したソースにおろし玉ねぎを入れれば、味に奥行きが出るだけでなく、鶏肉がふんわりとやわらかく煮上がります。鶏の旨みが出ている肉汁も余さず、煮汁に加えます。
(1人分)
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No.213
81ページ
豚ロース肉(とんカツ用)・・・2枚(360g)
塩・・・小さじ1/3
オリーブオイル・・・大さじ3
〈サラダ〉
|ベビーリーフ・・・40g
|玉ねぎ(縦薄切り)・・・1/4個分
|紫玉ねぎ(縦薄切り)・・・1/4個分
|きゅうり(斜め薄切り)・・・1/2本分
|セロリ(斜め薄切り)・・・1/2本分
|プチトマト(縦に半分に切る)・・・4個分
|塩・・・ふたつまみ
|赤ワインビネガー(なければ、レモン汁、酢)・・・小さじ1
|オリーブオイル・・・小さじ2
|粗びき黒こしょう・・・適量
〈ソース〉
|オレンジ果汁・・・大さじ2
|グラニュー糖・・・2g
|バルサミコ酢・・・大さじ2
|塩、粗びき黒こしょう・・・各少々
|バター・・・15g
パルミジャーノチーズ(塊)・・・適量
【バラ先を叩いて薄くして豚肉の火の通りをそろえる】
脂の多い先の細くなった部位「バラ先」は、かたくて焼けにくいので、肉叩きで叩いて2/3ぐらいの厚さにすると他の部分と火の通り時間が大体そろいます。
さらに筋切り(脂と赤身の間にある筋に包丁の先で切り目を入れる)をすると肉が反らないため、均一に火が入ります。
【脂と片面をしっかり焼いたら、あとは余熱で火を通す。しっとりと肉汁をたたえた焼きあがりに】
生焼けにならないよう、つい焼きすぎてかたくなってしまうのが肉料理。最初に脂をしっかりと焼き色がつくまで焼き、次に盛りつけで表面になるほうを下にして焼きます。
肉の側面が白くなったら、裏返すサイン。7~8割方、肉に火は通り、表面もきれいに焼けています。裏返して火を止めた後はアルミホイルで包んで余熱で。
ジューシーでパサつきません。
東京・南麻布「分とく山」総料理長。
1953年、福島県石川郡古殿町に生まれる。64歳。
伝統の日本料理に、調理科学からのアプローチで数々の革新的な手法を編み出し続け、素材を生かす日本料理の技法を発表。「日本の食の原点は家庭料理にあり」と家庭料理の大切さを説く。
店の定休日はもっぱら依頼に応え、講演、地産地消の活動や料理教室で全国各地を訪れる。福島県の復興支援活動は、積極的に続けている。
4年ほど前に野菜中心の食生活に変え、2カ月で10kgほど減量。以来、ベスト体重を保っています。シニア層は特に、食べて健康的に痩せるのが重要です。今は、1日3食で野菜を中心に約1kg食べる食事法がいいと思っています。野菜を300~400g、汁ものは野菜、きのこ、豆腐の計150gを含んで400g、ご飯は150g、肉や魚の主菜が100~150gで約1kg。栄養バランスがよいのはもちろん、これだけの量を食べると間食する気がなくなります(笑)。
食生活だけでなく、運動も大切です。フットワークのよさを保つため、毎朝、出勤前に家の近くの公園でトレーニングをしています。滑り台の階段で足の筋を伸ばす、鉄棒で懸垂する、ブランコを使ってからだをひねる、後ろ歩きを速足で100mなどのセットを1時間ほど。運動は屋外でしたいし、お金もかからないし、公園で何の遊具が使えるかと考えるのも脳の活性化になります。続けていると目力が出て、からだのキレがよくなりました。頭も冴えて発想が浮かびやすくなり、行動の幅がより広がったような気がします。
(1人分)
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No.212
77ページ
牛もも薄切り肉・・・100g
山いも・・・150g
大根おろし・・・300g
青ねぎ・・・2本
〈A〉
プレーンヨーグルト・・・100g
長ねぎのみじん切り・・・1/4本分
レモン汁・・・小さじ1
薄口醤油・・・大さじ1
白炒りごま・・・大さじ2
【牛肉は70℃の湯で茹で火を入れすぎず、水で熱をとり、甘くやわらかく】
牛肉はたんぱく質が固まり始める70℃の湯で茹でると、やわらかく仕上がります。
広げて入れ、湯に泳がせるようにすると、熱ムラができず、短時間で均一に火が入ります。
表面が白くなったら引き上げ、余熱が入らないように水にとります。
氷水では脂が固まってしまい、おいしくありません。
【胃腸にやさしい山いも、大根おろし、ヨーグルトをかけて肉料理を軽やかに】
滋養があって消化がよい山いもは叩いて食感を残します。消化酵素を含む大根おろしでまとめると、より食べやすくなります。ソースは、腸によい乳酸菌を含むヨーグルトを使うと、ほんのりした酸味で肉料理があっさりいただけます。
(1人分)
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No.212
78ページ
イワシ・・・2尾
椎茸・・・2枚
舞茸、えのきたけ、しめじ・・・計300g
長ねぎ・・・1本
味噌・・・10g
小麦粉・・・大さじ2
塩・・・適量
〈A〉
水・・・600ml
薄口醤油・・・25ml
昆布(10cm角)・・・1枚
わけぎ・・・2本
【すり身を使わず、身を叩くことで風味豊かに。つみれにするとイワシがふんわりと口どけよく】
イワシは叩いてつみれにして煮ると、ふんわりと仕上がり、噛む力が弱くても魚料理が楽しめます。叩く前にイワシに塩をして15分ほどおくことで、つみれの味がおいしく決まります。
叩いたら、小麦粉、長ねぎ、味噌と合わせてすりつぶすように粘りが出るまで混ぜると、生地がまとまり、ふんわり煮上がります。
【低温から徐々に温度を上げて旨みたっぷりの汁に。
おいしく水分摂取できます】
きのこ、つみれを入れてから火にかけ、徐々に温度を上げていくと、きのことイワシの旨みがより出て、汁が味わい深くなります。
シニア層は汁ものから水分をとるのも重要で、旨みたっぷりの汁は薄味でも味がよいので、減塩にも役立ちます。
銀座「Furuta」オーナーシェフ。
1956年、岐阜県に生まれる。今年、61歳。
岐阜市の四川料理店で修業後、22歳で独立し、岐阜市内に「開化亭」をオープン。
中国料理の枠にとらわれない技法を取り入れた感性豊かな素材重視の料理に、全国から食通が集まり、名店として評判に。
60歳を機に、「開化亭」を長男に任せ、2014年「Furuta」をオープン。
歳を重ねるにつれ、“素材本来の味”を楽しみたい気持ちが強くなりました。自然の力を体に入れ、負担になる余計なものはなるべくとらない。自分で作る料理も調味料は最小限にとどめています。仕事後は外食が多くなりますが、素材の持ち味を生かした料理か、昔からおなじみの家庭料理を好んで食べますね。体の理にもかなっている気がします。
特に運動はしていませんが、愛犬の散歩は1日3回欠かしません。健康の秘訣は、毎日の仕事でしょうか。店の掃除、仕入れ、仕込み、料理、接客。体はもちろん頭も使います。仕事を続けているから、年齢とともに訪れる衰えも緩やかなのだと思います。後は夢を持つこと。還暦で東京に店を移すのは、周囲には驚かれましたが、若い頃から夢に向かって着々と時間をかけて準備してきたので、思いつきではありません。歳をとってよかったと思えるのは、若い頃と比べて自分の料理に迷いがなくなったことです。
(1人分)
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No.211
75ページ
鶏むね肉・・・1枚
生姜の皮・・・2~3枚
長ねぎの青い部分・・・1本分
紹興酒・・・大さじ1
きゅうり・・・1本
トマト・・・1個
香菜・・・適量
〈万能ごまだれ(作りやすい分量)〉
醤油・・・大さじ5
砂糖・・・大さじ3
酢・・・大さじ1
練り白ごま・・・大さじ1と1/2
長ねぎのみじん切り・・・大さじ2
生姜のみじん切り・・・大さじ1
ラー油(好みで)・・・適量
【短時間で湯から上げ、余熱で火を入れて鶏肉をしっとりと】
加熱するとパサつきやすい鶏むね肉は、茹できってしまわずに5~7分茹でたら引き上げ、茹で汁とともに冷ますとしっとりと仕上がります。茹で湯には、紹興酒を加えてほんのり鶏肉に風味を移すのがプロの技。
【茹でてから冷やして肉汁を中にとどめる】
茹で汁が常温まで冷めたら冷蔵庫に入れて冷やします。冷やしながら、鶏肉をゆっくりと休ませることで、肉汁が肉の中にとどまって安定し、切っても肉汁が流れ出ません。旨みあふれる茹で鶏が楽しめます。
混ぜるだけの「万能ごまだれ」は使いまわしのきく便利だれ。牛肉、豚肉にも合い、茹で野菜や冷ややっこにかけてもおいしくいただけます。
(1人分)
(つゆ1/2の場合)
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No.211
76ページ
中華生麺・・・2玉
舞茸、しめじなどの好みのきのこ・・・計600~800g
豚バラ薄切り肉・・・2枚
酒・・・大さじ2
塩・・・大さじ3/4
醤油・・・大さじ1
水溶き片栗粉(片栗粉大さじ2を水大さじ4で溶いたもの)・・・大さじ2
長ねぎのみじん切り・・・適量
こしょう、片栗粉・・・各適量
【とろみをつけて旨みをとじ込め飲みこみやすく】
たっぷりのきのこから出る自然のとろみに加えて、水溶き片栗粉でとろみをつけることで、きのこの旨みを含んだスープが麺にからみやすくなります。誤嚥(ごえん)もしにくくなります。
【豚肉に片栗粉をまぶしてやわらかく口当たりよく】
豚薄切り肉は、片栗粉をまぶしてスープに加えると、片栗粉の膜がガードして豚肉がやわらかく仕上がり、旨みもとじこめられます。
スープの火を止めてから豚肉を入れることで、よりやわらかく。
★だしの出る舞茸、しめじを入れれば、あとはお好みのきのこで。今回は、椎茸60g、舞茸、本しめじ、白しめじ、山えのき(なければえのきたけ)、エリンギ、霜降りひらたけ、やなぎまつたけ、なめこ各100gを使用。
★スープとしていただいてももちろんおいしい。
浅草「レストラン大宮」オーナーシェフ。
1950年、東京・浅草に生まれる。今年、67歳。
18歳で料理人を目指し、フランス料理店で修業を始める。
ニュージーランドでホテルのスーシェフを務めた後、イギリス、フランス、ギリシャ、モロッコにて地方料理を学ぶ。
1982年、地元の浅草に「レストラン大宮」を開店し、今年で35周年を迎える。2007年には、東京・新丸の内ビルディングに2店舗目を出店。
健康でないと、味の感じ方が変わってしまうので、週2~3回、出勤前にジムで運動しています。ダンベルなどの基本エクササイズを1セットやってサウナと風呂に入る。きつい運動は結局、続かないので、無理はしないことです(笑)。体重は自己ピークの85キロから72キロに落とし、さらに62キロになったときには、年が年なので病気じゃないかと心配されたことも(笑)。今は、66~67キロをキープしています。
昼ごはんには、好物の赤身肉の牛ステーキなら400gくらいは食べられます。塩、こしょうのシンプルな味つけでミディアムレアに焼いたステーキは、まさに“命をいただいている”という味。疲れが吹きとび、すぐに元気になりますね。そんな日の晩ごはんはお蕎麦だけ。お肉、蕎麦、お肉、蕎麦でバランスをとっています(笑)。年相応の基礎代謝力に合わせて、たんぱく質を充実させ、炭水化物は控えるようにしています
(1人分)
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No.210
75ページ
豚肩ロース肉(とんカツ用・1cm厚さ)・・・2枚(300g)
塩、粗びき黒こしょう、小麦粉・・・各適量
玉ねぎ(1cm幅の輪切り)・・・1枚
オリーブオイル・・・大さじ1
バター(食塩不使用)・・・少々
サラダ油・・・少々
キャベツのせん切り・・・適量
〈マリネ液〉
酒、生姜のすりおろし・・・各100g
みりん・・・50g
醤油・・・25g
にんにくのすりおろし・・・1片分
赤唐辛子(種を取り、ちぎる)・・・1本分
【筋切りをして豚肉を噛みやすく】
豚肉は脂身と赤身のバランスがよく、やわらかく焼き上がる肩ロース肉を使用。焼くとかたくなる筋の部分は筋に直角に切り目を入れておきます。
【豚肉をマリネして味をつけながらやわらかくします】
マリネして豚肉に味を入れます。同時に玉ねぎ、生姜の酵素が豚肉に働き、やわらかく焼き上がります。長い時間マリネすると肉がかたくなるので、漬けておく時間は30分に。
(1人分)
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No.210
76ページ
合いびき肉・・・300g
玉ねぎのみじん切り・・・30g
パン粉・・・10g
牛乳・・・大さじ2
ナツメグ(パウダー)・・・少々
溶き卵・・・1個分
塩、粗びき黒こしょう・・・各少々
サラダ油・・・大さじ2
〈和風ソース〉
赤ワイン・・・250ml
玉ねぎのすりおろし、りんごのすりおろし・・・各1個分(約180g)
にんにくのすりおろし・・・1/3片分
醤油・・・小さじ4
【冷たい状態を保ってひき肉を混ぜる】
手で混ぜずにゴムべらで冷やしながらひき肉を混ぜることで、脂と肉の繊維がなじみやすくなります。結果、焼き上がりは肉汁が流れ出ず、しっとりとした食感に仕上がります。
【余熱で火を入れ、肉をジューシーに】
焼きすぎるとかたくなってしまう肉。強めの火で両面を焼き固め、肉汁がピンク色から透明になったら、火を止めて取り出し、余熱でじっくりと火を通すとジューシーに焼き上がります。
中国料理「赤坂璃宮」オーナーシェフ。
1943年、横浜・中華街に生まれる。
16歳から料理の修業をはじめ、新橋「中國飯店」、芝「留園」、京王プラザホテルなどを経て、1996年「赤坂璃宮」オーナーシェフに。
地縁のあった銀座で満を持して2004年「赤坂璃宮銀座店」を開店。
食べるのは好きです。生きがいに近いですね(笑)。仕事が終わっての晩ごはんはほとんど外食です。おいしい料理を食べていないと、味がわからなくなりますから。実際に食べてみないと、今の人たちがおいしいと思う味の感覚を知ることができないんですね。盛りつけも参考になり、楽しいです。若い頃から肉が好きで、いまでもステーキはよく食べます。最近は寿司に惹かれるかな。職人さんそれぞれで魚の〆め具合、酢飯の加減、握り方が違い、それがストレートに味に現れる面白さに魅力を感じます。健康管理のための運動は、ほとんどしていませんよ(笑)。ただ、常に動いていないと落ち着かない性格なので、それがいい運動になっているのかもしれないですね。ま、何より、自分が好きなおいしいものを食べているのが体にいいのだと思います
(全量)
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No.209
75ページ
スルメイカ(胴・下処理したもの)・・1杯分
グリーンアスパラガス・・・1本
きくらげ(生)・・・3個
たけのこ(水煮)・・・1/2個
にんじんの薄切り・・・4枚
長ねぎ・・・1/3本
にんにく、生姜・・・各1/3片分(約2g)
紹興酒(なければ酒)・・・小さじ1
サラダ油・・・適量
ごま油・・・小さじ1
〈下味〉
全卵・・・小さじ1
塩、こしょう・・・各少々
サラダ油・・・小さじ2
片栗粉・・・小さじ1/2
〈合わせ調味料〉
中華(チキン)スープ・・・大さじ1
塩・・・小さじ1/3
砂糖、鶏ガラスープの素(顆粒)・・・各少々
こしょう・・・少々
水溶き片栗粉(片栗粉小さじ1を同量で溶いたもの)・・・小さじ1
【イカに切り目を入れる】
加熱するとかたくなるイカは、格子状に切り目を入れると、歯が入りやすくなり、かみやすく、イカ本来のやわらかい身が楽しめます。
【下味を入れてさっと火を入れる】
イカは卵や片栗粉を揉みこんで下味をつけておくと、味も入って、火を入れてもやわらかに仕上がります。先にさっと油通しをしてから、さっと炒めるから、さらにやわらか。
(全量)
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No.209
77ページ
鶏もも肉・・・1枚
玉ねぎ・・・1/4個
ピーマン・・・1個
赤ピーマン・・・1/2個
長ねぎ・・・1/3本
にんにくの薄切り・・・1/3片分(約2g)
片栗粉・・・適量
水溶き片栗粉(片栗粉小さじ1を同量で溶いたもの)・・・小さじ1/3
サラダ油・・・大さじ1
ごま油・・・小さじ1
揚げ油・・・適量
〈A〉
|ローリエ・・・1枚
|長ねぎの青い部分・・・1本分
|生姜の薄切り・・・1枚
|水・・・適量
|紹興酒(なければ酒)
〈下味〉
全卵・・・大さじ1/2
醤油・・・小さじ1/2
こしょう・・・少々
片栗粉・・・大さじ2
〈甘酢〉
りんご酢・・・50g
トマトケチャップ・・・40g
砂糖・・・40g
水・・・50g
醤油・・・小さじ2
レモンの薄切り・・・3枚
【鶏肉は茹でてから下味をつけて粉をつける】
鶏肉は茹でてから、卵、片栗粉も揉みこんで下味をつけ、片栗粉をまぶすとふんわりとした揚げあがりに。
【甘酢のとろみでさっぱりと食べやすく】
おだやかな酸味のとろみのついた甘酢にからめると、肉の揚げものがさっぱりとおいしく。鶏肉は火を通しすぎるとかたくなるので、甘酢はさっとからめるだけに。
時間を作ること
定年がない職業ですので、できれば生涯現役で料理を作りたいと思っています。健康の秘訣は、自分がごきげんでいられる時間を持つこと。僕は「海でダイビング」、「茶道」、「料理」。この3つの時間を大切にしています。
ダイビングはもう38年ほど続けています。ただ何もせずに海の近くにいるだけでも満足なのですが、ダイビングは穏やかな海中で漂っているのはもちろん、すーっと沈む時の感覚が最高に気持ちがいい。年に一度は海外の海に出かけるようにしています。「茶道」は20年ほどになります。茶名もいただきました。お茶は禅の精神に基づいていて、続けただけ得られるものが大きい。勉強を重ね、自分なりの禅を追求したいですね。また、幸いなことに僕は「料理」が大好きです。いい魚を見るとごきげんだし、食材の切れ味のよさ、いい香りが立ってくる、鍋中の状態が変化する。そんな一つひとつにも浮き浮きします。禅は、偏りなくとらわれず、すべてを受け入れるという心の在り方。師匠に学びながら、そんな料理をいつか作りたいと楽しみにしています。