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渡月橋を境に下流が桂川、上流が大堰川と呼ばれています。源氏物語ではこの大堰川河畔、嵐山の向かい側、現在の亀山公園あたりの山荘に明石の上と源氏との間に授かった姫君を源氏が呼び寄せたことが描かれています。その後、源氏は姫君を入内させるため、本邸に引き取ります。自分より身分の高い紫の上に育てられたほうが、姫君の将来のためだと明石の上は姫君を手放すというつらい決心をしました。物語では大堰の邸から見る大堰川が、明石の邸から見る海辺の風景と似ていると記されています。四季折々の美しい嵐山の風景を眺めながら明石の上は淋しさを紛らわせていたのかもしれません。 |
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