「頭塔」 奈良市内の閑静な住宅街を歩いていると、突如として現れるピラミッド。高さ約10メートル7段の階段状石積みが四角錐に築かれた頭塔(ずとう)です。古くから奈良時代の僧・玄ムを埋めた首塚だという伝説が実しやかに伝えられてきました。しかし『東大寺要録』には、東大寺の実忠という僧侶が土塔を築いたという記録があり、仏舎利が納められていた仏塔であったと考えられています。往時の頭塔には44基の石仏が配置されていたとされており、現在ではそのうちの28基を確認することが出来ます。