「十輪寺」 大原野にある十輪寺は、平安時代の歌人で<伊勢物語>の主人公・在原業平(ありわらなりひら)が晩年に隠棲し、塩焼きの風情を楽しんだ寺です。毎年五月二十八日は「業平忌」、三弦法要が行われます。素絹衣(そけんね)という天台の僧侶が宮中に講義に赴く時に着た装束を纏い、本堂で三弦と声明で古式ゆかしく法要が営まれます。業平もみじと呼ばれる小さな葉のもみじが若葉を広げています。