緊急報告!再エネ革命
『風車が導く奇跡の物語』
2024年9月22日(日)
午後1時55分~放送
午後1時55分~放送
番組概要
観測史上最も暑かった今年の夏、迷走台風や突然の豪雨など異常気象が続きました。気候変動対策はまさに待ったなしの状況です。
こうした中、今年も再生可能エネルギーの可能性をお伝えする特番を放送します。
日本初の海に浮かぶ風車、「浮体式洋上風力」を誘致し、必要な電力量の56%を再生可能エネルギーで賄っている再エネ先進地があります。九州最西端に位置する長崎県五島市です。島の沖合では、海風を受けて浮体式風車が回り、地域に電力を供給し続けています。
浮体式洋上風力は、釣りで使う「浮き」のように海面に浮いています。水深が深くても設置できるため、遠浅の海が少ない日本に適した最先端の技術です。風車の海中部分は太いチェーンでしっかり海底に固定され、地震、台風など災害にも強く、台風の通り道にありながら、風車は一度も倒れたことはありません。
五島市沖では、現在8基の浮体式洋上風力が追加投入中で、完成すれば五島市の再エネ率は80%になるとされています。市の中心部、福江港のすぐ横には、浮体式洋上風力の組み立て工場が作られ、島の人々の雇用先にもなるなど、地域に活気が戻ってきました。
さらに、浮体式洋上風力のもう一つの意外な利点も明らかになってきました。五島市では、温暖化による海水温の上昇などで起きる「磯焼け」の被害が拡がり海藻が激減、漁獲高も減少するなど漁業の不振に苦しんできました。ところが、浮体式風車の水中部分が漁礁のような役割を果たし、風車の支柱の周りに非常に多くの魚が集るようになったのです。地元の漁師たちも、浮体式風車は最高の浮き漁礁になる、と期待しています。
風車をめぐり好循環が生まれている五島市ですが、ここまでの道のりは決して簡単なものではありませんでした。そこには、人口の流出が続き元気のなかった地元を何とかしたいという、島の人たちの強い思いがあったのです。
「五島に新しい風を吹かせる…」、「五島の風車は俺たちで守る…」、地域のチカラで浮体式洋上風力導入を実現し、風車を中心に発展してきた五島市。島の人々の奇跡のバトンリレーを追いました。
そして、今回の番組のもう一つの取材地が、「モノづくり産業と港の街」としての復活を目指し、洋上風力に突破口を求めている福岡県北九州市です。
洋上風力は、部品点数がおよそ2万点と自動車産業に匹敵するほど裾野が広いとされています。北九州市響灘沖では、海底に土台を据える着床式の洋上風車25基の設置工事が進められ、来年度中に運転を開始する予定です。 さらに、北九州市は、風車の部品製造やメンテナンスなど、洋上風力に必要とされる、あらゆる物やサービスを提供する、日本初の洋上風力総合拠点を目指しています。陣頭指揮をとる市の職員は、巨大な風車の基礎部分を製造する工場や、風車の心臓部の歯車製造企業など様々なステークホルダーの誘致を進めてきました。
洋上風力に活路を見出すという市職員の挑戦を支えてきた人物がいます。今年、病気で急逝した風車メンテナンス企業の副社長です。
「洋上風力を日本でやらないといけない時代が来ている。しかし、日本では環境整備が進んでいない。だったら誰かがやるしかないじゃないか…」
13年前に二人は意気投合、以来、二人三脚で活動を続けてきたといいます。
盟友の思いも胸に、北九州市職員は更なる挑戦も始めました。
五島市と北九州市、2つの洋上風力導入現場で見えてきたこと、それは、風車と地域との共生です。地域の人々が主体となって取り組めば、洋上風力は地域と共生し地域を発展させます。部品製造やメンテナンスなど関連産業により雇用を生み地域を豊かにするのです。気候変動対策として、そして成長戦略として、洋上風力の大いなる可能性が見えてきました。
『緊急報告!再エネ革命 風車が導く奇跡の物語』、ぜひご覧ください。
【出演者】こうした中、今年も再生可能エネルギーの可能性をお伝えする特番を放送します。
日本初の海に浮かぶ風車、「浮体式洋上風力」を誘致し、必要な電力量の56%を再生可能エネルギーで賄っている再エネ先進地があります。九州最西端に位置する長崎県五島市です。島の沖合では、海風を受けて浮体式風車が回り、地域に電力を供給し続けています。
浮体式洋上風力は、釣りで使う「浮き」のように海面に浮いています。水深が深くても設置できるため、遠浅の海が少ない日本に適した最先端の技術です。風車の海中部分は太いチェーンでしっかり海底に固定され、地震、台風など災害にも強く、台風の通り道にありながら、風車は一度も倒れたことはありません。
五島市沖では、現在8基の浮体式洋上風力が追加投入中で、完成すれば五島市の再エネ率は80%になるとされています。市の中心部、福江港のすぐ横には、浮体式洋上風力の組み立て工場が作られ、島の人々の雇用先にもなるなど、地域に活気が戻ってきました。
さらに、浮体式洋上風力のもう一つの意外な利点も明らかになってきました。五島市では、温暖化による海水温の上昇などで起きる「磯焼け」の被害が拡がり海藻が激減、漁獲高も減少するなど漁業の不振に苦しんできました。ところが、浮体式風車の水中部分が漁礁のような役割を果たし、風車の支柱の周りに非常に多くの魚が集るようになったのです。地元の漁師たちも、浮体式風車は最高の浮き漁礁になる、と期待しています。
風車をめぐり好循環が生まれている五島市ですが、ここまでの道のりは決して簡単なものではありませんでした。そこには、人口の流出が続き元気のなかった地元を何とかしたいという、島の人たちの強い思いがあったのです。
「五島に新しい風を吹かせる…」、「五島の風車は俺たちで守る…」、地域のチカラで浮体式洋上風力導入を実現し、風車を中心に発展してきた五島市。島の人々の奇跡のバトンリレーを追いました。
そして、今回の番組のもう一つの取材地が、「モノづくり産業と港の街」としての復活を目指し、洋上風力に突破口を求めている福岡県北九州市です。
洋上風力は、部品点数がおよそ2万点と自動車産業に匹敵するほど裾野が広いとされています。北九州市響灘沖では、海底に土台を据える着床式の洋上風車25基の設置工事が進められ、来年度中に運転を開始する予定です。 さらに、北九州市は、風車の部品製造やメンテナンスなど、洋上風力に必要とされる、あらゆる物やサービスを提供する、日本初の洋上風力総合拠点を目指しています。陣頭指揮をとる市の職員は、巨大な風車の基礎部分を製造する工場や、風車の心臓部の歯車製造企業など様々なステークホルダーの誘致を進めてきました。
洋上風力に活路を見出すという市職員の挑戦を支えてきた人物がいます。今年、病気で急逝した風車メンテナンス企業の副社長です。
「洋上風力を日本でやらないといけない時代が来ている。しかし、日本では環境整備が進んでいない。だったら誰かがやるしかないじゃないか…」
13年前に二人は意気投合、以来、二人三脚で活動を続けてきたといいます。
盟友の思いも胸に、北九州市職員は更なる挑戦も始めました。
五島市と北九州市、2つの洋上風力導入現場で見えてきたこと、それは、風車と地域との共生です。地域の人々が主体となって取り組めば、洋上風力は地域と共生し地域を発展させます。部品製造やメンテナンスなど関連産業により雇用を生み地域を豊かにするのです。気候変動対策として、そして成長戦略として、洋上風力の大いなる可能性が見えてきました。
『緊急報告!再エネ革命 風車が導く奇跡の物語』、ぜひご覧ください。
山口 豊(テレビ朝日アナウンサー)