木曜日

玉川徹が“ニュースに潜む疑問”を独自に追及

2019.03.14放送

そもそも最新テクノロジーで人体をどこまで再現できるの?

自分の意志で動かせる義手

本日取り上げたテーマは「最新テクノロジーで人体はどこまで再現できるのか」。そもそも総研ではこれまで、欠けた骨を3Dプリンターで再生したり、臓器を3Dプリンターで再生させる技術を取材してきました。そして、この再生(再現)に関する最近技術はほかにもあります。「筋電義手」です。この自分の思い通りに動かせるという義手を開発した、電気通信大学情報理工学研究科の横井浩史教授(55)を玉川徹さんが訪ねました。

「筋電義手」とは、ヒトが手を動かすときに発生する電気信号「筋電」によって動かすことのできる義手のこと。ヒトは手を握る、手を開くといった動きごとに腕の筋肉が発する電気信号に違いが出ます。その異なる特徴を持つ信号を義手に取り付けたセンサーが読み取り、手の部分のモーターと連動することで義手が動くようになっています。横井教授によれば、腕すべてを失っていたとしても、条件次第では、腕や肩、胸の部分でも手を動かすための電気信号を感知することが可能だと言います。

実際に使っている小学3年生の久保田小雪さんは生まれながらにして右腕の肘から先がありませんが、「筋電義手」によってテキパキと洗濯ものをたたむことができています。扱いはさほど難しくないそうで、玉川さんが体験してみると、10分ほどの訓練で「ボールを握る」「コップを握る」といった基本的な動作はできるようになりました。

技術の進化で不自由さを取り除く

事故で腕を失ったり、生まれながらに腕が欠損していたりする人たちのために生まれた「義手」。昭和20年代のものは「装飾用義手」と呼ばれ、見た目重視で動かすことはできませんでした。その後、義手は技術の進歩により進化を遂げ、横井教授が横浜国立大学と共同開発した人工知能を備えた「筋電義手」は、去年4月、「新型の筋電義手」として厚生労働省に認可されました。

現在は親指だけが独立して動き、残りの指はまとまって動いてしまいますが、横井教授は一本一本の指が動く「筋電義手」も開発中です。では、目指す「筋電義手の未来」とはどのようなものなのでしょうか。その方向性は「機能代替」と「機能拡張」の2通りあると横井教授はいいます。「機能代替」とは失われた手の代わりをすることであり、一方の「機能拡張」は、「筋力を増強する、精度を上げるなど、人間に備わっている基本機能をもっと増大させる」という考え方を指すそうです。

また、すでに神経に電気刺激を付与して感覚を伝える技術というのはある程度でき上っているのだそうです。そのため、さらにリアルな人間の手の形になることも遠い将来のことではなく、「十分な予算を投じていけば、10年もすれば作れるのではないか」と横井教授は話しました。

「日本の技術を使って不自由さをどんどん取り除いていってほしい」。技術の進歩を実感した玉川さんでした。