火曜日

羽鳥慎一がニュースな現場へ!みんなの疑問を解決

2019.03.05放送

感情表現も豊かに 人と人をつなぐ「分身ロボット」

80以上の企業や病院で導入「分身ロボット オリヒメ」

株式会社オリィ研究所
住所/東京都港区芝5-1-13 三ツ輪三田ビル6F
「分身ロボットOriHime(オリヒメ)」
4万3200円/月(税込み)
※年間契約
※分身ロボット「OriHime」のホームページからお問い合わせください。
今やロボット時代と評されるほど、私たちの生活にはさまざまなロボットが登場しています。そんななか注目されているのが、「分身ロボット」です。文字通り人間の分身を果たすもので、内蔵されたカメラやマイクを遠隔操作することで、その場にいない相手と会話をすることができます。活用されているのは病院や学校。病気で学校に行けない子どもが病室で授業を受けたり、育児などの理由で在宅勤務となった人々などを支えています。今回の聞きトリは人と人をつなぐ「分身ロボット・オリヒメ」を開発した吉藤健太朗さん(31)に、羽鳥慎一キャスターがお話を伺いました。

「なんでやねん」ボタンで円滑な会話を

分身ロボットは、腕を動かしジェスチャーでの感情表現も可能です。さらなるコミュニケーションには搭載された機能が活躍。「ぱちぱち」ボタンを押すと、分身ロボットはすぐに拍手。「うーん」を押せば、頭を抱えます。そして「ツッコミはコミュニケーションの基本」という吉藤さん。「なんでやねん」ボタンも備えているので、ロボットごしながらツッコミを入れることも。

コミュニケーションということではテレビ電話がその役割を果たすこともありますが、「あれって用事がないと使わないもの。用事はないけど、そこにいていいというようなコミュニケーションツールが今までなかった」。そして誕生した分身ロボット。「これは人が動かすことによって、その人の存在を感じられるメディアなんです」。

車いす生活でも秘書業務

吉藤さんの会社には分身ロボットを活用して在宅勤務している社員がいます。村田望さん(33)です。村田さんは21歳のとき、世界でも150例しかない「自己貪食空胞性ミオパチー」という難病を患い、「全身の筋肉が徐々に衰えていく」状態にあります。自力で歩くことが困難で車いすを利用、生活のほとんどを母親にサポートしてもらう毎日です。

しかし、この分身ロボットを使うことで秘書として働き、スケジュール管理等々の業務を行っています。障害があるからできないと思う場面が減ったという村田さん。一番うれしかったのは、「会社のみなさんに連れて行ってもらったサッカー観戦」。競技場に持ち込んだ分身ロボットを通して、「観客の盛り上がりも感じられて、すごくわくわくしました」と話してくれました。

人と人とつなぐテクノロジーを作りたい

幼いころから病弱だった吉藤さんは小学5年生のころから家に引きこもりがちでした。そんななか没頭していたのが「折り紙」です。見事に折りあげた作品を見た母親は、「モノづくりが好きなら、ロボットの大会に出たらどうか」。転機となった一言です。いざロボット大会に参加してみると、なんと優勝。モノづくりの楽しさを改めて感じた吉藤さんは、その後、ロボット工学を学ぶために勉強して早稲田大学に入学。「人と人をつなぐテクノロジーが、今世の中に足りていない。じゃあ、それを作ろう」。実現へと動き出します。

ロボットの顔を作るうえで参考にしたのは「能面」です。「無表情だけれど、見ている人間が勝手に解釈することができる。その自由性の方が重要」と考えたからです。また、ロボットになめらかな動きを付けるために、自ら演劇を学んだり、パントマイムにも挑戦。「ロボットを生き物らしく見せるのにすごく生きた」といいます。

6年間をかけて完成させた分身ロボットはレンタルした企業や病院などで利用されています。

カフェ店員も分身ロボット!

現在は新たな分身ロボットも開発中です。それは「ものをつかめる」ようにすること。例えばコーヒーカップがつかめればカフェで働くこともでき、実際に「外出が不可能な方々がカフェで働くプロジェクトもやりました」。障害などで外出が困難な場合、「活躍できる場所ってなかなかなかったわけです。だからより働くことの幅を広くできる」のが、この新たなロボットだといいます。

“わくわく”がつなぐ未来への希望

最後に尋ねました。「人生で成功するために必要なことはなんだと思いますか?」
吉藤さんは、「常にわくわくすることだと思います。無の状態からなにかを生み出すということは本当にわくわくする」と答えました。

さらに言葉は続きます。「わくわくできると未来に対して希望とか展望があるってことなんですよね。そういうふうなことを重ねていくのが自分を高めていく方法だと私は思います」。