火曜日

羽鳥慎一がニュースな現場へ!みんなの疑問を解決

2019.02.26放送

画期的!町工場が生んだ医療用トレーニング器具

医療界に革新を!腹腔鏡トレーニング器具を開発

KOTOBUKI Medical (コトブキメディカル)株式会社
(株式会社寿技研 内)
住所/埼玉県八潮市浮塚190-2
TEL/048-951-5211
受付時間/平日9:00~17:00(土日祝定休)
◆高山さんが開発した製品
腹腔鏡トレーニング器具
「GYN(ギネ)ラパロトレーニングBOX」(箱部分のみ)
46440円(税込み)
「デジタル映像セット」(モニターなし&フリーアーム)
75600円(税込み)
「ラパロトレーニングバインダー(バインダータイプ)
35640円(税込み)
「模擬臓器」
2700円~(税込み)

開腹せずに小さな穴から器具やカメラを入れ、患部の切除を行う「腹腔鏡手術」。体への負担が少ないことから急速に普及しています。しかし、そのトレーニング用品は高価。そんななか、ミニ四駆のタイヤを作る町工場が安くて手軽なトレーニングセットを開発しました。担当した高山成一郎さん(50)に、羽鳥慎一キャスターがお話を伺いました。

埼玉県八潮市にある寿技研。ここで高山さんは医療現場を陰で支える製品の開発をしています。従来の腹腔鏡手術のトレーニング器具は高いものだと100万~200万円にもなるそうですが、高山さんが開発したのは4万円台。映像セットと合わせても10万円ちょっとということで、「個人で買って手元に置いて練習ができる」のがメリットです。

コンニャクで作る本物そっくりの臓器

電気メスの扱い方を練習できる「模擬臓器」も制作しています。使っているのは、なんとコンニャク粉。人間の臓器に近い感じが表現できるのだそうです。それまでは豚の臓器などを練習に使っていたそうですが、「病院では衛生面でできない」。コンニャクの臓器は練習場所を選びません。

そして高山さんの模擬臓器だからできることがあります。コンニャクの硬さを一部だけ変えて「腫瘍」を表現することです。「実際の動物の練習では、なかなかガンを作ってというわけにはいきません」。ですから、「初めて手術する前に、こういったことで操作を体にしみ込ませておくというようなことで、役には立つのかなと思います」。

医師の意見を取り入れながら革新的な開発を

1978年に創業した寿技研は、自動車や医療器械の金属加工を行ってきました。1980年代に入ると、ブームになったミニ四駆やRCカーのタイヤを加工する機械を開発して経営は軌道に乗ります。しかし、その後のリーマンショックの影響で売り上げが激減。新たな事業を模索するなかで、医療メーカーの友人から聞いたのが、当時普及し始めていた腹腔鏡手術のトレーニング器具が欲しいという医師の声でした。医師たちは「ダンボール箱に穴をあけて、そこをお腹に見立てて練習して」いたのです。

高山さんは、仕事で使っている金属やゴムを加工すれば価格を抑えたトレーニング器具が作れると考えました。手本にしたのは、医師が手作りしたトレーニング器具。何度も試作を繰り返した末にできたトレーニング器具を医師が集まる学会に展示すると評判となり、注文も入るようになります。

この事業に将来性を感じた高山さんが次に取り掛かったのが臓器の開発です。コンニャクを使うヒントになったのは意外なことに、「レバ刺しが食中毒で禁止になったときに赤いコンニャクを代わりに使っていたな」と思いついたから。しかし、コンニャクを本物の臓器と同じ感触にするのは簡単ではなく、コンニャク粉と凝固剤の割合や混ぜる時間など変えながら、1000通り以上を試したそうです。そして4年。ついに模擬臓器を完成させることができました。

高山さんが医療器具を作るうえで大切にしているのは、医師の意見です。より簡易に練習したいとの要望を受け、持ち運べるバインダータイプも制作しています。また自治医科大学のシミュレーションセンターでは高山さんが制作したトレーニング器具を使い、学生に指導もしています。

人と人との繋がりを大切に

現在はコンニャクで作った心臓を開発中で、「将来的には動いている心臓の手術をするシミュレーションもできるんじゃないかと思います」。

最後に尋ねました。「人生で成功するために必要なことはなんですか」
高山さんはこう答えました。「人と人の繋がりだと思ってます」。さらに、「僕らがただモノを作るというのでは意味がない。お医者さんの意見はじめ、一緒に広めていくよといういろんな人の協力が必要じゃないかと思ってます」。