火曜日

羽鳥慎一がニュースな現場へ!みんなの疑問を解決

2018.12.11放送

大分発 温泉熱を利用!肉厚パプリカ“エコ栽培”

大分で栽培!温泉パプリカ

愛彩ファーム九重
住所/大分県玖珠郡九重町大字野上3905番地1
TEL/0973-77-7000
お問い合わせ時間/平日9:00~17:00
大分県九重町。この日本有数の温泉地で、画期的な農業が行われています。作っているのはパプリカ。今回の「聞きトリ」は、温泉熱を利用して年間を通してパプリカ栽培を行う、松尾崇史さん(40)にお話を伺いました。

温泉を利用してハウスを温め、燃料費ゼロ

羽鳥慎一キャスターが訪ねたのは、愛彩ファーム九重。パプリカはハウスで作られています。広さはラグビー場4面分ほどで、一年間に420トン、およそ280万個を栽培しています。特徴は大きさと甘さ。国内で流通するパプリカはおよそ9割が外国産ですが、松尾さんのパプリカは完熟してから収穫するため、とてもジューシーです。

パプリカは非常に繊細な野菜です。「特に温度。急激な温度変化にあうと病気になりやすい」うえ、成長の段階によって適した温度も変わるため、ハウス内の温度管理が大変です。そこで利用しているのが温泉熱。松尾さんは循環水をパイプで巡らせるという熱交換システムを考え出しました。タンクで温泉水と蒸気に分け、それを別々に溜めます。冷たい水がその中を通ることでお湯になり、ハウスに敷かれたパイプを流れて空気を温めるという仕組みです。

ボイラーを使うと年間8000万円ほどの燃料費がかかるそうですが、このシステムなら「ゼロ」と松尾さん。CO2の排出もありません。

スマホで生育状況を確認

他にも外気温や風向、日射量などさまざまな環境値を計測し、その状況にハウス内の環境を連動させるウェザーステーションも活用して温度管理をしているそうです。

このウェザーステーション、操作はスマホです。農場長の工藤隆浩さんは画面に表示される数値をもとにミストを出す等行っています。またハウス内にはカメラが設置されており、葉の色などの生育状況もスマホ画面で確認しています。

経験のない野菜作りに挑む

松尾さんが勤める会社は、もともと発電所などのプラントの建設をしていました。そんななか、事業拡大のために新設された農業部門の責任者に抜擢されますが、野菜作りの経験はなかったため、オランダやドイツ、韓国などに足を運び、ハウス栽培の勉強を重ねました。

大分県内で作られる野菜と競合しないようにと選んだのが、パプリカです。温度管理が難しいことはわかっていましたが、「温泉=大分。おんせん県ですから温泉熱をふんだんに使ったエネルギー」の秘策はすでにありました。しかし問題はその成分。温泉をそのまま循環させるとパイプが詰まってしまうため、松尾さんが考えたのが、温泉で温めた水を循環させる熱交換システムだったのです。

温泉の成分がつきにくい、パイプの素材や太さなどを2年にわたり研究。熱交換システムを完成させて、難しいパプリカの栽培に成功しました。

パプリカ普及のためレストランもオープン

◇「温泉パプリカ」を購入できるレストラン
Art Tableいろのわ
住所/大分県大分市上野町865 大分市美術館内
TEL/097-543-1608
営業時間/11:00〜18:00
休館日/月曜日(併設している大分市美術館の営業に準じる)
「愛彩パプリカ(温泉パプリカ)」160円(税込み、直営店価格)
「パプリカおでん  ランチセット」1300円~(税込み)
「私たちが実際に目で見て触りながら、一株一株毎日手入れをしていく」ことを大切にしながら育てているパプリカ。

そんな温泉を利用したパプリカを多くの人に知ってほしいと、大分市内にレストランもオープンしました。パプリカを使ったおでんといった料理はもちろん、収穫したてのパプリカも販売しており、「肉厚で苦みもなく、食べやすい」と好評です。

人ができないと思っているなかに成功のヒントはある

最後に尋ねました。「人生で成功するために必要なことは?」。
松尾さんはいいます。「人ができないと思っているなかにこそ、成功へのヒントが隠されていると思っています」。

松尾さんは、農業はきつい仕事ではなく、かっこよくて夢のある仕事だという意識を従業員と共有していきたいとも考えているそうです。