火曜日

羽鳥慎一がニュースな現場へ!みんなの疑問を解決

2018.11.27放送

薄さ0.2mm ミシンで縫える“驚”天然木シート

木材の常識を覆す天然木シート

ゼロワンプロダクツ株式会社
住所/大阪市天王寺区上汐3-3-22 507
TEL/06-6774-7701
お問い合わせ時間/平日10:00~17:00
木材といえば、建材や家具などに使うのが常識。布のように扱うなどあり得ない・・・。しかしそれを可能にしたのが樋口伸一さん(64)です。樋口さんは本物の木を薄さ0.2mmのシートにし、カバンや名刺入れ、ブックカバーなどさまざまなものを作りだしています。今回の「聞きトリ」はこの「天然木シート」を開発した樋口さんにお話を伺いました。

本物の木なのにミシンで縫える

羽鳥慎一キャスターが訪ねたのはシートが作られている福岡県大川市。まずはこの天然木シートの凄さを体験すべく、同じ薄さの「ツキ板」で比較します。ツキ板とは天然の木を薄くスライスして乾燥させたもの。木ですからちょっと力を入れただけで割れてしまいますし、縫うことなど考えられません。

しかし、樋口さんのシートは折り曲げても、その折り目がつくだけ。手縫いはもちろん、ミシンで縫っても割れないのです。

天然木シートを糸代わりにした西陣織

天然木シートは、乾燥させた丸太を0.2mm程度の薄いシート状にスライスした後、補強用の布を敷いた土台とぴったりと貼り合せます。

そこに樹脂を染み込ませますが、実はこの工程が薄くても割れない秘密。ウレタン系の樹脂とアクリル系の樹脂をある比率で混合したものを、「すき間にしっかり埋めてやることが割れない一つの方法」だと樋口さん。樹脂を染み込ませたことで「木の繊維の中にプラスチックがあるのと同じ」状態になり、汚れにも強くなりました。

丈夫な天然木シートの特性をいかした驚きの使い方もしています。それは「木を糸にして織った西陣織」。シートを幅2mmに裁断してできたものを縦糸に使い、西陣織の技術で木目が美しい織物にしているのです。

木目をいかした軽いカバンを作りたい

◇紹介した商品
「名刺入れ」5,940円~(税込)
「ブックカバー」5,940円~(税込)
「トートバッグ」37,800円(税込)
その他商品の問い合わせは上記ゼロワンプロダクツへ
元々、化粧品メーカーの下請け会社を経営していた樋口さんには、ある思いがありました。「徐々にわれわれのような外注先には仕事が回ってこなくなる。何か新しい事業をしていかなくては」。

そんなとき、訪れていたヨーロッパで見たのが木製のアタッシェケース。「木目がとてもきれいだったのですが、すごい重いんですよ(笑)」。樋口さんに生まれた「本物の木を使った軽いカバンを作りたい」という思い。会社をたたんでカバン作りへの挑戦が始まります。

ツキ板を持って縫製工場などを回りますが、シート開発前で縫えるわけもなく断られ続けたそう。そんななかで開発に協力してくれたのが滋賀県にある龍谷大学です。樋口さんは大学内の研究所で天然木シートの研究を始めました。

その過程で樹脂を含浸することを思いつきますが、「カニの身問題」に直面します。茹でるとカニの身が縮むように、樹脂を含ませた後に木が乾燥すると「樹脂が細る」、つまり縮んですき間が生まれてしまったのです。この問題を解決するため、樹脂の種類や配合の分量、乾燥する時間や回数も変えて何度も実験を重ねること2年、ようやく天然木シートは完成しました。

樋口さんはいいます。「同じ木目、まったく同じ色というのはない。それは自然なものだから」。また新たに、天然木シートにプラスチックを結合させることにも取り組んでいます。この技術を使えば、木目の美しさを残したまま、汚れや水にも強い素材となり、自動車の内装や冷蔵庫や洗濯機などの家電にも使えるのでは考えています。

成功するまで諦めない

天然木シートを一緒に製造している東洋突板工芸(株)の大関一宏さんは、樋口さんの発想を「宇宙人的。なにもないところから有形にするのが素晴らしい」と語ります。

そんな樋口さんに恒例の質問をしました。「人生で成功するために必要なことはなんだと思いますか」。返ってきたのは、「成功するまで続ける」というものです。

続けることができるその源を羽鳥キャスターが尋ねると、「一緒にやっていただいている人たちに、良かったね、winwinになったねと思ってもらえるように頑張らないといかんなと思っています」。これからも諦めることなく挑戦は続きます。