火曜日

羽鳥慎一がニュースな現場へ!みんなの疑問を解決

2018.09.18放送

命を守る“沈まない”驚きのウレタン救助ボート

空気漏れもパンクもなし! 画期的救助ボート

浜口ウレタン株式会社
住所/静岡県浜松市西区西山町1961
TEL/053-485-1331
FAX/053-485-4606
お問い合わせ時間/平日9:00~17:30
台風や集中豪雨などの災害現場に欠かせない救助ボート。このボートに画期的なアイデアをもたらし、大きな注目を集めているのが浜口ウレタン株式会社の浜口弘睦さん(71)です。浜口さんが開発したのは「ウレタンボート」。ゴムボートは中に空気を入れていますが、その空気の代わりに、ソファのクッションや家の断熱材などに使うウレタンを入れています。

ウレタンボートの特徴は、空気漏れせず、パンクもなし! 羽鳥慎一キャスターがこの驚きのボート性能と誕生の背景に迫りました。

「ウレタンというのは液状なんですよ」と言いながらボートに注入していく浜口さん。ウレタンの原料に発泡剤を混ぜると化学反応が起こり、膨らむのだそうです。

実際にウレタンが入ったボートに乗った羽鳥キャスター、まず驚かされたのが頑丈さです。船体にドリルで穴を開けても沈むことがありません。衝撃をものともせず、まるで傷ついていないかのようなウレタンボート。漂流物にぶつかっても破れず、空気が抜ける心配もないそうです。だからこそ、ゴムボートがためらう陸にも乗り上げることができるのです。

抜群の浮力!大量の水が入っても沈まない

エンジンにもこだわっています。「ジェット船外機といって、スクリューじゃない特別なエンジンなんです」。スクリューがついているエンジンは瓦礫や流木を巻き込む恐れがありますが、浜口さんが使うエンジンはスクリューがないため、その心配がありません。

そして、ウレタンボートの最大の特徴ともいえるのは、やはり浮力です。この日見せてくれたのは、ボートの中に重さにして800キロ分の水を入れる実験でしたが、まったく沈む気配もありません。救助の現場での活躍は目に浮かぶようでした。

開発のきっかけは東日本大震災

浜口さんはもともとウレタンを使って自動車のシートや遊園地にある遊具の安全バーなどを製造していました。「極々小さな会社なので大手さんがやらないものをできるだけやっていこう」。そう考えていた矢先に起こった東日本大震災。南三陸の様子などを見ながら、「浮力に優れ、衝撃に強いというウレタンの特性をいかせば、今までにない救助ボートができるのでは」と考えます。

そこで始まったのが、「空気の代わりにウレタンを入れる」ボートの開発でした。もちろん当初からスムーズに進んだわけでありません。とりわけ大きな問題だったというのがウレタンの変化で、時間が経つとウレタンが縮んでしまうことでした。縮んでしまうとボートにシワがより、救助の妨げになり兼ねません。

そこからおよそ2年。浜口さんは時間が経っても縮まないウレタンの原料と発泡剤をあわせる比率をようやく見つけました。

その後試作を繰り返して完成したウレタンボートは2016年の伊勢志摩サミットで警備艇に採用され、現在はおよそ40カ所の消防署や警察署などに導入されています。

救助にあわせて多様なウレタンボートを開発中

「人の命がいくらかでも助かれば、やったかいがある」という浜口さんはウレタンを使い、ほかにも避難道具も作っています。そのひとつが車いすごと浮かせる「車いすウレタンフロート」です。普段使用している車いすに簡単に取り付けることができ、自力走行が可能、強い波がきても安定感を保てるように作られています。

現在は、水に浮かぶウレタンを吹き付けた屋根を試作中です。こちらは7月の西日本豪雨の折に屋根に逃げる人を見て思いついたそうですが、これから本格的な開発に乗り出す予定です。

人生で成功するために

最後に尋ねました。「人生で成功するために必要なことは?」。
浜口さんはいいます。「自分がいいと思ったことは、まずやってみることだ」。そして、「やってみた結果に問題があれば、それを改善していく。その積み重ねが成功につながっていくのではないかと思います」。

衝撃を吸収するウレタンを使った浜口さんの開発したボートは、乗っている人だけでなく、救助する人の安全も考えられています。大きな災害が続いた今こそ、その有用性を考えてみたいものです。