木曜日

玉川徹が“ニュースに潜む疑問”を独自に追及

2018.07.12放送

そもそも本当に体に良い食品ってどんな物なの?

世界中の研究データから導き出された「本当に体に良い食品」とは?

紹介した書籍「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」
出版社/東洋経済新報社
著者/津川友介
世の中に多数流されている「食品に関する情報」。情報が逆転するようなケースも珍しくなく、迷っている方も多いかもしれません。そんな中、「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」という本がベストセラーになりました。それは「世界中の研究から導き出された『本当に体に良い食品』とは何か?」というテーマの一冊なのですが、玉川徹さんは今回、その著者である「UCLA(カルフォルニア大学ロサンゼルス校)内科学」の津川友介(つがわ・ゆうすけ)助教授(38)にお話を伺いました。

津川助教授によれば、「世界中の研究で『これは体に良いだろう』と分かっているものは5つある」そうです。それは「魚」「野菜・果物」「精製されていない茶色い炭水化物(そば、雑穀類、全粒粉など)」「ナッツ類」「オリーブオイル」で、複数の研究結果をまとめる「メタアナリシス」という手法で導き出されたものなんだとか。単独の研究データだと後に否定されることも珍しくありませんが、メタアナリシスならばそう簡単にひっくり返されることはないのだそうです。

新説を世に出す際には必ず「エビデンス(科学的根拠)」というものが問われますが、津川助教授によれば「エビデンスには強いものと弱いものがある」といいます。医師や栄養士などの専門家が「自分の経験によれば…」と語るものが最も弱く、信頼度が低いのだそうです。それに対してメタアナリシスは「主観や先入観にとらわれれず、現存する全ての研究データを集めてきて、系統立ててまとめる」という手法なので、「最強のエビデンス」と呼ばれているといいます。

メタアナリシスで選ばれた「5つの食品」の働きとは?

津川助教授は、メタアナリシスによって選ばれた「健康に良い食品」それぞれの働きを教えてくださいました。

1つ目の魚には「動脈硬化のリスクを減らす効果がある」のだそうです。「1日に60gの魚を食べていた人は、全く食べていない人より死亡リスクが12%低下する」という研究結果があるといいます。注目すべきは「1日60g」という摂取量で、これより多く食べても効果にはあまり影響しないそうです。

2つ目の野菜・果物は、「どちらでも良いので『1日380~400g』を目標に摂取し続けると、心筋梗塞や脳卒中、大腸がんなどのリスクが減る」といいます。こちらも「400g」が重要で、これ以上食べても結果に変化はあまり出ないのだそうです。

3つ目の精製されていない茶色い炭水化物は、「動脈硬化やがん、糖尿病などの発症リスクを減らす」のだといいます。

4つ目のナッツ類と5つ目のオリーブオイルは、津川助教授によれば「ひとつにまとめて考えた方が良い」のだそうです。「この2つを多く摂取すると血管が丈夫になり、脳卒中や心筋梗塞などの死亡リスクが減少する」といいます。

5つの食品の研究結果について教えてくださった後で、津川助教授は「体に良い食品」の摂り方について、このように指摘されました。「大切なのは『栄養成分の摂取』ではなく、『食品全体を食べる』ということ。特定の栄養成分のみをサプリメントなどで摂っても、食品全体を摂取した時ほどの健康効果が期待できない場合もある」。「たとえば魚の栄養成分のみを摂るより、魚という食品全体を食べた方がメリットが多い」と語る津川助教授は、「栄養摂取」という考え方ではなく、「健康的な食事を摂る」といったことを重視すべきである、とおっしゃいます。

今回の取材を通じて玉川さんは「エビデンスの弱い情報に振り回されないことが大切」という思いを抱いたそうです。