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羽鳥慎一がニュースな現場へ!みんなの疑問を解決

2018.04.10放送

世界が注目!石灰石から作る驚きの「次世代の紙」

資源不足の解消にも?次世代の紙「LIMEX」

株式会社 TBM 本社
TEL/03-3538-6777(代表)
紙といっても種類はさまざま。今回、「聞きトリ」が着目したのは、丈夫で水にも強い「LIMEX(ライメックス)」という紙です。資源不足の解消にもなるかもしれない、この“次世代の紙”を開発したのは山崎敦義さん(44)。宮城県白石市の工場を羽鳥慎一キャスターが訪ねました。

主原料は石灰石。そこにプラスチックの原材料として使われるポリオレフィン樹脂を混ぜ合わせて作っているそうです。そのため、普通の紙なら引っ張ると破れてしまいますが、山崎さんの開発した紙は伸びるため簡単には破れません。

鉛筆やボールペンなどの筆記具で通常の紙同様に文字を書くこともできます。しかも、水に濡れても強度は保ったまま。破れることもなければ、水の中でも書くことができるのです。

濡れても大丈夫だから用途はさまざま

水に強く、高い強度を持っているため、さまざまな使い方ができるのがLIMEXの魅力です。例えばレストランなどのメニュー表。しょう油やソースをこぼしても簡単にふき取れるので染みにならず、長く使うことができます。寿司チェーン「スシロー」がメニュー表として使っているのは、山崎さんの開発した紙です。

そして最大のメリットは「エコ」です。一般的に、紙1トンを作るためには水を100トン、木を20本使うそうですが、石灰石で作ったこの紙なら、「名刺100枚で10リットルの水が削減できる」。そのうえ、石灰石は「ほぼ無尽蔵といっていいぐらい、安価で豊富にある」。木材や水をほとんど使わずに紙を作ることができるのです。

未来の人たちに喜んでもらえるものを作りたい

1973年大阪府で生まれ育った山崎さんは中学を卒業後、大工をしたり、中古車販売をするなど職を転々としていました。やりたいことが見つからない中、30代のときに旅行で行ったヨーロッパの風景に心を打たれます。「建物や街を見たときにすごく感動してね」。何百年経っても、見る人を感動させる建物を見て、自分も未来の人たちに喜んでもらえるような、役立つものを作りたいと考えるようになったといいます。

そんな中で知ったのが、台湾で製造されている石灰石で出来た紙「ストーン・ペーパー」でした。「今後世界が抱える問題に対して貢献していけるのではないか」と思ったそうです。しかし、この紙は非常に重いため日本では普及していませんでした。

改良のための山崎さんの挑戦が始まります。まずは協力を得られた製紙会社から機材を借りて研究を開始。石灰石の分量を探りながら、厚さをそれまでよりも薄い0.2ミリにします。さらに、軽量化するために石灰石と樹脂の間に空気を入れることを考え出します。強度との兼ね合いを見ながら空気の量を変えて試行錯誤を繰り返し、約5年をかけて完成させました。

復興に力になりたいと東北に工場建設

最先端の技術が認められて得た国からの補助金なども活用して、2015年に宮城県に工場を建設します。山崎さんには東北にこだわる理由がありました。「僕が20歳ぐらいのときに阪神淡路大震災があったんですけど、なかなか力になれず悔しい思いをしたんですね。で、東北の震災があったときには復興の一翼を担うような、雇用を生めるような産業を作りたいとすごく思ったんです」。

現在、この工場には約50人の地元の方が働いています。

喜んでもらう姿を想像して

海外からも視察が来るなど注目を集める開発を行った山崎さんに、最後に羽鳥キャスターが尋ねました。「人生で成功するために必要なことは?」。山崎さんはこういいます。「笑顔を想像していって、それに対して諦めず挑戦していくことが一番大事なんじゃないかと思います」。

自分のためではなく人のために尽力することで、思う以上の力が出てくると語ってくれました。