羽鳥慎一50の質問

番組を進行する羽鳥が、“時の人”に立て続けに50の質問を行い、 質問に答えて頂くなかで浮かび上がるゲストの方の性格やセンス、内面に迫るコーナーです。

24・3・5

2024年3月5日 佐々木麟太郎編

佐々木麟太郎 さん

2024年3月5日 佐々木麟太郎編

今回のゲストはアメリカ・スタンフォード大学への進学を決めた花巻東高校・佐々木麟太郎選手。
卒業式の前日、花巻東高校の教室やグラウンドで麟太郎選手にアメリカに進学する理由などについて聞きました。
麟太郎選手の恩師でもある大谷翔平選手のお父さんにもお会いできました。


■卒業前日 18歳の素顔 先輩・菊池雄星&大谷翔平からのアドバイス

羽鳥 「こんにちは」
麟太郎「こんにちは」
羽鳥 「お忙しいところ、羽鳥でございます」
麟太郎「わざわざお越し頂きありがとうございます。花巻まで」
羽鳥 「よろしくお願いします」
麟太郎「よろしくお願いします。本日ありがとうございます」
羽鳥 「(質問1)あした卒業式ですよね?」
麟太郎「あした卒業式です」
羽鳥 「(質問2)どうですか?通った学校、明日で最後ですが?」
麟太郎「通った学校ですか? 自分も思い入れのある学校でしたし、いろいろな経験をさせてもらったと思っています。」

高校歴代最多となる通算140本塁打を記録した花巻東高校の佐々木麟太郎選手。
先週、行われた卒業式の前日、羽鳥に高校野球への想い、アメリカ進学の理由を語りました。

羽鳥 「(質問3)アメリカはいつ行かれるんですか?」
麟太郎「3月中には行きたいと思っていますし、自分としては早く行きたいと思っているので」
羽鳥 「(質問4)菊池選手と大谷選手の垂れ幕がありますけど、お二人の存在は、麟太郎さんにとって?」
麟太郎「雄星さんと翔平さんには、自分本当に小さいころからお世話になっておりまして。雄星さんは自分小さいころ体が大きかったので、お下がりを頂いて。靴とかお下がりを頂いて。翔平さんからも道具を少し頂いたりもしていましたし、今でも追いかけている存在です」
羽鳥 「(質問5)今回、進学にあたって、お二人からはアドバイスはあったんですか?」
麟太郎「アメリカの考え方、思考であったりとか、文化も含めて気候も、あとアメリカの野球と日本の野球の違いだったりとか、そういう部分についてはアドバイスは頂きました」

羽鳥 「おー!ここですか」
麟太郎「すごい試合数も積みましたし、練習も相当したのですごい思い入れは深いですね」
麟太郎「これ自分自身の(グローブを見せる)」
羽鳥 「日本一と書いてあるじゃないですか」
羽鳥 「軽くキャッチボールさせていただいていいですか」
麟太郎「羽鳥さん、野球やられたって、自分調べて」
羽鳥 「高校まで。高校はピッチャーだったんですよ。」
麟太郎「何か見ました」
羽鳥 「アンダースローだったんですよ」
麟太郎「ナイスボールです」

(麟太郎選手バッターボックスに入る)
羽鳥 「(質問6)いつもここで練習してるんですね?」
麟太郎「はい、してます」
羽鳥 「(質問7)素振りをいいですか?」
麟太郎「久々に 打席に入るんですけど」
(※素振り)
羽鳥 「いいですね!」
羽鳥 「うわー、入りましたね 入りました」
麟太郎「入りました? ありがとうございます」
羽鳥 「141本目」
麟太郎「ははは」


■大谷翔平の父が証言 類まれな才能 親子秘話

高校通算140本塁打。3年の甲子園では、花巻東をベスト8に導いた麟太郎選手。
花巻東のエースとして活躍した菊池雄星選手や大谷翔平選手の試合を実際に観戦し、その姿に憧れ、花巻東高校に入学しました。
しかし、花巻東を率いる佐々木洋監督が、実の父という関係に葛藤もあったといいます。

羽鳥 「(質問8)お父さんが監督というのは嫌だなということの要因にはならなかった?」
麟太郎「もちろんやりづらさはあると思っていましたし、ただそれ以上にここでやる価値を大事にしていかないといけないと思ったので」

花巻東への進路を考えたときに背中を押してくれたのが…

羽鳥「すみません お邪魔いたします」
大谷「こんにちは」
羽鳥「初めまして。羽鳥と申します」
大谷「初めまして。大谷でございます」

麟太郎選手が中学時代に所属した『金ケ崎リトルシニア』の監督であり、大谷翔平選手の父・大谷徹さん。

羽鳥「花巻東へ進むわけじゃないですか。佐々木監督はお父さん。(質問9)大谷さんとしては薦めたのか?それともちょっと待ってと言ったのか」
大谷「麟太郎の方は、花巻東しか考えていないという言い方をしたので、監督さんとかお父さんのことを考えたときに、やっぱりやりにくい部分は多々あるだろうと、親子鷹としても。翔平のことも見てもらって、人間的にも立派にしてもらえましたし、野球だけではなくて、人間的にも立派に成長してくれるなという風に思ってましたので、佐々木監督のところに行って、『うちの麟太郎をなんとか見てもらえないですか?』と、『入れて頂けないですか?』とお願いした」
羽鳥「おかしくないですか、話が。大谷さんが、『うちの麟太郎を何とか見てくれませんか?』と、佐々木監督に言ってるんですね」

(質問10)麟太郎選手の中学時代のバッティングは?
大谷「バッティングに関していうと、本当に社会人クラス。3年生の時はね。力はあったので将来は楽しみだなという風には思っていました。力的なバットの芯でとらえた時の打球速度と飛距離というのは才能の一つになるのではないのかなと」

大谷さんも、教え子の野球と勉学への両立に期待を寄せます。

(質問11)麟太郎選手のアメリカの大学進学については?
大谷「先駆者じゃないですけど、こういうスタイルで、2つ、文武両道でいって、成功してもらえればいいんですけど。僕は野球のことしかわからないので、プロ野球でドラフトかかるかとか、メジャーリーグでドラフトかかるかとか、1ランク上のステップアップした形も目指してほしいと、実は正直あります」


■歴代最多 高校通算140本塁打 麟太郎のパワーを体感 驚異の肉体を支える3人

花巻東高校に入学後は、1年からレギュラー入りし、全国に名をとどろかせる世代屈指のスラッガーに成長した麟太郎選手。

羽鳥 「(質問12)ここですか?すごい。ここではどういう練習をするんですか?」
麟太郎「基本的には打つことがメインになります。1日何球打ったか分からないくらいバッドを振り込んでいたので」
羽鳥 「(質問13)何時間くらい最長で?」
麟太郎「何時間というより1000球くらい1日打っていたと思います」

(ティーバッティング)
羽鳥 「想像よりも凄かったです。うわーすご!(質問14)手に響きますか?」
麟太郎「いや特には。」
羽鳥 「(質問15)芯でとらえているから響かない?」
麟太郎「たぶんそうですね。」
羽鳥 「(質問16)もう1回いいですか?この角度から見られるのキャッチャーだけですからね」
(カメラ飛ぶ)
麟太郎「ああ!カメラ吹っ飛んじゃいました」
羽鳥 「カメラ飛びました」

あまりの力強いスイングに胸に付けていた小型カメラが飛ぶアクシデントも。

麟太郎選手のパワーの秘密が…

羽鳥 「凄いですね。麟太郎さん。牛乳しか売っていない」
麟太郎「牛乳しか売っていない」
羽鳥 「牛乳でプロテインをたくさん飲もう。(質問17)麟太郎さんもこれでプロテインを?」
麟太郎「ここでももちろん買ったことがありますし」
羽鳥 「プロテインなんだ。失礼します。ウェートルームにやってまいりました。うわ!すごいですね。“1人の妥協はチームの敗北”素晴らしい。うわーこれですか」
麟太郎「ラックとかベンチ台とかあるので。」
羽鳥 「(質問18)私がジムで見る大きさの重りじゃないんですけど、何キロくらいやるんですか?」
麟太郎「きょうは160キロ」

冨田「来い!ナイス!いいね!」

高校屈指の打球速度と飛距離を生むために行ってきたのがウェートトレーニング。
ウエイトリフティングの日本記録を塗り替えてきた冨田史子さんの指導の下、筋力を高めるトレーニングに励んできました。

(質問19)麟太郎選手のトレーニングの特徴は?
冨田 「自分のやりたいフォームとか求められているフォームをしっかり理解しているので。後ろを使う筋力を高めていくということがあって、そこをしっかり、強化できたのも、自分の技術とパワーが組み合わさって、よりああいう飛距離というか、ホームランにつながっていったのかなと思います」
麟太郎「筋肉量あげていく事とスピード上げていくその中で、爆発を作るっていうのがすごい今、チームのバッティングのスタイルとかすごいマッチしてて」

日々のケアをサポートしてくれたのは花巻東の卒業生で、高校の専属トレーナー昆太一さん。

(質問20)麟太郎選手とのコミュニケーションは?
昆「麟太郎も積極的に色々なことを聞いてくれたりしたので、『自分はこう思ったんですけど、こういうのはどうですか?』だとか、さらに案まで提案してくれるので麟太郎が。自分としては話しやすかったですし、もっとどうやったら麟太郎が良くなるかなと、すごく考えました」
麟太郎「全員の体を管理をしてくれている、本当にすごい方だなと思っています」

最強スラッガーとして注目を集める中、麟太郎選手の高校3年間は、ケガとの闘いでもありました。

(質問21)ケアについては?
麟太郎「ケガしたら試合も出られなくなる期間が長くなるところをすごく短く抑えて下さったのは、最終的に小菅先生の力があったからなと」
麟太郎選手のケガのサポートに力を注いでくれたのは寮の近くに整骨院をかまえる小菅智美さん。
佐々木監督の同級生で、麟太郎選手を幼いころから見守ってくれた頼もしい存在です。

(質問22)麟太郎選手のケアについては?
小菅「麟太郎くんもきちんと自分の言葉で喋ってくれるので、何だかわからないところに私が処置するのではなくて『今こういう状況で、こうなっているからこうなんです』と明確に喋ってくれるので 私もやりやすかったんですよね。そこが普通の選手と違うところじゃないかなと。苦しい道を渡って行って、最後頑張れば大きな存在になれると思いますし、みんなに勇気を与えてくれる存在になってくれるんじゃないかと思っていますので、期待しております」


■アメリカ超名門大へ 18歳の素顔とルーツ

羽鳥 「(質問23)麟太郎さん、こちらが玄関?いつもここを通っていたんですか?」
麟太郎「毎日そうですね ここから」
羽鳥 「いや、懐かしい、下駄箱。さすが花巻東ですね。“大谷本塁打王”ってある学校なかなかないですよね」
羽鳥 「(質問24)そして、どちらに行きますか?」
麟太郎「右側に。こちらで。うちの教室だけ、野球部のクラスなんですけど、人数が多くて離れている場所にあるので」
羽鳥 「(質問25)クラス全員野球部なんですか?」
麟太郎「そうです。」
羽鳥 「(質問26)何人ですか?」
麟太郎「今は38人ほど」
羽鳥 「(質問27)38人全員同じクラスで?」
麟太郎「はい」
羽鳥 「(質問28)授業も一緒。住んでいるところも一緒。練習も一緒。大丈夫ですか?」
麟太郎「自分、野球部しか友達がいなくて、3年間でなかなか普通の生徒とお話する機会がなかったので」
羽鳥 「(質問29)一般の生徒と触れ合うことはあまりない?」
麟太郎「はい」
羽鳥 「ここですか3年G組。全員野球部」
麟太郎「全員野球部です」
羽鳥 「素晴らしいですね」
麟太郎「野球部まみれの男臭が強いですけど」
羽鳥 「みんな一緒に苦労した人たちが、ここの教室で過ごしていた。何か綺麗ですね。」
羽鳥 「(質問30)どこですか?席は?」
麟太郎「自分ここで。最後ここになりました」
羽鳥 「お座り頂いてこういう感じなんですね。いいですね。(質問31)小さくないですか?机」
麟太郎「小さくは…まぁ、苦しい感じもありますけど」

羽鳥 「(質問32)勉強はどうでしたか?一番得意だった科目」
麟太郎「得意…まぁ社会系全般に。そういうのは得意だったのかなという感じですね」
羽鳥 「(質問33)ちょっと苦手かなというのは?」
麟太郎「苦手ですか?それこそ最初、英語は好きではなかったですし、苦手っちゃ苦手だったと思います」
羽鳥 「それがどんどん能力が上がって」
麟太郎「ここまで来たらやるしかないので。好き嫌いではなくて、自分の人生のためにということでやっています」

日本野球界での活躍も期待される中、麟太郎選手が選択したのは、世界屈指の名門校・スタンフォード大への進学。

羽鳥 「(質問34)なぜアメリカの進学を選択?」
麟太郎「人生で自分自身の戦略で大事だと思ってまして。野球人生だけではないというのが第一ですし。『一瞬の喜びではなくて一生の喜び』ということで、そういう人生観を持っていてその中で野球と勉強を両方できるという、自分の中で最善の選択をした中で、最後アメリカの大学が一番、今自分が進むべき道だと考えて選びました」

将来を見据え、18歳でアメリカへ渡る決断をした背景には、花巻東の野球部が独自で導入している日誌『花巻東フィロソフィー』の教えがありました。

羽鳥 「見せていただいてもいいですか」
麟太郎「構いませんよ。こういうことを書いたりしていて」
羽鳥 「甲子園での逆襲」
麟太郎「毎日書くのはこういう風になっていて」
羽鳥 「(質問35)これ毎日書いてるんですか?」
麟太郎「1ページが毎日。これは7月7日。昨日の反省、今日の目標、やること、今日絶対やらないこと、練習の課題ライバル」
羽鳥 「うわー、これが花巻東ですね。」

野球の目標だけでなく、1年ごとの人生の目標を書くページには「高卒MLB」や、18歳の欄には、「甲子園出場、ドラフト1位、5球団!!」という文字が。

麟太郎「最初、プロの球団とかメジャーの球団でと野球人生を書いていて、その後野球を終わった後、何をしていくか詳しく書いています。」
羽鳥 「(質問36)麟太郎さん的にはどこで野球が終わることになっているんですか?」
麟太郎「40歳でと。一応40歳まで頑張れればいいなと思って」
羽鳥 「あ!本当だ!現役引退表明。40歳」

羽鳥 「(質問37)日本のプロ野球に行こうとは思わなかったんですか?」
麟太郎「僕も高校入学当時は、日本のドラフトにかかって、まずプロ野球で、その後メジャーに上がれれば、一番いいなと思って考えてましたけど、自分の今の野球選手としての未熟さももちろんそうですし、野球人生が終わった後のプラン、ビジョンとかを生み出しているうちに、両方もちろんこれから野球も極めていきたいですし、ただ勉強の部分で、自分はまだまだ勉強しなければいけない立場だということを思って、最後決めたつもりです」

羽鳥 「(質問38)不安があるとしたら何ですか?アメリカの生活で」
麟太郎「不安は考えていないです。失敗して学ぶことが大事だと思っているので、とにかくチャレンジして」

羽鳥 「じゃ最後の質問を…」
麟太郎「あ!すみません。ちょっと1個だけいいですか?少しお話したいことがあって…実は、まだどこにも話していない話なんですけど、」
羽鳥 「(質問39)結婚するんですか?」
麟太郎「違います(笑)残念ながら、自分まだ18歳なので。孫正義さん、自分、凄いその方に感銘を受けて1個アメリカの大学を選んだというのが実は一つあって」

麟太郎選手が特別に見せてくれたのは目指す人物の写真を貼るページ。
右にはバリー・ボンズなどメジャー屈指の左の強打者の写真が並び、左にはアップルの創業者スティーブ・ジョブズや稲盛和夫氏などの名だたる経営者の写真が貼られ、真ん中には孫正義氏の写真が…。

麟太郎「孫正義さん、高校を中退なさって、アメリカの大学に進学して、今の地位まで築いた努力、精神というのに感銘を受けて、そういう足跡をたどりたいなという気持ちになって、一つアメリカの大学を選んだ理由に、自分のキッカケを作ってくれた」

先週金曜日、佐々木麟太郎選手は花巻東高校を卒業。
ビザなどが下り次第渡米する予定で、スタンフォード大学へは9月に入学します。

羽鳥 「最後の質問です。10年後、どんな自分になっていたいでしょうか?」
麟太郎「野球人生としてはもちろん、MLBかNPBのドラフトにひっかかるレベルになって、自分の野球選手のゴールである、MLBでホームランバッターになる。自分の人生支えられてここまできたので、これから将来を歩む人たちにサポートできたらいいかなと。自分が他人の人生を切り開けるような人間になりたいなと思っているので、野球選手と野球選手以外の部分でというところで、そういう人間を目指してやっている10年後を想像して、今は頑張っているので、そうなってくれていれば、うれしいなと思っています」