【第8回】がんの正しい知識を知ろう!第3弾 ーがん克服へ 患者の皆様とともにー

開催日時
2024年2月4日(日)13:30~18:00

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【ANNnewsCH】https://youtube.com/live/0jLTYTQt_v8
【ABEMA】https://abe.ma/46YJ7LD

2024年2月10日(土)14:00~14:55 に特番が放送されました。
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がん治療の新たな治療法の最新情報を、専門医が分かり易く解説します。
外科手術も大きく進化しています。AI技術の進歩で、正確で安全な手術を多くの患者様が受けられるようになり、体の負担も減っています。
外科手術と薬の治療を組み合わせることで完治することも可能になってきました。
また、患者の皆様が安心して治療を受けられる環境作りも進んでいます。
どこに相談すればいいのか、どこでケアを受ければいいのか、その最前線を紹介します。

監修:国立がん研究センター東病院

<登壇者>

国立がん研究センター東病院 吉野孝之 副院長 医薬品開発推進部門長 消化管内科医長 【プロフィール】
2022年6月、がん治療を最も進化させた医師として世界のトップ4に選ばれる(ASCOプレナリーセッション)。日本人初。
日本のがん治療で、遺伝子治療、予防・再発診断、製薬開発をリードする。
防衛医科大学校卒業後、防衛医科大学校病院・国立がんセンター中央病院での研修を終え、国立がん研究センター東病院へ。
2007年より、国立がん研究センター東病院にて現職の消化管内科へ。大腸がんが専門。
消化管がんの患者さんに世界で一番早く有望な薬を届けるため新規の薬物治療の開発に取り組んでいる。
国内外のガイドライン委員長やがんプレシジョンメディスン実現に向けた最先端の挑戦、SCRUM-Japan MONSTAR-SCREEN等の代表を務める。日本癌治療学会理事長

【メッセージ】
がん患者さんをとびっきりの笑顔にする、これが私のモットーです。この国に生まれたがん患者さんがこの国に生まれて良かったと思える未来を創るため、誰よりも泥水すすって率先垂範しています。できないとは絶対言わない、考えて、考えて、できるようにすれば良い、だからあきらめないで、一緒に頑張りましょう。
国立がん研究センター東病院 伊藤雅昭 副院長 大腸外科長 先端医療開発センター 手術機器開発分野長 【プロフィール】
千葉大学医学部を卒業後、外科医人生のほとんどを国立がん研究センター東病院の大腸外科で過ごす。その後2015年に大腸外科長、2022年に副院長、医療機器開発推進部門長となる。
大腸がんに対する内視鏡手術の経験は2000例を超え、日本のみならず海外の病院での豊富な手術経験をもつ。特に従来であれば難しいとされた肛門温存手術の経験値は日本最多を誇る。
近年では、国立がん研究センター東病院におけるNEXT医療機器開発センターを主導し、臨床的な価値を追い求めた様々な医療機器開発に関与してきた。特に人工知能を応用した外科領域の研究開発では日本のトップランナーである。自身が起こしたスタートアップが開発した手術支援ロボット「ANSUR」が本年承認され、本年度にそのロボットを使った第一例目の手術が行われる予定である。

【メッセージ】
手術と聞くと何か怖いイメージがある方もいまだに多いのではないでしょうか。ただ、この30年でとても手術は大きく進化しています。昔であれば残せなかった様々な機能を残しながら、よりやさしく治療できるように変わってきています。そして新しい医療機器を開発することにより今までできなかった未来の治療を創造したい、これが僕の夢です。
国立がん研究センター東病院 久保木恭利 臨床研究支援部門研究実施管理部長 先端医療科医長 【プロフィール】
2004年熊本大学卒業。 地元広島で初期研修を行い、研修中に抗がん剤治療に触れ、最新の治療を勉強したいと思い、2006年、レジデントしてがん研有明病院へ。そこでがん治療の研修を行う中で、新しい薬剤の開発に出会い、抗がん剤治療開発を学びに、2012年、国立がん研究センター東病院へ。がん治療開発を理解するには、基礎研究も重要であるという教えのもと、病理の研究を行い、慶應義塾大学大学院の博士課程へ進み、2016年博士課程を卒業。その後は、さらに新薬開発を極めるため、国立がん研究センター東病院 先端医療科の医員となり、2018年から医長に。また、新薬開発を支える臨床研究コーディネーター室の室長、2021年からは研究実施管理部長も務め、一人の医師として新規の薬物治療の開発に取り組んでいるだけでなく、国立がん研究センター東病院全体の新薬開発を支える。

【メッセージ】
まだまだ、転移・再発したがんを完治させることは、非常に難しいのが現状です。しかし、良いお薬、良い治療、良い医療を日本のがん患者さんに届けられるように、明日が今日よりもっと良い日に、来年は今年よりもっと明るい未来になるように、一緒に頑張っていきましょう。
国立がん研究センター東病院 湯田淳一朗 血液腫瘍科 医長 先端医療科/医薬品開発推進部 血液腫瘍治療開発推進室室長 【プロフィール】
2017年より国立がん研究センター東病院 血液腫瘍科へ。ピボタル試験に加えて、先端医療科の先生方と協調し、早期相の医薬品や免疫細胞療法などの開発に尽力。2022年5月より、医薬品開発推進部門医薬品開発推進部血液腫瘍治療開発推進室を兼務し、造血器悪性腫瘍(血液がん)領域の、ドラッグラグ解消、プレシジョンメディシン実現に向けて、研究・開発をおこなっている。
2012年 九州大学医学系学府医学専攻 博士課程

【メッセージ】
世界の医薬品開発の潮流を見極めながら、日本の血液がんの患者さんに、最新の診断法、治療法・治療薬を届けることを目標に、研究開発をおこなっております。血液がんの治療の開発は日進月歩であり、既存の抗がん剤治療や移植治療に、分子標的薬治療、免疫療法、細胞治療などが加わり、さらに治療成績がよくなってきています。1人でも多く日本の血液がんの患者さんのご病気が良くなるよう尽力して参ります。
国立がん研究センター東病院 サポーティブケアセンター 坂本はと恵 副センター長 【プロフィール】
精神科クリニック、国立がん研究センター中央病院を経て、2004に国立がん研究センター東病院へ異動、相談支援部門の立ち上げに携わる。
2014年にサポーティブケアセンター/がん相談支援センターに組織改組。
社会福祉を基盤とし、患者さんやご家族への療養生活に関する相談や、仕事や家族を含めた不安や懸念への支援を実施。
2021年度からは患者さんの生活に役立つセミナーや勉強会の開催、また病院敷地内で宿泊する際の安心で快適な工夫など、患者さんやご家族と対話しながら取り組んでいる。
2010年、日本福祉大学大学院 社会福祉学研究科修了。

【メッセージ】
病院で質問できる相手は主治医だけではありません。看護師や薬剤師、相談員など話しやすい相手に、あなたが大切にしていること、困っていること、必要と思うこと、苦手なことなどについて教えてください。
私たちは患者さんとご家族からお話を伺いながら、より適した情報を提供し、また専門職、制度、機関におつなぎします。
「一人一人の本来の生き方が尊重されつつ、治療を受けられるようなお手伝いを」。
いつもそう願っています。
帝京大学医学部 有賀悦子教授 附属病院院緩和センター長 【プロフィール】
筑波大学卒業。外科で研修後、米国ミシガン大学腫瘍外科で乳がんの研究に従事し、在宅緩和ケアの研修を受けた。帰国後、国立がんセンター東病院等を経て、帝京大学医学部に国内で数少ない緩和医療学講座を立ち上げ教授および同病院緩和ケアセンター長として今に至る。日本癌治療学会初めての女性理事に就任。社会連携・PAL委員会を担当した。2022年から厚生労働科学研究費を得て、患者・市民参画の教育カリキュラム策定に取り組んでいる。

【メッセージ】
近年、がんと共に生きることを社会で応援することが広がってきました。医師が高校にがん教育の外部講師として出かけたり、患者さんの会社の産業医とやり取りしたりすることも。このような動きに加え、患者さんや市民ががん医療のパートナーになってもらうことができるような啓発活動を行っています。私の専門は緩和ケアですが、がんの痛みだけではなく、このような社会と医療をつなぐことも大切な役割として日々取り組んでいます。
認定特定非営利活動法人 希望の会  轟浩美 理事長 【プロフィール】
東京都出身・お茶の水女子大学家政学部児童学科卒。2014年まで学習院幼稚園教諭。
スキルス胃がんで配偶者を見送った遺族の立場。
2015年、スキルス胃がん患者であった轟哲也が胃癌患者家族会 希望の会を発足。哲也逝去後、2016年に理事長となる。
『知ることは力になる』をモットーに、全国胃がんキャラバン開催や、誰もが生きやすい社会を願い、がん全体への理解につながる啓発イベントを街中で開催することにも取り組んできた。
厚生労働省や自治体でのがん対策協議会等の委員を務めるほか、2023年3月に19年ぶりに発行された患者向け胃癌治療ガイドラインには、作成委員として取り組んだ。

【メッセージ】
家族が治療法の定まっていない難治がんを告げられた時、私は大きく狼狽え、世界から切り離されてしまったような孤独を感じました。正確な情報がどこにあるのか知らないまま、自分にとって「優しい」情報にすがり翻弄された経験は、私の拭い去れない後悔となっています。
病を告げられた時、狼狽えてしまうのは自然なことだと思います。あの時「相談できる場所」があることを知っていたら、私たちの日々は違っていたことでしょう。「知る」場の大切さを痛感している立場から、誰もが安心して生きられる社会を目指して活動していきたいと思っています。

<国立がん研究センター東病院 大津敦院長からメッセージ>

国立がん研究センター東病院 大津 敦院長 東北大学医学部卒業後、いわき市医療センター、国立がんセンター中央病院レジデントなどを経て1992東病院開院より消化器内科勤務。
がんの新しい薬物療法開発を中心に取り組み、先端医療開発センター長を経て現職。
日本医療研究開発機構(AMED)の革新的がん医療創出事業プログラムオフィサーとしてわが国のがん新薬開発をサポートしている。

【メッセージ】
新しい診断・治療薬などがん医療の開発は世界中でまさに日進月歩です。
それぞれの患者さんに最適かつ最新の治療を届ける仕組みや、心理・社会的なサポート体制も国内のがん診療連携拠点病院を中心に構築されてきました。
よりよいがん治療を受けられるようぜひ専門施設にご相談ください。