キャスト
第1夜
香美綾子(かがみ・あやこ) 葵わかな/薬師丸ひろ子
子どものころ母を亡くしたことをきっかけに医師を志し、東京女子医専に入学。“熱中の虫”とよばれるほど勉学に励み、卒業後、東京帝大医学部附属医院の内科で働くようになる。のちに夫となる香美昇一とともに、胚芽米による脚気治療を研究。その後、予防医学の観点から栄養学の研究に邁進。“目分量と経験”がすべてだった料理の世界に数字を導入し、材料や調理時間などありとあらゆる事にモノサシを当て、数値化。料理カードを作ったほか、計量カップ、計量スプーンを生み出し、誰でも手軽に料理ができるように食の世界に革命を起こした。
香美昇一(かがみ・しょういち) 林 遣都
綾子が入局した東京帝大医学部附属医院の先輩医師。真面目で優秀だが、人づきあいが苦手。日夜研究に没頭している。教授に命じられて綾子の指導役を務めることになる。当時は男尊女卑の時代だったが、“男も女も関係なく、大切なのは医師としての志”という考えの持ち主で、綾子が局内で冷遇される中、昇一だけは常に実直に彼女と向き合う。綾子とともに脚気治療のための胚芽米研究に尽力、やがて2人は結婚することに…。
横田茂雄(よこた・しげお) 杉本哲太
綾子の父。江戸時代の生まれで厳格な性格。しかし、娘のことは深く愛している。医師になりたいという綾子の強い意志に負け、心配しながらも東京に送り出す。
横田房枝(よこた・ふさえ) 石田ひかり
綾子の母。料理が得意で、家族のために愛情いっぱいの食事を作っていた。困っている人々に食べものを分ける、心やさしい女性。綾子が10歳のとき、風邪をこじらせて急逝する。
深谷辰之助(ふかや・たつのすけ) 伊東四朗
料亭“神楽坂ふかや”の親方。職人気質で、自分にも他人にも厳しい。料理カードを作るため調味料の分量や煮炊きの時間を教えてほしいと頼みこんできた綾子に対し、「料理は数字で計ったぐらいで簡単に作れるものではない」と言うが…。
横田フネ(よこた・ふね) 筒井真理子
綾子の父・茂雄の妹。料理上手でしっかり者。姪の綾子のことを常に気にかけており、綾子から脚気治療の研究のため胚芽米のおいしい炊き方を教えてほしいと頼まれ、快く引き受ける。
藤子(ふじこ) 美村里江
料亭“神楽坂ふかや”で働く仲居。活発で気の利く女性。料理カードを作るという使命のもと、ひたむきに調理場に通う綾子の姿に心を動かされ、カード作成を手伝う。
熊井(くまい) 和田正人
綾子が入局した東京帝大医学部附属医院の先輩医師。女に医師など務まるわけがないと考えており、綾子につらく当たる。
花園順三郎(はなぞの・じゅんざぶろう) 渡部篤郎
東京帝大医学部教授。脚気やビタミン研究の第一人者。綾子の指導をするうちに、その利発さと根気強い性格を評価するようになる。いち早く予防医学の重要性に気づき、綾子を栄養学の道に導いてくれた恩人。
第2夜
浜崎マホ(はまざき・まほ) 伊藤沙莉
日本初の女性建築家。日本住宅公団の設計課長・本郷義彦から依頼されて設計チームに加入し、ダイニングキッチンを考案。それまで女性たちが寒さに足踏みしながら料理をするのが当たり前だった台所を明るいリビングに設置し、ステンレスの流し台を実現するために奔走する。
口癖は「できない理由を考えるより、できる方法を考える」。期日、資金、技術が追いつかない事態が起きてもあきらめず、あらゆる困難に立ち向かう。だが、マホが考えた新型の流し台に反対する勢力が現れ…!?
口癖は「できない理由を考えるより、できる方法を考える」。期日、資金、技術が追いつかない事態が起きてもあきらめず、あらゆる困難に立ち向かう。だが、マホが考えた新型の流し台に反対する勢力が現れ…!?
本郷義彦(ほんごう・よしひこ) 成田 凌
貧しい住宅に暮らすしかなかった勤労者たちに住宅を供給していた日本住宅公団の設計課長。新設される公団住宅に理想の台所を作りたいと考え、日本初の女性一級建築士・浜崎マホにアドバイザーを依頼する。その背景には、寒さに震えながら料理や後片付けをする妻に、快適な台所を作ってあげたいという強い思いがあった。本郷のその思いはマホの情熱に火をつけることに…。マホと作る公団住宅なら未来を変えられるかもしれない、という希望を持っている。
本郷栄子(ほんごう・えいこ) 中村アン
日本住宅公団設計課長・本郷義彦の妻。戦後物資が乏しい中、愛する夫と息子のためにおいしい料理を食べてほしいと日夜、工夫している健気な主婦。
津川修平(つがわ・しゅうへい) 戸塚純貴
日本住宅公団の設計技師。本郷の部下。アドバイザーとして加わったマホのことを冷ややかに見ていたが、次第に彼女の情熱に感化され、理想の台所づくりに燃えるようになる。
倉木明夫(くらき・あきお) 佐藤寛太
日本住宅公団の設計技師。本郷の部下。津川と同様、最初はマホを曲者と考えて煙たがっていたが、彼女の妥協なき仕事ぶりに影響され、設計のアイデアを練りはじめる。
浜崎隆二(はまざき・りゅうじ) 毎熊克哉
浜崎マホの夫。建築評論家。常識とは異なる意見や価値観も理解しようとする。何事にも物怖じせず意見するマホに惹かれて結婚した。家事を分担するなど、当時としては先進的な夫婦関係を築いている。
富岡(とみおか) 板尾創路
日本住宅公団・執務補佐。鈴木から実務処理能力を買われ、公団の大番頭となった。鈴木の顔色を伺う一面がある。予算に関しては人一倍厳しい。
村木(むらき) 寺島 進
板金工場“サンシャインウェイ”を切り盛りする工場長。社長が勝手にステンレス流し台の大量生産を請け負ったことに反発、マホたちの依頼を断ろうとする。
鈴木仙吉(すずき・せんきち) 北村一輝
日本住宅公団副総裁。銀行員時代、ニューヨーク支店に赴任し高層住宅を目の当たりにした経験から、日本の住宅状況の遅れを痛感。公団の副総裁に着任してからは慢性的な住宅難の解消が急務と意欲を燃やす。仕事には厳しいが、紳士的でもある。