第9回 小日向文世(小石川春夫・役)さん2014年3月6日
“植木に水をやるスイッチ”が入ると、たとえ夜中でもすぐに水をやるんです
――小日向さんはどんな本気スイッチをお持ちなんですか? 「“植木に水をやるスイッチ”です! 普段は植木にとってベストな約1週間単位で水をやることにしているんですけど、仕事の関係で地方に行くことになると、予定の日にあげられない場合もあるじゃないですか。それに気付くと『あ~っ、今やらなきゃ!』と思って、たとえ夜中でもすぐに水をやるんです。で、水をあげた後は、カレンダーに印を付けて『水』って書くんですよ。しかも、この水やりが結構大変なんです。室内でウンベラータとパキラ、幸福の木、ネムノキ、マザーリーフ…と、かなりの数の観葉植物を育てているので、時間がかかっちゃうんですよ。というのも、水は鉢の下から溢れるくらいあげなきゃいけないんです。でも溢れすぎると、受け皿からこぼれちゃうでしょ。だから、ある程度溢れるくらいの量をあげるんですけど、その後に根腐れしないよう、溢れた水を吸い出さなきゃいけないんです。だから、メダカ用のホースを使って吸い出すんですよ(と言って、ホースに口をつけて吸い出す仕草をする小日向さん)」 ――え!? 口で…ですか!? 「そうです! もちろん水が口に入る直前ギリギリで止めて、外に吹き出すんですけど、たまに吸い込んじゃうんですよね(笑)。それを毎回、約1時間かけてやっているんです。あと、うちにはオリーブの木もあるんですよ。それは唯一、中庭に置いてあるんですけど、天井がついているので、やっぱり僕が水をあげなきゃいけないんですね。だから、地方公演の期間中なんて、もう気になって気になって!」 ――その間はご家族が水をやる、というわけにはいかないんですか? 「たぶんできないと思うんですよねぇ…。なにせ、女房が『いい加減切っちゃったら?』って言うくらい、大成長を遂げているんですよ。ゴムノキは3m45cmありますからね! パキラも3m以上になっていて、ちょっと見たことのないパキラになっているんです(笑)。うちの窓は大きくて陽当たりがいいから、どんどん成長しちゃうんですよ」 ――ちょっとしたジャングルですね(笑)。 「ホントすごいんですよ! 伸びすぎて切った枝も捨てるのがかわいそうだから、また別の鉢に植え替えているんです。それも、どんどん伸びていますからね! だから、植木のためにももっと頑張って働いて、家を大きくしないと…と思っていて(笑)」 ――(笑)。ちなみに、仕事モードのスイッチはどんな瞬間に入るんですか? 「仕事モードかぁ…。今回の現場ではちょっと不謹慎なくらい、本番直前までベラベラしゃべってますからね(笑)。何でしょうねぇ…。そうだ、セリフを頭に入れるモードというのはありますね! 僕の場合は家で子どもたちが寝静まった後、部屋を少し暗めにして、手元だけ明るくした状態でセリフを覚えるんですよ。で、その最中に時々『今度はどこの枝を切ったらいいかなぁ』なんて考えたりして」 ――やっぱり、そこでも植木スイッチが入っちゃうんですね(笑)。 「そうなんですよ! そんな調子だから、どんどん植木が増えていって(笑)。息子の友達がうちに来ると『何だよ、お前の家!?』って驚くほどなんです」