緊急企画! スイッチが入る瞬間

第6回 草刈正雄(郷原政直・役)さん2014年2月13日

普段はイメージと真逆の怠け者(笑)。仕事スイッチは音楽を聴いて入れます

――草刈さんはどんな瞬間に、どんな本気スイッチが入りますか? 「僕は子供のころから一貫してブラックミュージックが好きなんですよ。とにかく音楽が大好きですから、関わる作品によって曲を聴き分けて、仕事スイッチを入れることが多いんです。ちなみに、今回の『緊急取調室』に関しては、特にコレというものは決めず、いろんなタイプのブラックミュージックを聴いていますね」 ――昔から音楽を聴いてスイッチを入れてらっしゃったんですか? 「そうなんですよ。昔はポータブルのプレイヤーなんてなかったから、それこそニューヨークのアフリカ系アメリカ人の方たちのように、大きなラジカセを肩に背負って持ち歩いていましてね(笑)。そうやって楽屋に入り、自分で選んだ曲を聴き、本番に入るというスタイルをずっと通していました。音楽を聴くと、本当にテンションが上がるんですよね」 ――お聴きになる曲はどんな基準でセレクトされているんですか? 「普段から音楽を聴くたび、それぞれの曲にマッチした映像が頭に浮かび、それと同時に『こういった仕事のオファーが来た時には、この音と映像がピッタリだな』といった具合に想像が膨らむんです。それをもとに、毎回聴く音楽を選んでいるんですよ。JUJUさんが歌う今回の主題歌も作品にとてもマッチしていて、曲を聴くだけで想像力が湧いてきますよね。ですから、今回は主題歌にもとても助けられているんですよ」 ――ちなみに、仕事以外で何らかのスイッチが入る瞬間はありますか? 「仕事の時以外も音楽はよく聴いているのですが、その時はスイッチが入りますね。あと、親の仇のようにテニスが大好きなので、プレイ中は本気スイッチが入ります。それ以外の時は…スイッチが完全に切れてグダ~ッとしている、ただの怠け者です(笑)」 ――ダンディーな草刈さんにそんな一面が!? 「普段はダンディーとは真逆なんですよ(笑)。一度ソファに座ったら、1日中そこから動かないしね。それこそ以前、ぼ~っとテレビを観続けていたら、窓に面している方の顔半分だけが日焼けしていたんです。僕って、そんな人なんですよ(笑)。お酒も大好きなんですけど、ブランデーをくゆらせて…という感じだとお思いになるでしょう?」 ――ええ、まさにドンピシャのイメージです! 「実際は焼酎に目刺しです(笑)」 ――それを聞いて、ホッとしました(笑)。じゃ、家事とかもされない? 「しないですね~。篠井(英介)さんとは全然違うタイプなんですよ(笑)」

撮影の日が楽しくて仕方ない! 今までにない美味しい役をいただきました

――では最後に、普段の草刈さんとは真逆であろう(笑)、警視庁刑事部長・郷原政直についてお聞かせください。 「たぶん、上司の役は今回が初めてなんですよね。ほんのちょっと前まで(速水)もこみちくんがやっているような走り回る刑事役をやっていたと思ったら、今度は刑事部長の役をやるとは…! 時が経つのは速いですね(笑)。郷原はちょっとクセのある役で、今までやることのなかった役。ドキドキワクワクしながら演じていますし、撮影の日が楽しくて仕方ないんです」 ――郷原は登場するたび、かなり怪しい雰囲気を漂わせていますよね。 「ちょっと登場するだけで怪しいと思われる、美味しい役をいただきました(笑)。また、一癖もふた癖もあるお芝居をされる一級の俳優さんたちとご一緒できることが、本当に楽しくてね。天海(祐希)さんのシャープなお芝居も、間近で拝見できてとても楽しいですよ。この作品はこれまでの刑事モノとは違いますね。舞台出身の俳優さんが多いということもあって、舞台劇を観ているような感覚になるんです。井上(由美子)さんがお書きになる密室での会話劇もよくできていて、僕なんてもう毎回涙を流していますよ。そんな作品で演じられるなんて役者冥利に尽きますし、共演者の皆さんもきっと同じように思っていると思います。僕ら同様に、視聴者の皆さんにも最後まで楽しんでいただきたいですね」

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