緊急企画! スイッチが入る瞬間

第5回 篠井英介(相馬一成・役)さん2014年2月6日

家に帰って着替えた途端、「洗濯をしなければ!」と思うんです

――篠井さんはどんな瞬間に、どんな本気スイッチが入りますか? 「どうやら僕には洗濯をしたくなるスイッチがあるようなんです。家に帰って着替えた途端、『洗濯をしなければ!』と思うんですよ。洗濯物を溜めておけない性格なんでしょうね。休みの日なんて2回も3回も洗濯機を回すんです」 ――そんなにも!? ちゃんと手洗いのものとか、色物を分けたりするんですか? 「いや、そこまではしないです(笑)。ただ洗って、干して、取り込むという一連の作業が好きなんですね」 ――洗濯物を取り込むのって、面倒くさくないですか? 「わりと皆さん、そうおっしゃいますが、あれが楽しいんじゃないですか! 取り込んだ後に畳んでいる時なんて、本当に幸せですよ。逆に雨の日が続くと、すごく悲しくなるんです。我が家には乾燥機がなくて、いつも外干しをしているものですから」 ――かたや、お仕事モードのスイッチが入る瞬間というのもあるかと思うのですが…。 「例えばメイクをしている時など、人によっていろんなタイミングがあるかと思うのですが、僕は衣裳を着た時に『よしっ!』という感じで仕事スイッチが入りますね。と同時に、自分自身の心が役の気持ちに寄り添っていくんです」 ――楽屋を出る時はもう役になりきってらっしゃるんですか? 「自分自身を半分は残しつつ、役に入っている感じですね。あまり役に没頭しすぎると、独りよがりなお芝居になってしまいますから。俳優というお仕事には、どこか冷めた状態を保ちながら、俯瞰で自分を見ることが必要だと思うんです」 ――だからこそ、制作発表記者会見でもおっしゃっていたように、先輩俳優の皆さんに上から物を言う役はやりづらいと感じることも…(笑)。 「多々ありました(笑)。天海(祐希)さんも会見でもおっしゃっていたように皆さん、本番直前までおしゃべりをしてらっしゃいますからね! ちょっと集中したいのになぁ、と時に思ったりしながらも、とても注意などできるわけもなく…(笑)。だからと言って、おしゃべりの相手をしていると、キリがないんですよ! ですから、途中からは現場に入ると片隅に立ち、ほとんどしゃべらない人として通すことにしました(笑)」

存在感や深みでは先輩たちに到底敵わない! とてもいい勉強になりました

――そんなジレンマ(!?)の中、演じられた捜査一課長・相馬一成と、『緊急取調室』の見どころをぜひお願いします。 「僕は取調官の役ではないので、少し離れた立場から拝見しているのですが、各回のメインイベントである“取調室での緊迫したやりとり”がとにかく素晴らしいです。『よくぞ集めた!』と感嘆するようなキントリ・メンバーの俳優陣が軽やかに、そして熱く深く演じられている姿を、実は僕自身も楽しみにしているんですよ。やはり、ああいったシーンには年輪が出ますよね。本番前までどんなにおしゃべりをされていても(笑)、先輩たちの深みや生き様みたいなものが、画面を通しても如実に伝わってくると思うんです。ですから、どこまでがお芝居で、どこからが御本人かが分からなくなるような瞬間が今後もいっぱいありそうですし、演技を観る、あるいはドラマを観ることの醍醐味をすごく味わえるのではないか、と期待しております。僕自身、一観客のような立場で楽しみにしているんですよ(笑)」 ――視聴者の皆さんは「相馬は何を考えて動いているんだろう!?」とも訝しがりながら、ドラマの行方を楽しんでらっしゃると思います。 「実は僕自身もなかなか真意が掴めないほど(笑)、相馬は不透明な人間なんですよ。正直なところ、役柄の本質をキャッチしづらいこともあって、苦労する部分もあります。腹に一物ありげな人間ではあるけど、被疑者のようにあまり悪者めいてもいけないし…と、演じ方については色々と模索しました。もちろん、存在感や年輪では先輩たちに到底敵わないと思います。今回はそんな先輩たちとご一緒することで、『あぁ、僕は何もできない…』とひるんでしまうこともありましたが、同時にとてもいい勉強になりました」

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