第1回 天海祐希(真壁有希子・役)さん2013年12月26日
悩むべきことはとことん悩む! 悩んでも仕方ないことはスッパリ割り切る!
――天海さんの本気スイッチが入る瞬間とはズバリ、どんな時ですか?
「やはり仕事の時ですね。『本番!』という声や、舞台の開演ブザー音を聞くと、グッとスイッチが入るんです。「よし、やるぞ!」と自分自身で気合を入れて、演じるための集中スイッチを押すという感じなんですよね。意識的に集中力を高めないと、どうしても人って気持ちがどこか散漫になっちゃうじゃないですか」
――天海さんは常にビシッとされているイメージが強いので、スイッチが完全に切れている状態が想像できなかったりするんですが…。
「こういう顔だから、そう見えるだけですよ(笑)。私もスイッチが完全に切れると、ダラ~ッとしてますから! でも、世間の皆さんにはそう見えているのであれば、ぜひそのままのイメージで見続けていただきたいです(笑)! 私自身、公の場でダラダラしているところを見せるべきではないと思いますしね。なので、完全オフの時の私が具体的にどんな感じなのかは…秘密ということで(笑)」
――(笑)。では、天海さん流の切り替えのコツを教えてください。世の中には仕事とプライベートの切り替えなどがうまくできなくて、悩んでいる方もいらっしゃいますので…。
「私はこういった特殊なお仕事をさせていただいているので、皆さんの参考になるかどうかは分かりませんが、気持ちの切り替えというのは本人の心持ち次第だと思うんです。仕事で悩み事を抱え、プライベートでもその感情を引きずることもあるかと思いますけど、一人で悩んで解決できることと、他者が絡む人間関係のように一人では解決できないことがあると思うんですよ。ですから、まずはそこをちゃんと見極めて、悩むべきことはとことん悩む! 悩んでも仕方ないことはスッパリ割り切る! 冷静に自分がどうしたいか、どうすべきか考えた上で、実際に行動に移し、一歩を踏み出していくことが大事なんじゃないかな、と思いますね」
――なるほど…。参考になります。
「ただ、私は個人的に、プライベートの時間でも仕事のことを考えることは、決して悪いことじゃないと思いますよ。私も『明日は全然仕事がなくてラッキー!』という時以外は、家でもいつも仕事のことを考えてますから。休みの日でも、次の作品の台本がすでに手元にあれば読み始めてしまいますし、調べたいことが出てきたら調べるし、作品にまつわる経験を実際にしたくなれば、足を運んで体験しますし。だからといって、それがダメだと思ったことはないんですよね」
取調室のシーンはすごく楽しく、役者冥利に尽きる時間!
――最後に、天海さんが現在全力を注いでらっしゃる『緊急取調室』を楽しみにしてらっしゃる方々に、メッセージをお願いします。
「今回とても楽しい現場作りができていて、毎回来てくださるゲストの方々も、キントリ・メンバーを演じられる百戦錬磨のオジサマたちも楽しんで演じてくださっているんですよ。私もこれまで刑事役を何度かやらせていただきましたが、最後に被疑者を捕まえて終わる通常の刑事モノと違い、今回は捕まえてからの話。被疑者がなぜ犯行に及んだのか、その犯行の裏にある真実を聞き出していく物語なので、1シチュエーションですごく濃密な時間が流れるんです!」
――物語も然ることながら、芝居合戦も濃密ですよね。
「今回は取調室という限られた空間の中に座り、真正面から被疑者役を演じられる役者さんたちと対峙してのお芝居。大きな体の動きや目線の向きの変化で間を持たせるということがなかなかできないので、演技自体もお互いの出方を見極めて綱を引っ張り合いながら、即興芝居に近い状態で駆け引きをしている感じなんです。やっていて、すごくスリルがありますよ! その時の自分がさらけ出されるから、みんな戦々恐々としていますし、自分の至らなさを感じることもありますが、同時にそれがすごく楽しく、役者冥利に尽きる時間でもあるんですよね。その緊張感や熱を皆さんにも感じていただければいいな、と思います。ただし…番組をご覧になる際には、私が今お話ししたことは一度忘れてください(笑)。面白いと感じる要素は人によって千差万別だと思いますし、私がお話ししたことが先入観となって、せっかく皆さんがお持ちになられている感性の幅を狭めてしまうことほど、残念なことはありませんから! 皆さんには、純粋にこのドラマを楽しんでいただきたいです!!」
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