ストーリー

1月7日(日)放送

43覇王の大罪

東映特撮ファンクラブでこの話を視聴する

 ついに宇蟲王ダグデドを倒して命も助かったものの、大罪人として裁判を受けることになったラクレス(矢野聖人)。彼は、被告人席で「人類の絶望の歴史」を語り始めた…。
 ――シュゴッダム王家は2000年にわたってダグデドに仕えていたが、忠実なフリをしながらひそかに反撃の時を待っていた。反撃のきっかけを作ったのは、先代の国王コーサス(中村獅童)だ。「この先、未来永劫、ダグデド様と宇宙のお片付けを共にするため、『滅びの力』を賜りたい」という彼の一言で、ダグデドは一瞬にしてコーサスの妻にギラ(酒井大成)を身ごもらせた。
 それから月日が経ち、幼いラクレスは父コーサスの指示でギラにあるものを食べさせた。それは、ギラの幼少期の記憶に残っている「レインボージュルリラ」。おいしそうなゼリーのような見た目だが、実は中身はゴッドクワガタのシュゴッドソウルだった。コーサスいわく、「昆虫生命体の命を身体に取り込むことで、より昆虫に近づいている。あといくつか食べさせたら、記憶を失って人であることすら忘れて従順になる」という。彼はラクレスに、滅びの力を持つギラを使ってダグデドを倒せというのだ。感情を押し殺して「ギラは宇蟲王を倒すための道具」だと言い放つコーサスと、シュゴッダム王家の悲しい運命に、ラクレスは戸惑い、葛藤した…。
 やがて、反逆の意志を見抜かれたコーサスは壮絶な戦いの末に宇蟲五道化に倒され、ダグデドは人類への見せしめとして「神の怒り」事件を起こした。この時に多くの民を見殺しにするしかなかったラクレスは、絶望しながらも亡き父と同じく覚悟を決めて邪悪に身を堕とした。これが、「シュゴッダム史上最悪の王ラクレス」が誕生した瞬間だった――。
 宇宙を救うための大義とはいえ、自らの意志で多くの民を犠牲にしたラクレス。これまでの自分の行為について、彼は「正当化されるようなことは未来永劫あってはならない」とし、被告人席で自分が語った記録を消してほしいと願った。そんな彼に下された判決は死罪…。だが、王様たちはラクレスに「王様戦隊の道具として生きろ」と求めた。
 その理由は、王様たちの私情だけでなく、ダグデドがまさかの復活を遂げたからだ。王様たちの想いをくみ取ったラクレスは、「私は戦う。この命、民を救うために捧げる」と決意。そして、「王は国民全員を守る。国民は手の届く大切な人達を守る」という幼い頃の夢を今こそかなえようと再び立ち上がった。
 こうして、ようやくギラの想いがラクレスに届き、幼い頃のように手を取り合えたハスティー兄弟。彼ら王様戦隊が、復活したダグデドを倒す新たな戦いに挑むのはまた次のお話…。

脚本:高野水登
監督:茶谷和行
アクション監督:渡辺 淳
特撮監督:佛田 洋(特撮研究所)