ストーリー

11月19日(日)放送

37イロキの乱

東映特撮ファンクラブでこの話を視聴する

 宇蟲五道化に支配された5王国を取り戻すべく、次はトウフの奪還に向けてカグラギ(佳久創)が動き出した。現在のトウフの玉座に座るのは、17年前に死んだはずの前王殿イロキ(雛形あきこ)。グローディ(天野浩成)の能力でよみがえったのだ。トウフから各国に食糧が届かず、他の国では王様も民もみんな腹ペコ状態だ。
 ――今から17年前…カグラギはただの農民で、生前のイロキは民に誠実な王様だった。カグラギは、自分が作ったおいしい米をイロキに認められ、さらには馬鹿正直な性格を気に入られて「私のもとで王殿を学ぶのだ」と城へ通うように命じられた。しかし、イロキは同じ年に起きた事件「神の怒り」で変わってしまった。大混乱の中で彼女は、食糧を独占して多くの民を飢えさせたのだ。ある晩に、トウフの民たちが城から食糧を奪い返そうと決意する中、誰も傷つけたくないカグラギは1人でイロキを説得することに。火に包まれた城から帰ってきた彼の手は、イロキの血に染まっていた。これが、「王殿カグラギ」が誕生した瞬間だった――。
 因縁のイロキと17年ぶりに対峙したカグラギ。神妙な面持ちの彼に、イロキは「玉座を返してほしければ、あの時のように私を殺せばよいではないか」と笑ったが、彼女たちの過去には「ある真実」が秘められていた。17年前、実は何者かによってトウフの米に毒が混入していたのだ。毒入りの米のウワサが他国に広まれば、トウフの信用は落ちてしまう。イロキは、国の名誉と民の未来を守るために悪者を演じて食糧を独占し、王様の座をカグラギに譲ったのだ。カグラギは、彼女のその覚悟を裏切ったのだった…。
 ところで、トウフの米に毒を混入したのは誰か? それは、神の怒りを起こした張本人でもあるグローディだった! グローディは、同じ作戦で毒入り米をギラ(酒井大成)たちに食べさせようとし、さらには怪人化して圧倒的な力で攻撃! しかし、過去に決着をつけたカグラギの登場によって退散していった。そしてイロキは、カグラギの覚悟を認めたように微笑み、灰になって消えていった…。
 過去と向き合ってトウフを取り戻し、「この先は最も汚れた道を行く」と決意したカグラギ。イシャバーナとトウフを奪還した王様たちが、次に向かうのはゴッカンだ。王様たちが国を取り戻そうとするも、とんでもないことに巻き込まれてしまうのは、また次のお話…。

脚本:高野水登
監督:上堀内佳寿也
アクション監督:渡辺 淳
特撮監督:佛田 洋(特撮研究所)