ストーリー

10月29日(日)放送

35泣くなスカポンタヌキ

東映特撮ファンクラブでこの話を視聴する

 王様たちがチキューを離れている間に、5王国は宇蟲五道化たちに支配されていた! 自分の国を取り戻すべく、王様たちはそれぞれ動き出すことに。王様たちが最優先したのは、チキューの情報の要であるンコソパだ。ヒルビルの洗脳の力でンコソパ国民のほとんどが支配されたが、シオカラ(千綿勇平)は耳栓のおかげで奇跡的に無事だった。彼の情報によると、ヒルビルの狙いはヤンマ(渡辺碧斗)が持つ「テッペンコンピュータ」。ンコソパの全システムを司るこのコンピュータを破壊して、国を完全に支配することが目的のようだ。
 ヤンマがテッペンコンピュータを使って国民たちを助けてヒルビルを確実に追い詰め、彼をシオカラがサポートする中で、2人は自分たちの出会いを思い出した。――彼らが出会った数年前、当時の王様はどこかへ逃げてンコソパは崩壊していた。その時まだ何者でもなかったヤンマは、みすぼらしい姿でパソコンを操作する日々を送り、シオカラたちは闇組織の一員として国中に偽札をバラまいていた。偽札鑑定機を作って国民に配りまくったヤンマは、やがてシオカラたち闇組織に目を付けられて制裁を受けることに。激しい暴力を受けたヤンマだったが、己の信念は決して曲げなかった。この出来事をきっかけに、「彼はこの国を変えてくれる気がする」とシオカラたちはヤンマの漢気に惚れて、一生ついていくことに決めた――。
 そんな過去を持つヤンマとシオカラは、ヒルビルによって窮地に追い込まれた。耳栓をうっかり外したシオカラは、ヒルビルにヤンマのパソコンを破壊するように命じられてしまったのだ。とっさに嘘発見器を装着したシオカラは、電撃を受けて命令に抵抗するが、このまま電撃を浴び続ければ彼は死んでしまう…。一方で、駆け付けたギラ(酒井大成)たちはヒルビルに洗脳される恐れがあるために近づけない…。犠牲になろうと覚悟を決めたシオカラを救ったのは、彼の洗脳を解くために自分のパソコンを破壊したヤンマだった。ヤンマは、最終的に「国」よりも「仲間の命」を選んだのだ。
 洗脳が解けて目が覚めたシオカラは、国よりも自分の命を選んだヤンマに怒りをぶつけたが、やがて泣きながら「ごめん」と「ありがとう」を交互に繰り返した。シオカラの悲痛な泣き声も、ヤンマの「泣くなスカポンタヌキ」「ゼロから始めるんだよ」という声も、今はただ荒れ果てたンコソパの街の中に吸い込まれるだけ…。王様たちは、奪還に失敗したンコソパだけでなく、他の国も取り戻せるのか? 王座を奪われた王様たちの逆襲は、まだ始まったばかり…。

脚本:高野水登
監督:加藤弘之
アクション監督:渡辺 淳
特撮監督:佛田 洋(特撮研究所)