第11話2016年2月4日

 京都市内の路地で、元そろばん塾講師・高梨翠(根岸季衣)の遺体が発見された。遺留品の中には財布がなく、友人らしき女性と写った写真と、自らの最期に備えて希望を書き留めた“エンディングノート”が残されていた。ノートには“やりたいことリスト”というページがあり、「ナンバーワンホストに女王様扱いしてもらう」「カメラマンに写真を撮ってもらう」「英語をマスターする」など“死ぬまでにやりたいこと”がさまざま記されており、すでに達成した項目にはチェックがつけられていた。
 榊マリコ(沢口靖子)らによる検視の結果、死因は頭部に衝撃を受けたことによる急性硬膜外血腫で、傷を負って倒れるまで2~3時間あったとわかる。また、毛髪に階段用の滑り止めテープの一部が付着していたことから、翠はどこかの階段で何者かに突き飛ばされて財布を奪われた後、遺体発見現場の路地まで移動し、死亡したものと考えられた。
 翠はこのところ“終活セミナー”に通っていたらしく、写真の女性は同じセミナーに通う、料亭の女将・佐藤ふみ子(音無美紀子)だとわかる。ふみ子は将来、翠の判断能力があやうくなったときに財産の管理を任される“任意後見人”も引き受けていた。たしかに翠は独身で子どももいないが、弟・茂之(松澤一之)は健在で、半年前にセミナーで出会ったばかりのふみ子に全財産を預けるというのは不可解だった。ふみ子に聞くと、翠は強引なタイプで、任意後見人も無理やり頼まれたのだと話す。
 そんな中、“やりたいことリスト”の中の「勇気を出してみる」という文字だけ、筆跡が違うことに気づいたマリコたち。鑑定したところ、ふみ子が書いたものとわかるが、ふみ子は「思い出せない」とはぐらかすばかり。
 その矢先、衝撃の事実が浮上する――! 翠は、ふみ子の亡き夫がかつてつきあっていた相手だったのだ。ふみ子は探偵を雇って翠の所在を突き止め、偶然を装って彼女に接近したらしい。土門刑事(内藤剛志)はふみ子の犯行を怪しむが、マリコは“やりたいことリスト”の中に事件の謎を解く鍵が隠されていると考え、翠が生前“やりたいこと”を実行した際の足跡をたどっていくが…!?

バックナンバー