第7話-2014年11月27日-

 かつて榊マリコ(沢口靖子)や土門刑事(内藤剛志)が放火事件を解決した寺院で、重要文化財の本尊(仏像)が盗まれるという事件が起きた。
 マリコたち科捜研のメンバーは、現場に残された証拠を分析。厨子(仏像等を安置する仏具)のそばに落ちていた毛は人間のものではなく、近年、鴨川で繁殖し京都でも問題になっている特定外来生物“ヌートリア”のものとわかる。また、犯人のものらしき下足痕からは、トウガラシと山椒の粉末、パウダーシュガー、硝酸カリウム、草木灰などが検出された。そのちぐはぐな付着物に、一同は犯人はいったいどういう人物なのかと首をひねるが、近隣住民の蔵前元宏(佐藤蛾次郎)らは、“桜木”という男が怪しいと訴える。彼は1週間ほど前、突然、寺に現れ、住職の泉川祥英(佐川満男)に「寺で働かせてほしい」と頼んできた謎の人物らしい。
 そんなとき、その“桜木”が警察署に現れた…! 彼は、矢口秀一郎(賀集利樹)と名乗り、妻の朋子(桜田聖子)が提出した捜索願いを取り下げるため、署を訪れたと話す。矢口は1週間前の朝、会社に行くためいつもと同じバスに乗り、窓の外をぼんやり眺めていたことまでは覚えているが、その後、記憶を失い、気づいたときには京都の“映画村”で忍者ショーを見ていたと打ち明ける。記憶を喪失している間に、自分が重要文化財の仏像を盗んだのか…!? 矢口は嘘とも、本当ともとれる発言を口にした。
 医師によると、矢口の脳に異常は見られなかったが、“解離性遁走”と診断された。解離性遁走とは、それまで普通に生活していた人物が、過去の記憶を失った状態で何日間も放浪することだという。ある日突然、記憶を取り戻し、帰ってくるケースもあるが、矢口の場合は過去を思い出すのと同時に、放浪中の1週間の出来事をすべて忘れてしまったようだ。
 マリコたちが脳指紋検査などの科学の力で矢口の“失われた1週間”の足取りを辿っていくと、そこには思いもよらぬ展開が…?

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