おさらい講座REVIEW

2022/7/5(火)放送

頼朝ミステリー 今も役立つ!鎌倉殿のスゴさがわかる奇跡の42日間


  • 本郷和人先生(東京大学史料編纂所)

石橋山の戦いで惨敗した後、わずか7人で真鶴から安房国へと海を渡った頼朝。 安房国は源氏の領地だったこともあり、父・義朝に恩義を感じる武士が多く、幼馴染の安西景益の呼びかけで300の兵が集まった! 安房国は再起を図るのに最適な場所だった!

父・義朝の家臣であり盟友、下総国の千葉常胤に対して、頼朝は「あなたを父と思う」と、この上ない言葉を贈った。その後、千葉は300の兵を率いて合流した。

2万の兵力を持つ上総広常を味方につけたい頼朝だったが、何日も待たせようやく現れた上総に対して「遅いぞ、そんな奴は戦では使えん…帰れ!」と一喝した! この一言で上総は「頼朝は俺たちの大将にふさわしい」と認め、仲間に加わった。

頼朝は、舟を並べて「浮橋」と呼ばれる橋を架けることで、2万超えの軍勢を一気に渡らせ、隅田川を攻略した。石橋山の戦いでは敵だった江戸重長の降伏を受け入れ、さらには役職を与えて厚遇することで、南関東の多くの武士を味方につけた。

3万の兵力となったものの寄せ集め軍団であったため、父・義朝の代から信仰していた浅草寺に参詣することで「父の敵討ち」という目的を明確にし、兵士たちの意思統一をした。 この奇跡の42日間を経て、わずか7人から5万人まで軍勢を増やした頼朝は、鎌倉入りし、平家討伐を成し遂げた。