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特集

2018年10月30日

台風で機能停止…関空混乱の裏側で何が

台風で機能停止…関空混乱の裏側で何が

先月4日、日本を襲った台風21号により、関西空港は滑走路が水没し、完全に機能を失った。さらに、連絡橋にはタンカーが衝突し、空港は海の上で孤立した。運営会社の「関西エアポート」は当初、取り残された人数を3000人と発表したが、実際には、その3倍近くの8000人がいたことが明らかになった。台風が過ぎた翌日、島から脱出できない人たちが長い列を作った。バスと船で輸送を続けても行列は途切れず、全員が空港を出たときは深夜11時を回っていた。巨大空港で一体、何が起きたのか。平石アナウンサーが取材した。
関西エアポートは3年前、日本とフランスの企業が40%ずつ出資して発足し、“空港の民営化”のモデルケースとして注目された。免税店の拡大をはじめ、民間ならではの工夫でにぎわいは増し、旅客数も過去最高を記録するなど、業績は好調だった。しかし、台風当日、現場にいた航空会社社員は「今回、関空は災害とか有事のときの態勢は弱いと感じた」と指摘する。混乱に拍車をかけたのは、運営会社が見過ごしていた空港のある弱点だった。空港へ電気を供給する“電気室”は、実は建物の地下にある。今回、地上から流れ込んできた海水で、深さ90センチまで浸水し、ターミナルの大部分が停電した。館内放送をする設備も同じく地下にあり、利用客へのアナウンスが一切できなくなった。国内には海上空港が5つあるが、電気室が地下にあるのは関西空港だけ。今月3日、会見を行った関西エアポートの山谷佳之社長は「運営権を引き継いだときに地下の部分は、私自身がくまなく歩き、技術の人に説明を求めた部分ではあった。“台風に対して甘かった”ということになると思うが、地下の浸水に関してはチェックしたものの、それ以上、頭が働かなかった」と釈明した。関西空港は、年々、地盤沈下が進んでいて、今後は護岸のかさ上げなど、より抜本的な対策が必要だといわれている。しかし、関西エアポートの社員は「華やかな免税店を広げるとか、収益の高いところに投資を短期的にして成績を上げたい…中長期の投資を経営陣に任せることは現実的にちょっと難しいのではないかと思う」と安全への十分な投資がされるのか懸念を口にした。
そもそも今回の台風21号は、上陸前から25年ぶりの強さと警告されていた。それにもかかわらず、社長、副社長はともに関西を離れ、危機管理の司令塔は不在だった。

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