例1
神奈川県横浜市保土ヶ谷区「まちのメディア研究会」
このセミナーは、市民自らが主催。
メディアリテラシーについて「一般市民レベルで学びたい」このことを目的に始まった集まりです。
参加者は、20代から70代までの幅広い世代が28人。
主婦や学生、大学教授まで・・・職業・立場・・・等様々な人達が集まっています。
月に1〜2回の割合で集まり、「メディア」について様々な形で考えていく予定。
第1回目は、幾つかのグループに分かれ、
「マスメディアと私たち」〜これからの情報社会を生き抜く為に〜
と題して話し合い、発表。
内容は、主に「テレビについて」。
日頃、あまり聞くことのない他人の「テレビについて」の考えを聞く機会になった。
〈スタジオ〉
テレビの情報に対して、はじめは「受容する能力」に長けているので、厳しい批判が行われます。
このようなことを重ねていくことも「メディアリテラシー」ということの一つです。
そして、表現・情報について感じたことを話し合う次の段階として「自分達で作ってみる」という作業も体験してみると、より深く「メディア」に関わり、理解に繋がることになります。
(水越氏 談)
例2
愛知県および名古屋市主催の「ビデオ制作講座」
自分達のビデオカメラを持ち、22名が参加。
街に出て、実際に撮影を体験する。
ボランティアの講師(元プロカメラマン)から具体的な指導を受ける。
撮影後は、撮った映像をみんなで見る。
その時、更に具体的なアドバイスを受け、意見の交換などをする。
編集作業についても学ぶ。
パソコンを使っての作業処理や編集による演出などを体験する。
このような工程で出来た作品が、地元ケーブルテレビなどで放送される機会も増えてきた。
例3
熊本朝日放送の住民ディレクター制作番組「新発見伝 くまもと」
全国初の試み「市民が作る・市民の番組」。
「住民ディレクター」と称する一般の市民達が、制作する番組。
制作だけでなく、出演やナレーションまでこなし、地元に密着した情報を伝えている。
「住民ディレクター」の職業はさまざま・・・。
制作会議・取材先の交渉・撮影・編集をグループでこなす。
機材・編集ブースの貸し出しやテロップ付けなどの専門的な作業については、熊本朝日放送が、全面的に手伝っている。
このことにより、視聴者にとってはメディアがより身近なものになり、一方、テレビ制作者にとっては、気づかない「生の声」を聞くことができるというメリットもある。
町おこしの一環にもなっている。
〈スタジオ〉
住民ディレクターを通して、「住民」と「メディア」が、より一層関係を深めることができているとても良い例ではないだろうか。
テレビを見て「批判する」という行為は、必ず必要なことである。
しかし、それだけで留まるのではなく、「自分でも表現してみる」ことによって、送り手側の考え方を理解できる。
改めて、「情報の受容」という行為があってもいいのではないかと思ます。
「情報の送り手側」から「受け手側」、またその逆へ、双方向へ循環することが大切なことだと考えます。
ここが、メディアリテラシーで重要な点であり、互いに「キャッチボール」をしている形が理想。
その為には、テレビ局側も変わるべき点があり、努力が必要だと思う。
(水越氏 談)