1月21日

現在「表現の自由」に関わる法制化の動きが出ています。
今回は、この「新しい法案とその問題点」についての話を伺いました。


 司会 佐藤紀子アナウンサー
武内絵美アナウンサー
今村千秋コメンテーター
 ゲスト  服部孝章 (立教大学社会学部教授)

現在、国会では、下記の3つについての法制化が進められています。

 【1】「青少年社会環境対策基本法」
    
自民党案 / 民主党案

 【2】「個人情報保護基本法」

 【3】「人権救済機関の設置」


【1】「青少年社会環境対策基本法」  自民党案 / 民主党案
青少年に悪い影響を与える暴力表現や性的表現から青少年を守る目的で作られようとしている法律。

 問 題 点 
  1. 「定義」の曖昧さ・・・阻害するおそれのある社会環境とは何かあいまい。判断基準のあいまいさ。
  2. 行政による独裁的裁量。・・・一方的判断により反論のチャンスを与えられないおそれがある。
  3. 首相と都道府県知事の権限。・・・言論・表現の自由に安易に介入を許しかねない。
  4. 環境浄化運動。・・・メディアに関わらず、学校教育にも関わってくる可能性がある。
・・・・・・など


【2】「個人情報保護基本法」
高度情報社会のなかで個人情報を保護する目的でつくられようとしている法律。

 問 題 点 
  1. 公的部門以上に民間部門への適応の重視。
  2. 報道機関の取材への影響。・・・不当な干渉、事前検閲などを招くおそれ。取材源の秘匿と抵触。
    公人性の強い人物の情報は、どこまで保護の対象となるのか・・・
・・・・・・など


【3】「人権救済機関の設置」法案
差別、虐待、そして公権力やマスメディアによる人権侵害から救済する機関を設置し ようとする法案。
政府から独立した機関、強制調査権を持つ機関を設置しようとする法案。

 問 題 点 
  1. 救済機関の独立性が保てるか。
  2. 強制調査権がある。
  3. 報道機関等の自主的取り組みを反故。
・・・・・・など


実はこの法案は多くの問題を含んでいます。
「市民の権利」「マスメディアの権利」・・・ほか、まだまだ話し合いの必要があると考える。

今回の法案について、「テレビ朝日」は「テレビ業界全体」の問題としてとらえ、全国の民間放送局で作る「日本民間放送連盟」として結束をして問題点を指摘、反対表明を行った。
その要旨は、現在、「青少年の知識や理解力を高める番組」を週3時間以上放送する事や「児童・青少年に配慮した時間帯の設定」などの対応。
視聴者からの意見や苦情を受け付ける第三機関「放送と青少年に関する委員会」や、第三機関「放送と人権等権利に関する委員会」(BRC)等を設置、放送による人権侵害から救済する役割を十分にはたしている。
この法案の内容は、これらの自主的活動やBRCの存在を無視したものである。
制作側の「表現の自由」の裏には、作り手の「表現の責任」があるという事を充分に踏まえた上で取材活動や制作を行っていくことが必要。このことは、今後も課題とし、積極的に取り組んでいくべきことだと考える。

「表現の自由」「報道の自由」が侵されるのでないかという心配とともに「国民の知る権利」が失われることも非常に大きな問題である。

 ・テレビ朝日 会社情報

この件についてのご意見をお待ちしています。

〒106−8001
テレビ朝日
「はいテレビ朝日」ご意見募集 係

hai@tv-asahi.co.jp