1964(昭和39年)年の第1回贈賞式以来、半世紀以上の歴史を持つ民間の放送賞「ギャラクシー賞」。今年の6月2日、その第52回贈賞式が行われました。贈賞式のもようを紹介するともに、「ギャラクシー賞」の歴史を振り返ります。
ギャラクシー賞は、「放送番組の低俗化」批判をきっかけとして創設され、放送文化の向上と良質な番組を作る制作者に力を与えてきました。主催するのは放送評論家、ジャーナリスト、メディア研究者などを会員とするNPO法人の放送批評懇談会。番組が放送された時点の時代感覚をとらえ、作品性だけに寄りかからないジャーナリスティックな批評活動をもとに各賞を選んできました。他のコンクール的な放送賞と異なり、合評会を開き主体的に「月間賞」としてジャンルを問わず良い番組に光を当てていることも、ギャラクシー賞の大きな特徴です。
その記念すべき第1回は、昭和38年度に放送された番組の中から、部門別に3番組にギャラクシー賞が贈られました。中でも「忘れられた皇軍」(日本テレビ 制作/牛山純一 演出/大島渚ほか)は、従来のドキュメンタリー番組を超えた強烈な表現力で高く評価されました。
部門別が廃止された第4回(昭和41年度)には、後に世界一長寿のクラシック音楽番組としてギネスブックに認定される「題名のない音楽会」(NET=現テレビ朝日)などが受賞。また、番組だけでなく向田邦子、倉本聰、山田太一などの脚本家や、大山勝美(TBS)ほかの演出家など、放送界で活躍した個人にもギャラクシー賞は贈られてきました。
こうしたギャラクシー賞の歴史を振り返りながら、スタジオでは受賞した作品の年代それぞれの時代背景や当時の世相とテレビの関係などについて、ギャラクシー賞選奨委員長を務めたこともあるベテラン放送評論家・松尾羊一さん(今回、ギャラクシー賞「志賀信夫賞」を受賞)に、お話をお伺いします。