● ● ● ● 10月19日 ● ● ● ●

司会 吉澤 一彦 (テレビ朝日アナウンサー)
本間 智恵 (テレビ朝日アナウンサー)
ゲスト 船津浩一(編成制作局 制作2部 プロデューサー)

【放送内容】 「ドラマ制作の舞台裏」
愛する家族を守るために、一度は引退した夜の世界に戻る伝説のホストが、
癒しの風を吹きこむ。異色のホストドラマが、10月、登場しました。
連続ドラマ初主演の佐々木蔵之介が挑む、中年、妻子持ち、癒しのホストという
新しいキャラクターに、現場も活気に溢れ、撮影快調。
今回はドラマ「ギラギラ」(金曜よる9時放送)の制作現場に密着しました。



スタジオ1

吉澤)
さっそくですが「ギラギラ」どんなドラマでしょうか?

船津P)
同名の人気コミックが原作で、ホストクラブを舞台にしたドラマです。
主人公が10年前の伝説のホストという設定です。
しかし今は奥さん、子どもがいる普通のサラリーマン、
昔ホストだったとはみじんも感じさせない、良いお父さんなのです。
しかし、ある日突然会社からリストラされて、奥さんと子どもを守るために
もう一度夜の世界へ舞い戻るという、非常に人間ドラマが面白い話になっています。

吉澤)
プロデューサーというのは、ドラマの場合、どんな役割を担っていますか?

村川監督)
ドラマプロデューサーの仕事は企画を決めて、
企画にあった脚本家を決めて台本を作っていきキャスティング作業に取りかかる、
まずドラマの大枠を作っていくのがプロデューサーの仕事です。



VTR1

オンエアまで2ヶ月を切った8月下旬、美術、制作、技術など主要なスタッフが集まり
出来たばかりの第1話の「準備稿」をもとに、セットや衣装など“ドラマの美術”を
中心とする打ち合わせが行われました。
まず、この作品がドラマ演出初チーフとなる高橋伸之ディレクターから、
ドラマの舞台となるホストクラブ「リンク」のイメージが説明されます。
高橋ディレクターのイメージは「シックで派手」、美術デザイナーはその演出イメージにどう応えるのでしょうか。
実際のお店を下見したり、写真などを元に、監督のイメージを、より具体的にしていきます。
まずセット図面を元に、セット模型が作られます。
メインフロアの正面はステージ、フロアのすみにはビリヤード台を置き、
さらにVIPルームまであります。こうして、出来上がった実際のセット。
シックにしてゴージャス。六本木の人気ホストクラブがスタジオに完成しました。

撮影開始3日前。出演者、スタッフ勢揃いしての顔合わせです。
満を持しての連続ドラマ初主演、伝説のホスト七瀬公平役、佐々木蔵之介さんの、挨拶から始まりました。
「リンク」のオーナー有希役に真矢(まや)みきさん。新人ホスト役に三浦翔平さん、
公平のライバルホスト・イーグル役に五十嵐隼士(いがらししゅんじ)さん、
その他多彩なキャストが揃いました。そして、台本の読み合わせ。早くも盛り上がり、皆の期待が高まります。
その4日前、リハーサル室にて、レギュラーホスト13人分の衣装合せが行われました。
この場で、演出の高橋ディレクターから、それぞれの役のイメージについて、説明がありました。
そのイメージを元に、衣裳が決められていきます。 「スーツはホストの戦闘服」役柄と衣装が合っているか、
高橋ディレクターが一人一人チェックして行きます。
衣裳も決まり、イケメンホスト軍団誕生です。
撮影当日、控え室は大騒ぎ。ドラマ冒頭のシャンパンコールの稽古です。
女性客が、贔屓(ひいき)のホストにシャンパンをプレゼントするときのホストクラブならではのイベント。
実は、このドラマには現役人気ホスト、頼朝さんが監修として参加。
出演者は皆、ホスト役は初めての経験。ぎこちない接客の演技を見て、
「ホストは、必ずお客さんを見つめて下さい」などと細かく指導していきます。
演出サイドのイメージを受けて、頼朝さんがアドバイスやアイディアを加え、
ホストたちの動きが形になっていきました。



スタジオ2

本間)
ホストさんたちのオーラがすごいですね。

吉澤)
どうですか?俳優陣のホストぶりは?

船津P)
最初は、ややとまどっていましたね。
しかし、役柄も決まり、衣裳をまとって撮影していくうちにだんだんと
ホストらしくなっていきましたね。

本間)
皆さんで、ホストクラブへ見学に行かれたそうですが?

船津P)
ディレクターも佐々木さんもホストクラブへは行ったことなかったんですよ。
そこで一度見学をしに、行ってきました。
ホストの方のトークが達者で、サービス精神旺盛もだったので、
「もう一度行きたいね」というくらい、男性でも十分楽しめる場所でした。



VTR2

第1話のファーストシーン。まさにこれから、シャンパンコールが始まり、
盛り上がろうとする「リンク」の店内。
高橋ディレクターは、このシーンに、ある想いをこめました。
高橋ディレクターの狙いは、店内の様子を、カメラが動きまわり、
出演者の動きや、芝居をワンカットで一気に見せようというもの。
出演者、カメラマン、全ての息が揃わないと完成しません。
ドライリハーサルで演出内容を確認し、各スタッフはそれぞれプランを直し始めました。
音声さんは、セリフのある出演者用にワイヤレスマイクを7本も用意しました。
天井やテーブルの上など、カメラに映らない部分には、歓声を拾うマイクを、仕込み、
盛り上がる店内の臨場感をねらいます。

照明スタッフも苦労していました。
カメラが自由に動きまわるため、万遍なく明かりを当てながら、しかし、
夜の店の雰囲気は壊わさないようにしなければならないからです。

シャンパンタワーを作るシャンパングラスの積み方にも一工夫。
美術スタッフは撮影前、実際にシャンパンがきれいに流れるよう、
積み方を試したそうです。
このために用意したグラスは、150個。

セットの傍らで、カメラマンが準備中。
ぶれない映像を撮るための特別なカメラシステムを使い、一気に撮り切ろうというのです。
その動きは、まずカメラマンがクレーンに乗り、シャンパンタワーの真上から始まります。
カメラの移動につれて、見えてくるのは、フロアの全体とホストたち。

その後、カメラは店内を移動しますが、カメラの動きと出演者の演技、
その他、すべてが一致しなければ成立しない、難しい撮影です。
カメラの動きを見て、さらに動いたのは美術スタッフ。
VIPルームにかかる、すだれを天蚕糸(てぐす)で引いて、カメラの動きを止めない工夫です。
カメラリハーサル1回目。シャンパンの注ぎ具合とクレーンの動き出しが合わず、NG。
高橋ディレクターが、客をエスコートするホストの演技をもっとオーバーアクションで、と要求。
それを受けて、カメラマンも役者へ自分の動きを説明し、呼吸を合わせます。

本番が始まりました。
カメラが店内を移動するとカメラに映りこんでしまうため、スタッフも中に入れません。
撮影が終わった後に、チェックするのです。しかし…。
シャンパンの注ぎ方が勢いよすぎたようです。もう一度最初から。
撮影後、再びチェック。今度はオーケーが出ました。およそ6時間をかけて撮影した、
1分30秒のも及ぶシーン、出演者、スタッフ一丸となって撮ったファーストシーンです。



スタジオ3

吉澤)
6時間かけて1分30秒。でも最後はうまく行きましたね。

船津P)
第1話のファーストシーンですので、視聴者にはこのシーンで
ドラマの世界観を感じ取って欲しかったということもあって
時間をかけて撮りました。



VTR4

撮影2日目。この日から、主演の佐々木蔵之介さんが登場。
10年振りに、過去の職場「リンク」を訪ねるシーンの撮影です。
監修の頼朝さんからまずは、ホストの身のこなしアドバイス。
酒の注ぎ方はホストの基本。ボトルのラベルが、お客さんの方を向くように。
ライターの火は手元でつけて、両手で差し出す。なかなか大変!

この日、最初の撮影は、再び働きたいと何度も頭を下げる公平に、
ナンバーワンホストのイーグル(五十嵐隼士)が、過酷な条件を突きつけるというシーン。
ドライリハーサルが終わると、佐々木さんは、高橋ディレクターに相手役の心情を確認。
本番中、高橋ディレクターは、通称「サブ」と呼ばれる副調整室から、全体をコントロールします。
本番の合間に、登場人物野の心境と性格付けについて、
船津プロデューサーと高橋ディレクターが相談していました。
現場での話は、早速、脚本家との台本打ち合わせに生かされます。
連続ドラマの場合、撮影が始まるとディレクターは参加せずに、
プロデューサーと脚本家で、先行した台本作りが進められることも多いのです。
その場で、イーグルと公平の関係を、呼び方でどう表すか、疑問が脚本家へぶつけられます。
ストーリーの展開とそれぞれの役の心境の変化を見ながら、
台本を脚本家と詰めていくのは、プロデューサーの大事な役割の一つなのです。



スタジオ4

吉澤)
ドラマの元となる台本作りは、プロデュ―サーが中心となって
演出、脚本家と密に打ち合わせて、変えていったりするのですね。

船津P)
何回も何回も推敲しますね。 多い時は7稿、8稿までいったりすることもあります。
時間との兼ね合いもありますが、台本が勝負というところもありますから、
いかに面白い台本を作っていくかに力を入れています。
一回台本を作りましても。俳優さんが演じる段になって、俳優さん自身が
自分のキャラクターで読む時、「やはりここはこう言いたい」ということも
ありますので、そのあたりを修正していきながらの作業となります。

吉澤)
今日はどうもありがとうございました。







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