● ● ● ● 5月4日 ● ● ● ●

司会 吉澤 一彦 (テレビ朝日アナウンサー)
島本 真衣 (テレビ朝日アナウンサー)

【放送内容】
今回は「テレビ塾」や「出前授業」「tv asobi」などテレビ朝日が行っているメディアリテラシーの活動を中心にご紹介します。

VTR-1 テレビ塾「報道局映像センターの仕事」「アナウンサーの仕事」

「テレビ塾」は、18歳以上の方を対象に、テレビ番組は、どんな風に作られるのか、
テレビに関わる仕事はどんなものがあるのか。テレビの仕組みについて、
テレビ朝日の社員が講師となってご紹介しています。
これまで「ドラマが出来るまで」「バラエティが出来るまで」「美術の仕事」「技術の仕事」
などのテーマで、開催してきました。第10回テレビ塾は、「報道局映像センターの仕事」。
報道局映像センターは、ニュースを取材し、放送するまでの一連や、現場からの中継といった
技術的なパートを担っています。今回は、ニュースと同じように、実際に会場の様子を撮影し、
紹介するという実演も行いました。映像センターの中で、「映像取材部」は、
ニュース映像の撮影を担当する部署。通常の撮影の他、ヘリコプターによる空中撮影では、
機体に設置したカメラをリモコンで操作し撮影します。
そして時には現場から生中継でリポートをすることもあります。
実際の取材は、様々な困難が生じることが多く、最近の事件では、
「イージス艦が漁船と衝突」という知らせを受けて現場に急行したところ、
海上には船が意外にも多く、イージス艦を見つけることができないまま、
中継の依頼がきましたが、本番直前になって何とか発見することができました。

「映像編集部」は、撮影した映像の編集を担当。放送直前まで、ギリギリの作業が続きます。
会場では最近のニュース映像を見せながら事実であっても、編集次第で、
まったく違った内容として伝わってしまうことがあり、事実に基づき、
いかに正しく伝えるか、そこに編集の苦労があることを伝えました。

参加者からも、様々な質問が寄せられました。

 「映像センター」には女性スタッフはどのくらいいるの?

 女性スタッフも多少いるが、かなりハードな仕事なので男性スタッフが多い

 取材する際はどこまでが自由なのか?

 どこまで踏み込んで取材するかは、各テレビ局の「取材する上での規則」に基づいて
通常、行っている。危険が伴う可能性がある場合は、現場の状況を考えながら、
デスクと相談しつつ、かなり慎重に取材を進めている。


続いて、第9回テレビ塾「アナウンサーの仕事」です。

アナウンサー研修の様子や、仕事の苦労、エピソードをご紹介しました。
まず、アナウンサーの仕事といえば「ニュース原稿を読むこと」しかし放送中、
突然、新しいニュースが飛び込むことは日常茶飯事。そのとき、どう対応するか、
入社3年目の加藤泰平アナウンサーが下読みなしのぶっつけ本番で実演しました。
続いては、佐々木正洋アナウンサーが登場。ワイド!スクランブルの名物コーナー
「夕刊キャッチアップ」を会場で実演。さらに、コーナーが始まるときの
佐々木アナウンサーの決めポーズは実は水前寺清子さんが歌うときに行う
決めポーズからヒントを頂いたという秘密も紹介しました。

さて続いては、若手アナウンサーが勢ぞろい。新人アナウンサーなら誰でも
経験するという「新人アナウンサー研修」の様子をVTRで紹介しました。
研修は、2ヶ月近くあり、これが結構、辛いのです。それぞれ涙もののエピソードを披露。

○小川彩佳アナウンサー(入社2年目)のコメント
「研修の卒業間近のリポート実習で『入社試験を受ける女子大生が
ガチガチになりながらリポートしているみたいだ』と言われたのがとてもショックでした」

○前田有紀アナウンサー(入社5年目)のコメント

「寺崎アナウンサーが研修幹事となり、かなり厳しい研修を行っていたが、
研修の最後のときにケーキをおごっていただいたのがすごい感動しました」

ここで会場のお客さんからの質問コーナー。
 アナウンサーになって変わったことは?

 自分の時間が学生のときと比べると少なくなるので自分の時間を
すごく大事にするようになりました(加藤泰平アナウンサー 入社3年目)

 毎日がかなり不規則で木曜日は「やじうまプラス」の前半のMCを
担当していて夜中の12時30分に起きて深夜2時に出社しています
(小川彩佳アナウンサー 入社2年目)

 アナウンサーになって良かったことは?

 たまたま乗ったタクシーの運転手さんが「やじうまプラス」を
ずっと見てくださっている方で1年先輩の加藤アナウンサーも同じ番組の
コーナーを担当しているのですがその運転手さんが僕に
「お兄ちゃんが一番良いよ!」って言ってくれました(笑)
  (野上晋平アナウンサー 入社2年目)

 自分の母からは『あんたが一番うまい!』と言われました(笑)
(加藤泰平アナウンサー 入社3年目)

会場にお越しいただいたお客さんからは
「普段は絶対聞けない本音のお話も伺えて本当に参加した意義があった」
「初めて見た原稿でも噛まないで読んだりしていてそういうところも
アナウンサーにとって必要で大事なんだと思った」
「アナウンサーになるきっかけであるとかアナウンサーになって
こんなところが良かったよというお話を聞けてより親しみを持ったような気がします」
という感想をいただきました。


○松苗慎一郎 (アナウンス部長)のコメント 
「たくさんのお客さんが来てくださったということを本当に私は心からうれしく思いました。
それだけテレビ朝日のアナウンサーにみなさんが興味を持ってくれているということを
肌で実感できました」

次回の「テレビ塾」のお知らせ
第11回テレビ塾「テレビ局の営業の仕事~営業マンのすべて~」
日時   5月29日(木) 16時~17時30分予定(15時30分開場)
場所   テレビ朝日本社2F プレゼンルーム
応募対象   18歳以上(80名)
応募方法   FAX 03-3405-3772 第11回「テレビ塾」係
希望人数(2名まで)も明記してください
HP   http://www.tv-asahi.co.jp/hq/tour/index.html
締め切りは5月20日(火)申し込み多数の場合は抽選になります



VTR-2 ろっぽんプロジェクト 報告会

テレビ朝日が東京大学と行っている共働研究「ろっぽんプロジェクト」は、
情報・総合学習支援のために、テレビ朝日が実践している様々な
メディアリテラシーへの取り組みを客観的に分析・評価し、
新しいものへと発展させていくことを目的としたものです。
その第一回セミナーが開催されました。
その中で、テレビ朝日のお客様フロント部による活動報告が行われました。
最初に「「テレビ朝日本社館内見学」についての報告。生放送の見学など、
テレビ局を体感してもらうことを目的に、2003年からスタートしてこれまで1,354校、
およそ1万人以上が参加しました。
次に、学校に出かけて行う「出前授業」についての報告。
「ニュースができるまで」などをテーマに、テレビ朝日の社員が小学校から大学で
出前講義を行うもので、今年の3月までに285校、約2万5千人が参加しました。
続いて、「テレビ塾」についての報告。「テレビ塾」は2006年にスタート、
これまで10回を重ねました。
最後に「tv asobi」についての報告。
中継車に乗ったり「テレビの仕組み」を体験できる夏休みイベントとして、
昨年は、2万7千人が参加しました。そして最後はメディアリテラシー活動を
実践するパネリストによるディスカッションが行われました。


VTR-3 民放連メディアリテラシー実践プロジェクト 報告会

「民放連メディアリテラシー実践プロジェクト」は、
放送局のスタッフと地元の中高生がテレビ番組作りなどを通じて、
ともにメディアリテラシーを学びあうという企画です。
平成19年度は、北海道放送、山口放送、愛媛朝日テレビの3社が、
実践活動を行いました。まずは、開局50周年を迎える「北海道放送」の実践報告です。

●「北海道放送」の取り組み
実施期間  2007年7月26日~10月14日
参加者  中学生32人 局スタッフ3人 大学生サポーター4人
       学校関係者1人
番組テーマ「ふるさと 夕張」 6グループが3分間のミニ番組を制作
9月 局スタッフによる出前授業
10月 取材 編集 作品完成
11月 作品と制作風景を総括放送

○粥川暁さん(北海道放送 編成制作局 制作部)のコメント
「中高生に自由にやらせた結果、6番組中4番組がグルメ番組の企画が挙がってきた。
それを見たときにシャワーのように朝から晩まで降り注いでいる番組に子供たち自身が
身に染み付いてしまって実際、自分でテレビ番組を作ってみようとしたとき同じようなもの
を作りたくなってしまうのだな、と思うと自分たちが送り出しているテレビが今この形で
果たしていいのかと強く思った」

次は、「山口放送」の実践報告です。

●「山口放送」の取り組み
実施期間   2007年9月22日~12月15日
参加者  中学生9人 高校生2人 局スタッフ13人
  大学生サポーター 2人 施設関係者3人
番組テーマ「ふるさと」 3グループが3分間のミニ番組を制作
9月 6日  山口情報芸術センターの紹介CMを試作
9月24日  局内見学
10月     企画会議 取材 編集 作品完成
12月15日  合評会
12月21日  3グループの作品を放送

○徳永謙太郎(山口放送 テレビ制作部)さんのコメント
「地域密着型のローカル局としてはメディアリテラシーの取り組みは非常に
重要だと思います。通常の取材活動とは違う形で地域と触れ合えたのはものすごく
大きい財産だと思っていますし、『地域の子供たちとこういう活動をしていることは
すばらしいですね』という意見が予想以上に多かった。そういう意味では今後ローカル局で
このような取り組みをやっていくことは非常に有意義なことだなと思います」

最後は「愛媛朝日テレビ」の実践報告です。

●「愛媛朝日テレビ」の取り組み
愛媛朝日テレビでは報道制作局から営業業務部、総務部まで一大プロジェクトチームを結成し、
会社を上げて取り組みを行いました。

実施期間    2007年7月13日~9月29日
参加者     高校生18人 局スタッフ12人 
大学生サポーター7人 学校関係者 3人
番組テーマ   「四国遍路」 3グループが3分間のミニ番組を制作
8月6日       局内見学 局内紹介CM制作
8月7日~8日    お遍路体験合宿 企画コンテ制作
夏休み期間中     撮影 編集 作品完成
9月25日~27日  夕方のニュースで作品を放送
9月29日      合評会
11月27日      作品と制作風景を総括放送

○玉木健之(愛媛朝日テレビ報道制作局)さんのコメント
「最初は『メディアリテラシーって何なの?』という感じで『日々の仕事も多いのに
本業と違うことを無理やりやらなければいかんのもどうなのかな』という気持ちがあったが、
やっていくうちに面白かったことと高校生たちが変わっていくのと自分たち自身の
仕事のやり方を見直すきっかけになったことが良かった。
そして今回メディアリテラシーの取り組みを経験してみて、あらためて学校へ行って
「出前授業」をやってみたいとか、アナウンサーは高校をまわって
「アナウンサーの仕事」をいろいろ教えたい テレビ番組の作り方を教えたい
という声が社内から出てきている」

《第489回 放送番組審議会からの報告》
4月18日に開催されました第489回放送番組審議会で「サンデープロジェクト」について審議されました。
「サンデープロジェクト」は日曜午前10時から放送。1989年の放送開始から今年で20周年目を迎えた
歴史あるニュース情報番組です。

田原さんの番組といわれているが情報をきちんと調べて取り上げている点が非常に大きな魅力であるし、
取り上げるテーマもすばらしい。
「言論は大丈夫か」というシリーズは映像にしにくく、テレビ受けしないテーマだと思うが
あえてそれに勇敢にトライしている姿は非常にすばらしく評価できる。
田原さんが押し付け的に話をする。問題の本質に切り込むために発言を求めるのはいいとしても
自分が意思決定の責任者のようにして無理やり押し付けるというのは聞いていて違和感がある。
かつては非常に突込みが鋭かったし、突っ込む視点が市民の感覚でそこのベースは揺るがなかった。
最近、市民のスタンスで徹底的に聞くというところがぼやけてきて相手側にすり寄る感じがするし、
甘くなってきていると感じた。

番組では、テレビをご覧の皆さまからのお問い合わせ、ご要望をお待ちしています。
次回の放送は、5月18日(日)の予定です。