● ● ● ● 4月29日 ● ● ● ●

司会 吉澤 一彦 (テレビ朝日アナウンサー)
島本 真衣 (テレビ朝日アナウンサー)
ゲスト 地井 武男

【放送内容】

平日、朝の人気番組「ちい散歩」の収録スタジオを訪ねて散歩人の地井武男さんに
「ちい散歩」の魅力についていろいろお話を伺います。

※ちい散歩 平日あさ9時55分から放送。
散歩人の地井武男さんが町を散歩する番組。人や動物、木や花などとの出会い、裏路地散歩、
地井さんが描く毎回印象に残った人や物の絵が評判になっている。


● 地井武男さんの話

「基本的に散歩は路地裏が好き。猫や鳥、きれいな花に出会ったり
そこには思ってもみなかったドラマがあるから」

「みかん売りのおじいちゃん、焼き鳥屋のおばちゃんなど散歩していて面白いのは
何といっても人との出会い。はんぺん屋のおじちゃんには、嫌がるところを無理やり
冷たいはぺんを売ってもらってたまたまいたお客さんに食べさせたりして
お客さんやご主人と面白い話ができたり、予定していなかった話が出来るのが面白い。
この人は苦手だなと思っても笑顔で目線を下げたところで話せばみんな話をしてくれる」

「お店を訪ねても例えばお豆腐屋さんにお豆腐のことやお饅頭屋さんにお饅頭のことを
聞かないようにしている。それよりも作っている人が、どんな人かいろいろ尋ねればその店の
魅力が伝わるのではないかと考えている。」

「商店街で出会う人とは30分以上は話してしまう。一人につき最低2つ聞けばいいところを
いつも20以上の質問をする。あまりに長い時間、質問するので時々カメラマンが
耐えられなくてよろけそう(笑い)になったりする。自分が興味を持って楽しく話せれば
見ているお客さんにも伝わるのではないかと考えている。」

「散歩中、突然走り出して撮影スタッフを驚かしてしまうことがある。
自然が大好きで木や花、鳥に出会うときは思わず走り出してしまう。
散歩している亀にも出会ったことがある。爪がすり減ってしまうので足袋を履いていた。
一生懸命話しかけたが当然相手にしてくれなかった(笑い)」

「ブランコにはこだわっている。安全でお金もかからないし、
鳥になったような気持ちになれる。中高年の人たちにもっと乗ってほしいと思う。」

「駅に降り立って散歩が始まるときはすべてを忘れるようにしている。
予備知識としてその場所の説明をスタッフに受けたりもするが、
小銭だけをもって何も知らないままに散歩しようといつも心がけている。」

「“ちい散歩”に出演する際に1日中歩くわけだからその日の印象的な人や
モノを絵に描いて番組の中でぜひ紹介したいと思った。歩いたときの気持ちが
見てくれる人に伝わればいいなぁ、と思った。
最近、自分が描いた絵のことをほめてくれる人もいて今は絵を描くことに
プレッシャーを感じている。この前、自分が描いた絵が気に入らなくて
今日の一枚はありませんと答えたらディレクターに怒られてしまいました(笑い)。
今では130枚以上たまって自分の財産になっている。
若いときから絵を描くことが好きで自分の一番のストレス解消法です。」

「街の都市化は仕方ないと思っているが、散歩していて古いものを
ないがしろにしているように感じる。ただ東京の公園を実際にいろいろ歩いてみると、
この公園はここが入っているな、すごいなと感じる。
建物を含めた古いものへの慈しみや人と人との触れ合いの良さとか都会でも
復活してほしいと願っている。都会の片隅に商店街があると人と人の間に
滑らかさが生まれると思う。商店街が盛り上がってくれればと願っている。」

※ 5月3日(木)・4日(金)に「ちい散歩1時間スペシャル」を10時30分から放送する予定です。

《第479回 放送番組審議会からの報告》
4月20日に開催された審議会では「素敵な宇宙船地球号」について審議されました。
「素敵な宇宙船地球号」は、今年で放送10年目。身近な問題から世界中の環境問題まで取り上げる
数少ない「地球環境ドキュメンタリー番組」です。次のような意見が出ました。
民放として番組制作に時間がかかる環境問題を意欲的に取り上げたことを高く評価する。
環境を悪化させているのはわれわれ個人それぞれの生活だという、その正しいメッセージを
伝えることが環境破壊を防いでいく、という素朴な訴えが非常に胸を打ち、番組の骨格を感じた。
面白いか面白くないかということはとても難しく私たちの感性が麻痺していて過激な番組に
慣れているのですごく面白いとは思えないのかもしれないが、ある種、ドキュメントとして
一番正しい姿ではないか。

さらに「発掘!あるある大辞典U」捏造問題、関西テレビ「検証番組」について意見交換がなされました。
演出とやらせの境目というのは非常に微妙なのではないか。
それは何かというと作る人の良心でしかないのではないか。
報告書の中で、捏造でないけれども、制作態度そのほかに問題ありとされたところから非常に
学ぶところがあり、それぞれの事案とその原因について学んで、自社は大丈夫かという目で
見ることが大事である。
放送に法規制が入るということにものすごく危機感を持っている。一番憂えるのはテレビ局の
人たちには危機感があるが、世間の人の意識はものすごく乖離(かいり)していることだ。
どういうふうに視聴者を味方にするか、メディアとしての魅力をどういうふうにもう一回
訴えていくか本腰を入れる時なのだろうと思う。


番組では、テレビをご覧の皆さまからのお問い合わせ、ご要望をお待ちしています。

次回の放送は、5月20日(日)の予定です。