● ● ● ● 3月4日 ● ● ● ●

司会 吉澤 一彦 (テレビ朝日アナウンサー)
島本 真衣 (テレビ朝日アナウンサー)
ゲスト 平澤 恵梨(中央大学総合政策学部2年)
中島 聡((中央大学総合政策学部2年)
益田 真理子(中央大学法学部2年)

【放送内容】

地元多摩地区にこだわった番組制作を行っている中央大学FLP松野良一ゼミの学生たちが
子どもたちにもっと自分たちの住んでいる街の魅力を知ってもらいたいと子供たちと一緒に
番組を制作することに。実際に放送されるものだけにハラハラドキドキの連続。
その制作現場を取材しました。


○中島聡さん(中央大学総合政策学部2年)の話
「中央大学FLP松野良一ゼミでは10分間の地域再発見番組
『多摩探検隊』をレギュラーで月1本制作。ケーブルテレビ5局で放送されている」

○平澤恵梨さん(中央大学総合政策学部2年)の話
「昭島で『多摩探検隊』の番組制作を行っているとき、番組制作に興味をもった
小学校を紹介していただきました。そこで一緒に番組を制作しませんかとプレゼンに行き、
『こども放送局』という番組を子供たちと制作することになりました」


VTR-1

ネタ探しに、昭島市役所を訪ねたのは、『昭島こども放送局』プロデューサーの平澤さん。
「子ども放送局」では、テーマは指導に当る大学生が準備します。

昭島の水道水は、地下水100パーセントと言う耳寄りの情報をもらった平澤さん、
水に拘り調べた結果、取材候補が10箇所以上、見つかりました。
平澤さんが持ち帰った調査結果をもとに、今回、子どもたちの指導を担当するメンバーが
集まっての企画会議。平澤さんが見つけた“昭島の豊かな水”というテーマで、
子どもたちに何を気づかせるか、思いはそれぞれ。
平澤さんの提案通り、「昭島生まれ」と題し、湧き水、しいたけ栽培農園、和菓子屋、
ケーキ屋など、昭島のいい水を使っているところを4箇所取材することになりました。
しかし、小学生にどこまでピンと来るものか、課題は残ったまま。

ロケハンは、大学生が2班に分かれて行なわれました。
ケーキ屋「栄楽堂」は美味しい 水と昭島の食材を積極的に取り入れようとしています。
地元出身のご主人はその理由につ いて「旬の昭島の食材があると積極的に
取り入れたくなってしまう」そうで実際に昭島の食材で作ったロールケーキを食べてみると
人柄の伝わる優しい味の中に昭島に拘る熱意が しっかりと伝わってきました。

一方、原木でしいたけ作りをしている、昭島でただ一軒の農家、
指田和男さんの作業場を 訪ねた中島さんと三枝さん。
ロケハン中の驚きやポイントをメモにし、子供たちに伝えようとしています。
かつては10軒以上あったというしいたけづくり。
一軒になっても続けている理由を質問しますが、うまくかわされてしまい
結局聞き出すことができませんでした。


○中島聡さん(中央大学総合政策学部2年)のコメント
「子どもたちが素直な気持ちで同じ質問をしたら
指田さんは答えてくれるかもしれないと期待しています」


小学生スタッフたちとのミーティングです。
昭島の小学校の児童のうち、希望者9名 が企画会議に参加しました。
選んだネタに興味を示してくれるか心配しましたが、子ども たちから積極的な発言が次々と。
さすがに地元とあって、知識も豊富、アイディアもいろ いろあって、
小学生スタッフの意見もなかなか、侮れません。
撮影当日までに質問をまとめてくるという宿題を確認して、今日の会議は終わりです。


○平澤恵梨さん(中央大学総合政策学部2年)の話
「テーマ選びのポイントは、子供たちが好きな“食べ物”だったり、
“体験できる”ことなど。撮影は2日、編集1日という短期間の中で
制作しなければならないので大学生の事前準備を徹底させました」


VTR-2

撮影初日は、朝9時集合。前日遅くまでの準備にもかかわらずテンション高めな平澤さん。

まずは撮影のためのオリエンテーション。
インタビューする前に挨拶をしたり、終わったあとに御礼を言うなど
大学生たちがまとめ た栞(しおり)を基に、ディレクターやレポーター、
カメラマンの仕事の確認と注意が行なわれます。
ここでテレビ朝日アナウンサーの島本真衣が登場。


○島本真衣(テレビ朝日ウアナウンサー)のコメント
「アナウンサーの研修でインタビューのときにハイ、イイエと
答えてしまうような質問は するなと言われた」


今回の取材は、男子、女子チームに分け、各班が2日で2箇所、
男子は、しいたけ栽培農園と湧き水の寺。
女子はケーキ屋さんと和菓子屋さんの合計4箇所を取材します。

続いては撮影の事前打ち合わせ。大学生たちが作成したこの日の台本。
しかし、あえて子どもたちには渡さず、質問項目やリポートの内容を子供たちに考えさせます。
活発な意見が出ている女子チームは、質問などを紙に書き出し、この後、順番を整理し、
今日やるべきことを決めます。一方、男子チームも活発な議論が行なわれていました。
「お寺を世界遺産にしないんですか?」小学生ならではのユニークな質問も飛び出しました。

そしてついに撮影が始まりました。
女子チームは商店街にある「丸美屋」を取材。 親子2代に渡って、和菓子作りのお店。
昭島でとれる米にこだわり、名物「昭島団子」を 作っています。
早速、工房に案内されて取材が始まりましたが、親子2代の頑固職人、
この後、それを象徴するようなハプニングが起こります。
「和菓子の心が伝わらない」と息子さんからのダメだしに、一瞬、緊張が走り、結局、取り直し。
ご主人、言い終わって息子さんをチラリ、取材スタッフの方にもチラリ。
大学生の「大丈夫です」という声。現場が、ホッとした瞬間でした。

男子チームは室町時代に建てられた昭島の「龍津寺(りゅうしんじ)」の取材。
湧き水の寺 として市民に親しまれています。このお寺を担当した男の子たち、
お寺の雰囲気に呑まれてすっかり緊張気味。そこで、段取りを確認し、撮影開始!
子どもレポーターと住職さん との出会いのシーン。ぎこちなさはあったものの一応、成功!
しかし、初めてここを訪ね た2人、この後も前途多難。
綺麗な湧き水を想像してきたのですが、あまりきれいではあ りませんでした。
緊張とあいまって、どうリポートしたらいいのか、男子チーム、大パニ ック。
用意したコメントが使えないことは、よくあること。
これでも、一時に比べれば大分きれいになった、というコメントに急遽変更です。

続いては、本堂の撮影。江戸時代のもの伝えられる見事な天井絵に見とれる子どもたち。
市の文化財にも指定された本堂の美しさをどう表現するのか、質問するのでしょうか?
さっきの教訓に学び、宿題で作った質問表を見直し始めました。
何を聞くのか、入念な打ち合わせ。そして、住職の登場。
さて、何を聞くのかなあ?「世界遺産にしたいですか?」
子どもの意外な質問にも住職はきちんと答えてくれました。


○益田真理子さん(中央大学法学部2年)の話

「女子チームは撮影当日、参加人数の変更等があったが、
今回が2回目だったせいか、撮影はスムーズにいきました」

○中島聡さん(中央大学総合政策学部2年)の話
「子どもたちを指導する上で注意していることは、子供たちに考えさせる時間を持たせこと。
事前に決め込まないで現場の状況にあわせて対応させていくこと」


VTR-3

撮影2日目は、生憎の雨。
昨日は、終わってからスタッフの反省会があったようですか、どんなことが出たのでしょうか?

○三枝健介さん(中央大学総合政策学部2年)のコメント
「インタビューしているときに理解できない言葉が入ってくると
聞くのを辞めてしまうんでそういうときでもしっかりリアクションしてどういうことですか?
と聞けるように子供たちにアドバイスした」


この日は、しいたけ栽培農園の指田さんの取材です。
2日目とあって、子どもたちの撮影準 備の動きもスムーズ。
と、ここまでは順調でしたが、いざ、リポートになって、急遽、「雨」 の状況を
説明することになりました。
子ども「雨が降ってきました」、大学生「ではこの先ど う言葉をつなげる?」、
子ども「取材を続けます」・・・どういう言葉でつなげていけばよ いのか、
学生が子供たちを粘り強く導いていきます。

続いて、しいたけを栽培している場 所でのリポート。
原木でのしいたけ栽培は、手間隙かかるものの水々しいといわれてます。
指田さんの説明を聞きながら、子どもたちはその苦労を聞こうとするのですが、
中々話し てはもらえません。あるんですよね、取材する相手の口が重い時。
ちょっと沈黙が続きま した。子どもたちと大学生も緊急ミーティング。
指田さんへのインタビュー項目を見直し、 しいたけへのこだわりを聞こうということに。

最後には、先日、大学生が質問して答えて もらえなかったあの質問も。
子ども「なぜ一軒になってもしいたけ栽培を続けているんで すか?」
指田さん「『辞めないで』と周りの人に結構言われるんです~」
最後の決めの質問も大成功、指田さんの想い、聞くことができました。


○中島聡さん(中央大学総合政策学部2年)の話
「2日間の撮影を終えて作業が進むにつれて子どもたちが自分たちで
ドンドンやっていく のでビックリした」

○平澤恵梨さん(中央大学総合政策学部2年)の話
「子供たちと番組制作をやっていてあらためて“教えること”について考えさせられました。
あいまいに理解していると子どもたちに突っ込まれてしまう。
あいまいなままにしておく のは良くないなと思った」

○益田真理子さん(中央大学法学部2年)の話
「構成表を事前にしっかり作っていたが子どもたちに
もっと任せてもよかったのではないかと感じました」


《第477回 放送番組審議会からの報告》
2月16日開催された審議会では関西テレビ「発掘!あるある辞典Ⅱ」捏造問題についてと「いきなり黄金伝説。」
について審議され以下のような意見が出ました。

関西テレビ「発掘!あるある辞典Ⅱ」捏造問題について
(公的権力の介入について)
こういう件で、世間が騒ぐと、その後で当然のように公的権力が
介入してくるという図式は、非常に恐ろしいものがあるなという気がしている。
(制作体制、チェック体制の見直し)
いろいろなチェック機能はかなり整っていると思うが、さらにテレビ朝日でも
きっちりとした意識改革を行って、もう一度制作の現場の見直しを行っていただきたい。
(メディア・リテラシーの必要性)
テレビがこれだけ力を持っているということをまざまざと見せられた事件だったと思う。
メディア・リテラシーというものに本格的に取り組む時期なのではないか。
「いきなり!黄金伝説。」について
ただ面白いことをやるのではなく、出ている人の本音とかそういうものが
見えるのが素敵なバラエティだなと思う。
見ていてほっとできて心が温まっていい番組だなと思う。


番組では、テレビをご覧の皆さまからのお問い合わせ、ご要望をお待ちしています。

次回の放送は、3月18日(日)の予定です。