● ● ● ● 2月25日 ● ● ● ●

司会 吉澤 一彦 (テレビ朝日アナウンサー)
島本 真衣 (テレビ朝日アナウンサー)

【放送内容】

今回は、視聴者の皆様から寄せられた疑問やご質問にお答えする「視聴者の声」特集


スタジオ

島本
60代、男性の方から頂きました。

地上デジタル放送が間もなく始まるというCMが盛んに流れていますが、
高齢者に対する配慮や 対策はどうなっているのでしょうか?

吉澤
地デジは機能が多いが、確かに自分たちも使いこなしていない。
高齢化時代といいながら、地デジ、インターネットなどデジタルメディアは、
まだまだ高齢者の方々は盲点となっているのではないか。

島本
地デジ普及に伴い、高齢者の方はどうしているのか、その現状を取材しました。

VTR

2003年12月から始まった地上デジタル放送「地デジ」 高画質・高音質に加え、
リモコンのボタン操作により、双方向番組や音声のスピードをゆっくり変えたり、
高齢者や障害者に優しい字幕放送なども楽しめ、地デジ対応のテレビも
次々登場しています。しかし、多彩な機能に高齢者の方が戸惑っていると
ご指摘を頂き、老テク隊の方に状況を伺うと・・・。

アンケートは、パソコンを所有する65歳以上を対象に行ったものですが、
なんと!4割の方が地デジ対応テレビを持っていました。
しかし、機械に強いはずのこの層でも、機能について知らない!
ボタンが多すぎてわからない。などの不満が多く寄せられました。
アンケートに答えて頂いた方に直接、話を伺いました。

中村さんは90歳。パソコンでインターネットなどを使いこなし、
地デジ対応テレビを楽しんでいるというのですが。
中村さんの苦手はリモコン。字幕放送を選ぼうとしているのですが…。
…消してしまいました。慌ててアチコチ、押して、再びテレビ番組は写りましたが
肝心の字幕へのやり方がわかりません。
そこで、中村さん、テレビを買った電気屋さんへ電話。

中村さん、「字幕のボタン」が見つからないと電話で伝えます。
電気屋さんは、リモコンの下に蓋があり、その中にあるはずだと言うのですが…。
字幕が出ました!字幕を見ようと思ってから、なんと30分。
蓋に気付かなかった中村さんですが、よく見ても、そこに「開ける」の文字はなく、
すぐに蓋とはわかりにくい作りになっていました。
高齢者にも必要な機能、字幕放送にも、悪戦苦闘の中村さんでした。



老テク研究会 デジタル機器と高齢者との関係

スタジオ

島本
今回、取材させて頂いたのは、パソコンをやっていらっしゃるという、
高齢者の方でも、比較的機械に強いはずの方々です。
ということは、その他、いわゆる機械に自信のない高齢者の方の場合、
もっと大変なことになっているのではないかと思いました。

他にも、老テク隊の近藤さんのアンケートを拝見すると、高齢者の方々の
切実な意見が寄せられていました。

デジタルテレビを買いました。孫が、字幕や解説を利用できるように設定して
くれたのですが、消し方がわからなく、一々、孫を呼ぶのも悪いので、
字幕などがいらない場合のため、また別のデジタルテレビを買い、
我が家には大きなテレビが2台。

デジタルテレビなどの操作ができない高齢者のための利用講習会、
支援サービス体制は急務です。 最近、高齢者の間で、パソコンの設定
事業者などに悪徳業者が問題になっていますので・・・。

吉澤
デジタル化に向かい、高齢者の方が取り残されないようにしなければいけない。

島本
高齢者の方の不便について、メーカーはどう考えているか?
業界の団体社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)を取材しました。


26社の家電、カーナビメーカーが集まるデザイン委員会で、
次の8項目について検討されています。

(1)リモコン上の文字サイズ
(2)dボタンの位置
(3)音声切り替えボタンの位置
(4)字幕切り替えボタンの位置
(5)番組表ボタンの位置
(6)チャンネル画面表示の内容
(7)チャンネル画面表示の表示時間
(8)画面上、のフォーカス部分(選択されている場所の表示)の表現

以上の項目について、各メーカーが高齢者に優しいリモコンの開発を進めています。

スタジオ

吉澤
地上デジタル放送に向けての問題は引き続き、この番組で取り上げていきます。



オーストラリアのメディア・リテラシー

スタジオ

吉澤
テレビ朝日では、日本だけではなく、メディア・リテラシー教育の進んでいるアメリカ、
カナダ、イギリス、そして、オーストラリアの専門家たちとも交流をしながら、
進めています。実は、先日、オーストラリアからお客様がいらっしゃいましたので、
その様子をご紹介いたします。

VTR

日本より進んでいると言われるオーストラリアのメディア・リテラシー教育。
その第一人者である、ジャン・マクマホン、バリー・マクマホン夫妻との情報交換が、
先日、テレビ朝日で行われました。 夫妻は、西オーストラリア州の公立高校で、
メディア教育の実践と教育方法の開発を行い メディア・リテラシー教育の論文や
本を数多く発表しています。 その後、州の教育省に入り、教育行政を担当、
メディア・リテラシー教育を 推進してきたのです。
ご夫妻に、オーストラリアの状況を伺いました。 夫妻が進めるオーストラリアの
メディア・リテラシー教育の成果については、 日本の研究者も注目しています。
群馬大学教育学部の中村敦雄先生は、その特長を教育制度の柔軟さにあると指摘します。


〜教育の現場(1)〜
男女共学の公立高校シェントン高校でのメディア・リテラシー教育は、
英語を教える科目の中で行われています。その中心は、「見ること」と
実際に「作る」こと。
このカリキュラムの最後に、生徒たちは、2、3分のドラマを自分たちで作ります。
実際に創作を経験し、試行錯誤することで、映画やテレビの演出技法などを理解するのです。

〜教育の現場(2)〜
私立女子高の、プレスビテリアン高校では、「メディア」として、一科目が設置されています。
この日は、15人ほどの生徒が受講していましたが、今は、生徒自身がカメラを持って、
会話をしているシーンを表現するにはどうすればいいかを学んでいるところ。
カメラのアングル一つ一つがどんな効果や意味を与えるのか、ディスカッションの中で
得ていきます。テクニックを教える専門教育かと思うほど、具体的で、実践的な内容です。




「テレビ塾」
一般視聴者の方々に「テレビに知って頂く」ことを目的にした「テレビ塾」が始まりました。
講師は、第一線で働くテレビ朝日のスタッフ。

第1回目は、的確なコメントが評判のこの方。川村晃司「コメンテーターから見たテレビ」
というテーマでしたが、記者時代の自分の取材映像などを紹介しての講義となりました。
講義終盤、コメンテーターとして、大切なことは何かという貴重な話にも及びました。

第2回目は、3月18日から放送される 「世界水泳」の総合演出を担当する篠原弘光。
中継技術を担当する大川戸カメラマン、そして、大会の実況放送を担当する
森下桂吉アナウンサーもゲスト講師として参加。
世界水泳中継の裏側をテーマに講義が行われました。名実況で知られる森下アナ。
今回は、特別にそのノウハウを披露。

第3回目は、現在放送中の木曜ドラマ「エラいところへ嫁いでしまった」の
桑田潔プロデューサー。ドラマのプロデューサーとはどんな仕事なのか?
ドラマの制作をテーマに講義を行いました。
ディレクターからは、メイキング映像を見ながら、現場スタッフの役割などを説明。
受講者の方々からも鋭い質問が次々飛んで、熱い講義となりました。
視聴者の方にテレビを、より知って頂こうという「テレビ塾」、
これから随時開講していく予定です。


BPO 第6回中学生フォーラム
青少年に対するテレビ番組のあり方を考えるBPOの第6回中学生フォーラムが、
昨年の12月26日、開催されました。
今回は、テレビ番組に対する中学生モニターの評価や注文、そして、出席した
各テレビ局の番組制作者たちとの様々な意見交換が行われました。
フォーラムは、「中学生のテレビ視聴」に対する調査報告がなされました。
視聴番組など中学生とテレビの付き合いが見えてきます。注目を集めたのは、
「テレビのながら視聴」の実態。殆どの中学生が、携帯しながら、漫画を読みながら、
テレビを見ていると答えています。 特に、ながら視聴はバラエティー番組の時が多い
という意見に、中学生たちとテレビの制作者が意見を交わしました。
中学生に携帯は、今や必需品。「テレビか携帯から一つを選ぶなら」という質問に、
2/3が携帯という答え。携帯派、テレビ派、それぞれの意見を聞くと、思いもかけず、
テレビ対する厳しい意見となってしまい、
出席した各局の担当者は。21世紀を担う中学生の、テレビに対する生の声を聞き、
率直な意見交換ができたフォーラムでした。



番組では、テレビをご覧の皆さまからのお問い合わせ、ご要望をお待ちしています。

次回の放送は、3月4日(日)の予定です。