● ● ● ● 2月11日 ● ● ● ●

司会 吉澤 一彦 (テレビ朝日アナウンサー)
島本 真衣 (テレビ朝日アナウンサー)
ゲスト 蓮実一隆(テレビ朝日 編成制作局情報 エンターテイメントCP)
西勇哉(テレビ朝日 編成制作局 編成部)

【放送内容】
2003年秋に始まり、「全国一斉IQテスト」I Qブームを巻き起こした、
日本最大の双方向番組「テスト・ザ・ネイション」。今年のテーマは「人間関係力」。
世界で初めての「人間関係力」を問う国民的テスト(2007年2月12日放送)の
舞台裏を探ります。


VTR(1)

放送1ヶ月前。島本アナウンサーが、「テスト・ザ・ネイション2007」の内容と
魅力について蓮実プロデューサー訪ねました。
そこで、いきなり「人間関係力」のテストを受けることになりました。

蓮実プロデューサーのコメント
「頭を回転させるというよりも日々、人の顔を見たりとか
一生懸命しゃべっている 言葉を聞いたりとかなんか雰囲気で
わかっちゃうとかそういうことをテストにしてみました」


人間関係がうまくいかない、誰にも愛されていない不安、
場の空気が読めず、自分だけが浮き上がっていることに気がつく恐怖。
「人間関係力」とは、現代人が抱えるこんな悩みを量るもの。
人の気持ちを推し量り、場の空気を読みつつ自分の気持ちや考えを
伝えることができ、人間関係を構築する能力のことです。


蓮実プロデューサーのコメント
「今いろいろ人と接するところでの摩擦が起こっているじゃないですか。
引きこもりもそうだしいじめももちろんそうだし、そういう深刻なもの
じゃなくても恋人同士とかお父さんとなかなか話が出来ないとか
そういうことを総合して結局何かというと「人間関係」なんだなと」


他人との関係を作っていく能力「人間関係力」は低下の一途をたどる現代、
人間関係のもつれが原因とみられる事件が多発しています 。
今、求められるのは、偏差値や学歴ではない、まさに「人間関係力」なのです。


島本アナが、番組についてもっと聞こうとしたのですが、多忙を極める
蓮実プロデューサーに同行し、番組の制作会議に出席することに。
この日のスタッフ会議には、プロデューサーの他、ディレクター、
放送作家といった番組制作のスタッフの他に、編成、宣伝、システム、
技術、美術など各セクションが勢揃い。 まさにテレビ朝日を挙げての
一大イベントだということが、ひしひしと伝わってきます。


「テスト・ザ・ネイション 2007」総合演出
畔柳(くろやなぎ)吉彦さんのコメント

「今まで日本のテレビ史上 世界でも初めてのテストだと思うんですけど、
ちゃんと科学的に裏づけされた問題作りをして「人間関係力」を測ってみようと。
でも全然難しくないです。」


「人間関係」をうまく作り上げる技術は、今、時代のニーズを受けて、
学問の分野でも急速に研究が進んでいます。 今回、番組の監修を
つとめるのは、東京学芸大学 心理学教授の相川充(あつし)さん。
対人心理学を専門に、人付きあいの方法「ソーシャルスキル」について
研究していますが、日本人の人間関係力に警鐘を鳴らします。


相川教授のコメント
「本来、人間関係は、親や兄弟との関係から自然に学んでいたのですが、
今の日本では、それを教えてくれない。
人間関係を凶器で処理してしまう事件が多い。」


この人間関係力が弱いと、友達がうまく作れず、団体の中で孤独となり、
人と付き合うことにストレスを感じます。そのため、引きこもりやニートなど、
健全な社会生活を送ることができなくなる恐れがあるといいます。


相川教授のコメント
「今、学校で『人間関係力』を教えなければならない時代が来ています」


相川教授のまとめたテキストをもとに、総合学習で「人間関係力」を
取り入れる学校が、今、増えています。
その内容は、たとえば仲間に入れてもらいたいときにどうするか。
(1)近づく(2)きちんと相手を見る(3)聞こえる声で(4)笑顔で(5)「いーれて」と
言葉をかけること。しかし、不当な要求に対しては、相手の目を見る
(2)心の中で「落ち着け」とつぶやく(3)「そんなことはイヤだ」と口に出して言う。
こんな、本当に手を取るような、具体的な内容を教えています。


相川教授によれば、相手との関係をスムーズに進めていくための
能力全体を「人間関係力」といいます。「人間関係力」は、相手の思いを
理解する能力と自分の思いを伝える2つの能力が求められるそうです。


相川教授が取り出したのは2枚の写真。男女2人が写っている
2枚の写真のうち、どちらが夫婦の写真か問うもので、
心理学実験として有名なものだそうです。
・・・しかし、島本アナウンサーには、わかりませんでした。)
番組では、こうした実験や研究成果を元に、相川教授の監修で
オリジナル問題を作り挙げました。


蓮実一隆(テレビ朝日 編成制作局情報 エンターテイメントCP)の話
「仕事をしていると一日中パソコンに向き合っていることが多い。
電話やメールだけで仕事を済ませることが多い。 パソコンを
使うようになった10年位前から人と接するという暖かい場が
減ってきている気がする。今回の一斉テストで世代別にどういう
『人間関係力』の結果が出るのか非常に楽しみにしている」



VTR(2)

番組の準備は一年前に始まりました。
昨年、無作為に選んだ男女6○○人が参加し、プレテストが行れました。
この結果により、日本人の『人間関係力』を測るとともに、その能力を
判断する平均値も算出したのです。それが、番組オリジナルの
「人間関係指数」。初めての『人間関係』を測る問題を受けて、
どんな感想があったのでしょうか?


受験者インタビュー
「むずかしかった。」「思っていたより簡単でした。」「ドキドキしました。」


実際の番組は生放送。全国からインターネットや携帯電話を通じて
集められた『人間関係力』のデータは、テレビ朝日で集計され、
そのデータが生放送中に反映されていきます。
リアルタイムで番組に参加している感じが味わえる「テスト・ザ・ネイション」は
日本最大の双方向番組なのです。システムを考えた新井さんを訪ねました。


新井麻美さんのコメント(テレビ朝日 デジタルコンテンツセンター)
「前回の『テスト・ザ・ネイション2005』ではパソコン、携帯電話、
地上デジタル放送の3つ合わせておよそ110万人の人がオンラインで
参加したんですが、今年はワンセグが加わったということで
かなりの人が参加してくれるのではないかと思っています。」


放送5日前。スタッフルームでは、スタジオでの並び順を決めていました。
今回は、教師、看護師、東大生、ホスト、グラビアアイドル、アキバ系など、
様々な人間関係力を問われるチーム240人が参加します。
果たして、どのチームが一番になるのでしょうか?
さて、番組の総合司会は、古舘伊知朗さんです。その意気込みは


古舘伊知朗さんのコメント(テスト・ザ・ネイション2007総合司会担当)
「人間関係力の最終的に点数っていうのかな。数字がでます。
いい人は喜べばいいんだけど、低いからって、絶対ダメって思わないで欲しい。
努力すればいいんですよ。努力しなきゃいけないんですよやっぱり。
人間関係をよくするってことは、全部自分にもどってきますから。
人間関係悪くなるのも、全部自分にくるわけでしょ。
イイのも全部自分にきますから。弱点が見えた人は番組のなかで、
きっかけに過ぎませんけど、少しづつ提示しようと思ってますので、
こんなジャンルの本を読んで、ちょっと訓練すると、こういう人間関係力
スキルアップするんですよっていうのも、出来る限り、提示していこうと
思ってますんで、その辺り見て頂けると嬉しいんですけど。
今回のテストでもし低い点数が出てもがっかりしないでください。
『人間関係力』は努力すればその能力は上がります。
『人間関係力』を良くすると全部自分に戻ってきます。」


西勇哉さんの話(テレビ朝日 編成制作局 編成部)
「全国からの回答がテレビ朝日のサーバーに集まり、その結果を
リアルタイムで生放送の番組中にデータとして紹介、まるで自分が
イベント会場で参加しているように番組を楽しむことが出来る。」


蓮実一隆さんの話(テレビ朝日 編成制作局情報 エンターテイメントCP)
「双方向番組はシステムがそろっていてもなかなか出来にくい。
『テスト・ザ・ネイション』の場合は一人一人がテストの結果を知りたがる、
まさに双方向のために出来たような番組。自分たちがやろうとしたことに
合わせるかのように双方向の技術が進歩していっている」


《第475回 放送番組審議会からの報告》
1月19日に開催された審議会では、「放送番組全般」について審議され、
次のようなご意見が出ました。

(スポーツ番組について)松岡修造さんの情熱だとか、言葉を聞いていると
ある意味安らぎを覚える場合がある。テレビ朝日のコメンテーターはかなり
充実していると思う。宮嶋泰子さんなど局育ちで色々なスポーツを
フォローしている立派な人もいる。
(報道について)死体のバラバラやらむごい殺人事件で、これはここまで
やってどうするのかというくらい非常に丁寧な取材になって無残この上ない。
各局が競い合って、微にいり細をうがってやるならテレビ朝日だけは引いて
みる。見るほう辟易しているのだと思うので、そこに少し品が漂うのかと思う。
(ドラマ「白虎隊」について)二夜連続ではもったいなくて、大河ドラマの
向こうを張ってじっくりやると、まだまだ漏れた白虎隊の悲しさとか、
いろいろな角度で白虎隊を語れたと思う。
(事件 ほかについて)今起きている事件は、家の問題とか学校の問題とか
いろいろあるのでしょうが、社会全体の問題としてとらえて、テレビ局が
どういうふうに対応していくかということが重要である。社会現象として
テレビ局になにができるかを考えていくのは、とても大切な時代になって
いるのではないか。
(最後に テレビ朝日に期待することとして)テレビ朝日は「アタック・ザ・トップ」の
標語を掲げているが、各社各局が並びの中ですぐれたものをつくるよりは、
今この状況の中で、テレビ朝日はテレビの常識をぶち破り、それでまた
視聴率も充分稼ぐように頑張っていただきたいと思う。



番組では、テレビをご覧の皆さまからのお問い合わせ、ご要望をお待ちしています。

次回の放送は、2月25日(日)の予定です。