●水島 久光(東海大学 文学部広報メディア学科 助教授)さんの話
「今回の番組制作に関わっている学生たちは、普段から地元のテレビ局やラジオ局で
実際に番組をレギュラーで制作している。みんなバラバラに活動している学生たちが
2時間の番組のために一緒になって制作することになった」
「今回はテレビの生放送を2時間行うだけでなく、ラジオの生放送を10時間やったり、
これらと連動してブログを開設したり、インターネット放送も行ったりしている。
企画内容によってどのメディアで発信したらいいのか、学生たちは実践的に学んだ。」
VTR-1
東海大学湘南キャンパス。学生数、およそ2万人。 2時間の生放送に挑戦するのは、文学部広報メディア学科を中心とした
メディアに関心をもつ有志の学生、およそ100人。
番組のテーマは、「地域と学生のコラボレーション」。
この番組作りで、大学のある平塚の街の人たちと積極的にコミュニケーションし、
もっとお互いに知り合おう、という狙いがあるようです。
番組作りの準備は、夏休みからスタート。
2時間の番組をどんな内容にするのか、まずは主要メンバーが集まって
会議が始まりました。そして全体の流れとコーナー案がほぼ固まってきました。
●PR争奪!クイズ!大・平・YO!
商店街や大学がそれぞれ、どれだけお互いに知っているかを競い合うクイズバトル!
●大学を味わおう~青春を思い出せ~
大学のサークルに参加してもらい、懐かしい青春を思い出してもらおうという企画。
●ご近所は大学生
平塚市内で活躍する東海大生のことをもっと知ってもらおう、そんな思いのこもったコーナー。
●響け!ひらつ歌!
平塚市民との音楽セッション。番組にとって重要な役割を担いそうです。
●わらしべ平塚Walker
町の中を歩き回るこのコーナーは生放送ならではの面白さに期待!
ラジオやブログと連動して展開。
夏休み明けの全体会議で番組の詳細が発表され、早速、各コーナーの担当が決められました。
学生たち、普段は、それぞれ違ったメディアの勉強をしています。
どのように協力しあってひとつの番組を作り上げていくか。これもまた課題のひとつです。
水島先生の研究室。どうやら、ここが番組のスタッフルームになりそうです。
学生たちが勝手にどんどん模様替えを始めました。
神奈川県・平塚市。人口およそ25万人。
東海大学は、中心部から離れたところにあります。街に出て出演者探しを始めた学生たち。
公民館に姿を現したのは4年生の本田さん。
「大学を味わおう~青春を思い出せ」の担当。 市内にある公民館を利用する団体を1つ1つチェックして、出演者探しを続けてきた本田さん。
ある日、イメージがピッタリの団体と出会いました。
平塚市内で防犯パトロールをしている平井さんたちです。 本田さんは、平井さんの活動ぶりを見に行った際にぜひ番組に出演して欲しいと思いました。
翌日、スタッフが出演交渉のために平井さんのお宅を訪ねました。
平井さんは、化粧品と食品を扱うお店を営み、地元の商店会会長を務め、
地域活動にも熱心。番組出演も快く引き受けてくれました。
さて、別のコーナーの担当者はどんな様子なのでしょうか。
平塚市民との音楽セッション、「響け!ひらつ歌!」
チームのリーダー石黒さんが選んだ曲は、「WAになって踊ろう」。
100人の市民に参加してもらいたいと考えています。
●石黒弘人さんのコメント
「この曲だと一緒に心を通わせられるかなと思いました。」
●bro.さんのコメント
「ボク自身の刺激にもなります!」
『響け!ひらつ歌』チームが、市民100人を集めるにはまだまだ時間がかかりそうですが、
そんななか、スタッフの玉枝さんが、バイクで海に向かいました。
一体何をするのでしょうか?実は、セッションの直前に波の音を流す予定なのですが、
今回のキーワード「平塚」にこだわり「平塚の波の音」を録音するためにここまでやってきたのです。
ステージのセットを担当するのは、4年生の小原さん。
●小原紀子さんのコメント
「何もやったことがない。セットのことを考えるのが人生はじめて。」
番組タイトルは「ダイブ!」。『平塚の海』をイメージしたセットになりそうです。
マネージャー担当の鷲頭さん。番組制作の全体を見守る重要な役割を担っています。
この日は、ステージ設営をしてくれる業者さん探し。
限られた予算のなかで、どう運営していくか。見積もりを細かくチェックしていきます。
ある日、スタッフルームをのぞいてみると、みんなちょっと沈んだ雰囲気。
11月3日の本番まで、あと4週間ほどになってきましたが、出演者探しが難航していたり、
コーナーの演出方法がまだ決まっていなかったりと、かなり行き詰った状態の様子。
スポンサー探しの大役をひとりで担当しているのが3年生の清水さん。
こちらも、なんだかあまり順調ではないようです。
●水島 久光(東海大学 文学部広報メディア学科 助教授)さんの話
「2時間の生放送企画は今年で2回目。去年は初めてだったので事故のないように
ということを一番に考えて、大学構内の様子を紹介する番組を制作した。
今年は2年目ということでさらに内容を充実させたかった。
地元平塚のケーブルテレビ局の
協力をいただいているので平塚の地域の人たちと何か出来ないかな、と考えた。」
「東海大学は、平塚市のはずれにあるためこれまで学生にとってあまり縁のない地域だった。
この番組制作を通じて平塚の地域の人たちと触れ合う機会が増えたが、思っていたよりも
地域の人たちが好意的に学生たちを迎え入れてくれた。
メディアを通じて学生たちの世界が拡がったといえる。」
VTR-2
『大学を味わおう~青春を思い出せ』チームのスタッフ。
この日、平塚市民・平井さんの大学サークル体験ロケが行われます。
最初のサークル体験は、「ラテンアメリカ研究会」。
コーヒーを飲みながらおしゃべりを楽しむことが、主な活動とか…。
仕事大好き世代の平井さんは、どんな反応を示すのかカメラは、
平井さんの表情を狙っていました。なんだか、
話が弾んでいる様子。
●平井保二郎さんのコメント
「いい感じ。ああいう人たちとお友達になれるのは嬉しい。」
続いてのサークル体験は、『学生航空機プロジェクト』。
まずは、飛行機がどのようにして飛ぶかという専門的な講義から・・・。
難しい話が続きましたが、平井さん興味津々。
次は、自分で制作した紙ヒコーキを広いグランドで飛ばしてみます。
カメラは、子供のようにはしゃぐ平井さんの表情をしっかりととらえました。
「青春を思い出そう」というテーマ、まずは、大成功。
11月3日の本番が、刻々と近づいてきます。ところが、市民との音楽セッション
「響け!ひらつ歌!」チームは、出演者探しが相変わらず続いています。
こちらは、「PR争奪!クイズ!大・平・YO!」チーム。
市民と学生がクイズを出し合い、勝った方が、商店街やサークルなどの
PRの権利を勝ち取るというコーナーです。
この日、出演が決まった市民の方へご挨拶をかねて、番組内容の説明にうかがいました。
製作総指揮の木村さんと、番組マネージャー担当の鷲頭さん。
それぞれのチームの進行状況を見守っていますが現状は、
まだまだまだ不安な状態が続いています。
こちらは順調。「大学を味わおう」チーム。ステージ演出について、
プロデューサーの今村さんと打ち合わせ。
スポンサー担当の清水さんに嬉しい情報が飛び込んできました。
以前、お願いをしていた会社から「スポンサーになってもいい」との連絡があったのです。
その会社は、ビルの総合管理会社。番組で流すCMも制作することになりました。
清水さん、徹夜で絵コンテを仕上げました。
この会社が、東海大学の管理も請け負っていることから大学を舞台にした内容を考えました。
清潔できれいな大学施設は、管理会社の努力のおかげ。
決めのキャッチコピーは、『縁の下の力もち』。
清水さんが考えた絵コンテ、担当者は果たしてOKを出してくれるのでしょうか?
結局、スポンサーの契約が成立。清水さん、大きな仕事をしました。
さて、こちらは、ステージのセットを担当している小原さん。
『平塚の海』をイメージしたボードがいよいよ完成です。
さらに、セットの背景も刷り上がってきました。
平塚の海の写真は自分たちで撮りにいったもの。手作りセットの完成が間近です。
そして、番組関連のwebサイトも出来上がりました。
カメラや中継など、生放送に必要な専門的な技術は、地元のケーブルテレビ局が
全面的にサポートしてくれます。
出来上がったばかりのポスターを持ってプロデューサーの今村さんたちが、
近くの商店街に向かいました。昨年は、生放送のステージには一般のお客さんは
ほとんど来てくれませんでした。今年はこうした広報活動を積極的に行い、
より多くの人たちに来てもらいたい、
と今村さんは考えています。
本番を6日後にひかえ、大学近くの駅前で水島先生が学園祭の前夜祭イベントに出演。
何だかノリノリの様子。一方、大学では、各コーナーの担当者たちが追い込み作業を
行っていました。「わらしべ平塚Walker」チームは街の中を歩き回りますが、
さて本番の時にはどのエリアを周るのか検討中。
●リーダー 岩佐 実季さんのコメント
「平塚市内を1日10時間。これを3日間続ける。1年生はともかく体力のない4年生は無理かも…。」
製作総指揮の木村さんのもとには完成したばかりの進行表が・・・。
コーナーが多いため、実に細かな時間配分がなされています。
本番5日前。この日、音楽セッション「響け!ひらつ歌」チームは、
最初で最後のリハーサルを行いました。
出演予定の40人のうち、およそ半数の音楽家たちが集合しました。
年齢も音楽性も、バラバラです。
しかも、ほとんどの皆さんが、この日、お互いに初対面。果たしてうまくいくのでしょうか。
番組参加がきっかけで、この日、新しい出会いが生まれました。
街のなかに人と人との交流の輪が広がることになりそうです。
苦労してコツコツと積み重ねてきたことが、ひとつひとつ実を結んでいきます。
一人でがんばってスポンサーを決めた清水さん。
アシスタントを引き連れてCM撮影も始まりました。
●清水和仁さんのコメント
「ロケを終えて、今は編集のことで頭がいっぱい。」
●水島 久光(東海大学 文学部広報メディア学科 助教授)さんの話
「単に番組を作るだけではなく、放送を成り立たせる様々な部分を体験してほしいと考えていた。
だからCM制作は、良い機会だったと思う。」
「本番では、生放送の当日にならないとわからないことがいろいろ発生した。
それを学生たちはどう乗り切ったのか、次回の放送に期待してほしい。」 |