● ● ● ● 7月23日 ● ● ● ●

司会 吉澤 一彦 (テレビ朝日アナウンサー)
矢島 悠子 (テレビ朝日アナウンサー)
ゲスト 松苗 慎一郎(テレビ朝日アナウンス部長)

放送内容
今年、テレビ朝日に入社した2人の新人アナウンサーの2ヶ月間にわたる研修の様子を紹介します。
またテレビ朝日の松苗 慎一郎アナウンス部長に研修の狙いについて話を聞きました。



新人アナウンサーのプロフィール

○加藤 泰平アナウンサー
東京都出身 早稲田大学卒業
好きな言葉 「人生365連休」 ※仕事にも遊びにも全力で臨み毎日を休日のように楽しむという意味

○島本 真衣アナウンサー
兵庫県生まれ 学習院大学卒業
好きな言葉 「一期一会」



VTR(1)

研修1日目<開校式・発声トレーニング>

まずアナウンサー研修の開講式が行われました。先輩アナウンサーたちを前に加藤アナと島本アナはかなり緊張気味の様子。

吉澤 一彦アナウンサー(入社29年目)のコメント
「研修の2ヶ月間、毎日3時間眠れればいいという気持ちで研修に臨むように。しばらくの間は辛い毎日が続くと思ってください」

松井 康真アナウンサー(入社20年目)のコメント
「アナウンサーはみんなライバル。先輩も後輩もない。先輩から仕事を奪うくらいの気持ちでがんばってください」



開講式の後、早速研修が始まりました。研修は朝10時から夜の7時まで行われます。


<発声トレーニング>
アナウンサーの発声の基本は、腹で息する「腹式呼吸」。これが出来てはじめて次のステップへ移ることができるのですが、慣れないうちは意外に難しいのです。
続いては、日本語の基本となる母音の正しい発声です。ポイントは口の開き方。普段意識せずに話していますが、正確に伝えるためには大きく正しく口を開いて動かすこと。トレーニングはたっぷり2時間続きました。


研修2日目<発声・ア行>
50音「ア行」の発声練習。もちろん腹式呼吸は忘れずに。
「あいあいがさ、あいえんか・・・」島本アナはのどで発声していたためこのままだとのどを痛めてしまう、と萩野志保子アナ(入社10年目)に指摘されてしまいました。一方、加藤アナは口が全然開いてない、言葉をしゃべるとき体が固まっている、と指摘され、その後、頭の中で考えすぎてしてしまい発声できなくなってしまいました。


研修4日目<発声・滑舌・アクセント>
研修もこの辺りからスピードアップ。内容がぐっと濃くなっていきます。2時間びっしり続く発声練習、50音すべてが腹式呼吸と正しい口の動きで発声できるようになるまで、延々くり返されます。


研修5日目<外郎売(ういろううり)>
歌舞伎18番の名口上、「外郎売(ういろううり)」は発声、発音、間合い、滑舌の良さが求められ、アナウンサーとしての基本が詰まっています。島本アナは、へその下ではなく、へその上に力を入れていて、正しく腹式呼吸で発声していませんでした。


研修9日目
あれから4日、「外郎売」はまだまだ続いています。失敗して思わず笑ってしまった島本アナに対し、飯村 真一アナ(入社17年目)は「放送中に失敗してしまうことはある。ただし失敗したとき、笑ってごまかすことは絶対にしてはいけない」と厳しく注意しました。
新人とはいえ、アナウンサーは研修が終わればすぐに現場へ出ることになります。そこでは新人という甘えは通用しません。長いようで短い60日。加藤アナ、島本アナは毎朝、毎晩自主トレを行います。


研修10日目<ニュース>
ニュースを正確に伝えることが、テレビ朝日のアナウンサーの基本。そのために発声、発音、アクセントと細部にわたって注意を払います。しかし、2人には直すべき課題が見つかりました。
加藤アナは、くせのあるアクセント。そして島本アナは、ときどき語尾が曖昧になることです。


○松苗 慎一郎アナウンス部長の話
「最近の若い人たちは普段から口をしっかり開けて話す習慣がない。しかも、あたしぃ、もしもしぃ、と語尾が延びる。そういったものを一掃してゆっくりはっきり話すようにする。さらに声のスタミナ、パワーをしっかりと身につけることが、研修前半の狙いです」





VTR(2)

研修16日目<情景・即時描写>
テレビ朝日本社周辺をカセットレコーダー片手に歩き回り、目の前の景色や出来事を瞬間的にしかも魅力的に言葉にしていく研修では、「加藤アナはリポートが楽しそうじゃない」「島本アナはリポートの表現に苦労している」とそれぞれ講評された。


研修23日目<実況実習>
実践に近い研修が始まりました。この日は野球の実況。ルールなど事前にレクチャーはあったものの、バッターが走る方向すらまだ理解できていない島本アナの実況は「バッターは・・・一塁へ盗塁しました!?」とシドロモドロ。一方、加藤アナは言葉がスラスラ出るものの、清水 俊輔アナ(入社4年目)に「実況にメリハリがない」と言われてしまいました。

休み時間中の加藤アナと島本アナ。2人ともぐったりとしていて精神的にかなり参っている様子。壁にぶつかるのは真剣に課題に取り組んだ証拠。先輩たちも悩んで、悩んで壁を乗り越えてきたのです。


研修29日目<新聞読み>
新聞記事をわかりやすくかいつまんで紹介する「新聞読み」はテレビ朝日のアナウンサーの特技。ポイントを絞る読解力とわずかな時間で表現する力が求められます。まずは島本アナ。ところが途中で次の言葉を忘れ、固まってしまいました。生放送なら大きなトラブルにもなりかねません。


研修31日目<リポート実習>

加藤アナも順調なわけではありません。この日、また苦手なリポート。ニューススタジオの紹介がテーマ。身ぶり手ぶりのアクションを交えてなかなかの熱演にも見えますが、果たして講師の評価は?


小木逸平アナ(入社8年目)のコメント
「加藤アナのリポートは何を伝えたいのかよくわからない。深く考えてない感じがする、不快感がある、リポートに熱い想いが感じられない」と後輩を思うあまりついつい厳しい評価に。加藤アナ、まだまだのようです。


○松苗 慎一郎アナウンス部長の話
「教える先輩アナウンサーたちも必死です。新人の2人はそれをしっかり受け止めなければいけない。いろいろな人がいろいろなことを言う。言われた本人たちは頭の中がパニックになる。しかし、きちんと聞く耳を持ちなさいとアドバイスしている。あとは悔しいと思う気持ちをエネルギーに変えて必死に食らいついていく姿勢こそがこの時期とても大切です」





VTR(3)

「人生の楽園」の制作スタジオリポート研修

島本アナと加藤アナが、「人生の楽園」のナレーションスタジオを訪ね、作業の様子をリポートし、ついでに「人生の楽園」のナレーションを体験で読ませてもらう研修。

※「人生の楽園」
「人生には楽園が必要だ」と、おなじみのテーマ曲がかかると、つい手を止め画面に見入ってしまう、土曜の夜の人気番組。第2の人生の舞台に楽園を見つけた人たちの生き方とそれにエールを送るような、西田敏行さん、伊藤蘭さんのナレーションが魅力です。



西田さんの到着を2人がお出迎え。挨拶をしていきなり「“人生の楽園”の魅力は?」という西田さんの質問に対し、「それは西田さんのナレーションです!」と即答する加藤アナ。「エライなぁ、でも(伊藤)蘭ちゃんのことも忘れずにね。」と共演者のことを思いやる西田さん。チームワークは完璧のようです。
そして西田さんと伊藤さんのにじみ出るような「人生の楽園」のナレーションを島本アナが実際に読ませてもらうことに。
アナウンスブースの中で、伊藤さんとナレーション初体験の島本アナ。緊張気味の島本アナに対し、「ついてこれるかな?」と冗談を言ってリラックスさせようと気遣う伊藤 蘭さん。島本アナ、緊張しながらも本番では一発OKをもらいました。

一方、加藤アナは・・・。打ち合わせ中の西田さんに対し「私にもぜひナレーションを読ませてください」とぶっつけでお願い。
加藤アナの頼みに一瞬、沈黙する西田さん。その後、「頼まれて、教えるほど私は偉くはありません。一緒に勉強するつもりでやりましょう!」と快諾いただき、加藤アナは大喜び。「“人生の楽園”のナレーションは視聴者と同じようにびっくりしたり、喜んだりしながら読むことが大切。常にマインドを開いておかないとね」と貴重なアドバイスをいただきました。
西田さんは映像とナレーション原稿に対し、自分が感じるままに表現力豊かにナレーションを読んでいきます。それを聞いていた加藤アナ、何かひらめいた様子ですが・・・。「原稿はもう・・・全部無視しちゃっていいんですね!」 加藤アナの発言に対し、さすがの西田さんでも返す言葉がありません。


○西田敏行さんのコメント
「2人のナレーションは、若いせいか初々しかった」


○伊藤蘭さんのコメント
「ナレーションを読むときには、シーン全体の雰囲気を捉えてそこで何を言いたいのかをいつも考えることにしている」


○テレビ朝日「人生の楽園」プロデューサー掛下 知恵子さんのコメント
「2人ともナレーションを読んでいる時、かなり力が入っている。だから聞いている方もつい力が入ってしまい、疲れてしまう。“人生の楽園”のナレーションに関してはゆったりと落ち着いて読むことが大切。」




VTR(4)

研修最後の日
研修の成果を披露するための卒業制作が実際のニューススタジオで行われました。
卒業制作の内容は(1)ニュース読み(2)天気予報(3)フリートーク「アナウンサーとしての抱負について」



<島本アナウンサーの卒業制作作品について>

○宮嶋泰子アナウンサー(入社29年目)のコメント
「フリートークでは“エッ”とか“ンッ”とか言って次の言葉が出てこなくて聞きづらかった。言いたいことは文章にしないでメモ程度にまとめておいた方が話しやすいと思う」


○松苗慎一郎アナウンス部長のコメント
「言いたいこと、伝えたいこと、感じたことを失敗して恥をかいてもいいからもっと堂々と話してほしかった」




<加藤アナウンサーの卒業制作作品について>

○森下桂吉アナウンサー(入社24年目)のコメント
「ニュース読みについて、常に聞く人のことを思って読むこと。決して自己満足で読んではいけない。とても攻撃的に聞こえる。この調子で3~4本ニュースを読まれたら聞いていて疲れてしまう」


○佐々木正洋アナウンサー(入社29年目)のコメント
「緊張のせいか口の中が渇いていて、聞きにくい。どんなに緊張しても聞きやすいようにするためには練習するしかない」
そして2ヶ月間の研修が終わりました。


○加藤泰平アナウンサーのコメント
「目標はバラエティ番組で頂点を目指したい」


○島本真衣アナウンサーのコメント
「ニュースをきちんと読めるアナウンサーになりたい。まずは与えられた仕事を素直に受け入れられるようになりたい」


○松苗慎一郎アナウンス部長の話
「研修が終わったといっても、2人はアナウンサーとしてはまだ仮免許の状態。これからしっかりと基礎を固めてほしい。最近は個性を要求されるが単に「変わっている、珍しい」=「個性」ではなく基礎の上に“自分らしさ”というものがあるようでいてほしい。これからは5年後、10年後、20年後もテレビ朝日のアナウンサーとしてお茶の間の皆さんに親しまれるようなスケールの大きなアナウンサーを目指してがんばってほしい」



《テレビ朝日からのお知らせ》
2011年7月24日には現在のアナログ放送が終了し、デジタル放送へ完全に移行します。
デジタル放送ではテレビ朝日は5チャンネルです。



番組では、テレビをご覧の皆さまからのお問い合わせ、ご要望をお待ちしています。

次回の放送は、8月6日(日)の予定です。