● ● ● ● 5月21 ● ● ● ●

司会 吉澤 一彦 (テレビ朝日アナウンサー)
矢島 悠子 (テレビ朝日アナウンサー)
ゲスト 西田 和樹(日大豊山中学校・高等学校 放送部顧問)

放送内容
日大豊山・放送部の中学生たちによる初めての番組作りの様子を紹介します。 彼らが選んだテーマは「著作権」について。難しいテーマに悪戦苦闘し、スタートからいきなりつまずいてしまいます。初めての番組作りは果たしてうまくいくのでしょうか。シリーズでお送りします。



VTR(1)

日大豊山・放送部の部室。ウナギの寝床のような細い通路を入っていくと、一番奥にあるのが、音響機器が置かれたスペース。デッキやミキサーなど、プロ顔負けの放送機材がそろっています。そのとなりが、アナウンサーブース。壁には、なんと!?卵の紙ケースを敷き詰めて防音対策を行っていました。

日大豊山放送部は、およそ50年前に創部。ドラマやドキュメンタリーのラジオ番組を制作。数々のコンクールで、賞を獲得してきました。現在、高校生12人、中学生4人の、合わせて16人が一緒に活動しています。

お昼休みの時間になると、次々と、放送部員たちが部室に集まってきます。お弁当を食べ始めました。狭い部室、中学生と高校生部員が集まると人が通るのもやっとのスシ詰め状態。実は、彼らは、この昼休みに、お弁当を食べるためだけに集まっているのではないのです。

日大豊山では、毎日、お昼休みの12時35分から20分間、放送部員たちが 音楽番組を生放送しています。担当DJが曲を選曲し、フリートークの内容を 考えて話します。そして放送部顧問の西田先生も週に一度、レギュラー出演し、オススメの本の一節を朗読しながら紹介しています。

放課後、部活動の時間がスタート。隣のお寺の境内で発声練習を行います。地味で決して楽ではない発声練習。でも、このような基本こそが一番大切なのです。中学2年の千葉くんは、入学したとき放送部員に声をかけられ、何もわからないまま、仲良しのクラスメートの3人(島村くん、関口くん、小久保くん)を誘って入部。先輩たちと活動しているうちに“ものづくり”の楽しさに目覚めたそうです。今ではこの中学2年生たちが、将来の日大豊山・放送部を担っていく重要なメンバーとなりました。

そして新学期からの放送で、中学2年の関口くんが大抜擢!毎週水曜日のお昼に、番組のDJを担当することになったのです!DJデビューの当日。関口くん、曲は自分で選曲してきましたが、トークはアドリブで話すつもりで内容は考えてきていないようです。ディレクターを担当するのはやはり同じ中学2年の島村くん。高校生の末松部長から関口くんに「1学期、最初の番組だからガンバレ!」と激励の言葉。「何とか踏ん張りますよ!いつもどおりで!!」と関口くん、自信満々の様子。

いよいよ本番が迫ってきました。ディレクター島村くんのテンションが一気に上がります!12時35分、打ち合わせらしい打ち合わせもないまま、関口くんのDJ番組「セカンドコレクヨン」がスタート!DJ関口くん「まずは♪チャラヘッチャラをどーぞ!」と曲紹介。ディレクター島村くん「(歌手名の)影山ヒロノブって言えよ。エッ?エーッ!?」どうやら、スタートから大変なミスがあったようです!

2人の事前の打ち合わせが甘かったせいか、ディレクターの島村くんは、紹介した曲とは違う曲をかけてしまいました。生本番中のミスで動揺する島村くん。その様子を見ていたDJの関口くん、動揺を隠せない様子でその後のトークは何を言っているのかよくわかりません。そして関口君の番組「セカンドコレクヨン」はいつもより早く放送終了。末松部長、今回の放送内容には納得がいかない様子。生放送を終えた関口くんは「やっぱり、駄目でした・・・」と、ガックリ肩を落としながら午後の授業へと急いで向かっていきました。


●日大豊山・放送部顧問 西田 和樹先生の話
「放送の準備は前日に終えるよう指導しているが、勉強や体調などの問題で準備が本番ギリギリになることがある。本番で失敗しても、そういう経験を通して次回、より良い番組を作ってくれればいいな、と期待している」



VTR(2)

新学期をむかえたある日、西田先生から中学生部員4人にある課題が出されました。
その課題とは・・・「コンクールに出品する作品として、これも『著作権』!?という驚きを感じさせるような番組を作って欲しい。」

■役割分担を決める

中学生が、初めてのテレビの番組作り。しかも、テーマが“著作権”。みんな動揺しながらも意欲満々の様子。さっそく、役割分担を決めます。

○小久保 智朗くんの話
「脚本を書くのは大変だし、俳優っていうか出るのは恥ずかしいし、その間みたいな」
○島村 純平くんの話
「カメラあんまり得意じゃないんで出るか、まあ音響やるかですね」
○千葉 滉平くんの話
「脚本も書きたいし、カメラもやりたい」

話し合いの結果、脚本・監督は千葉くん、カメラ担当は小久保くん、出演者に島村くんと関口くん、そして部長の末松くんがアドバイスしながら「著作権」の番組作りがスタートすることになりました。

●日大豊山・放送部顧問 西田 和樹先生の話
「放送部員たちは普段、作品を作るときに音楽など人が作った出来上がりのものを使用している。完成した作品を個人で楽しむ分には良いが、いろいろな人に楽しんでもらうには著作権的に問題がある、というしばりを生徒たちはなかなか理解できないでいる。だからこの機会にぜひ生徒たちに著作権のことを理解して欲しいと考え、著作権の番組を作るよう中学生にテーマを与えました。」



VTR(3)

リサーチ

放送部の部室に、中学生4人が集まり、「著作権」についての番組制作会議が行われようとしています。ところが・・・。初めての番組作り、中学生の4人にとっては、一体何をどこから始めてよいものか…。ただ、じっとしていてもしょうがないので、とりあえずパソコンでリサーチをしてみることに。「著作権」をキーワードに検索したら、なんと6480万件の情報が出てきました。情報量が多過ぎてみんな思考停止状態。リサーチは、思うように進まない様子です。 スタートから大きな壁に突き当たった中学生たちを見かねた末松部長。気分転換になればと、ビデオカメラの撮影方法をみんなに指導し始めました。

○ 高校3年放送部部長 末松 祐紀くんの話
「僕も中学2年生のとき初めて先輩にカメラのことを教わって、その時みんなで作品を作り上げる楽しさを学びました。」

末松くんたち、高校3年生の放送部員は、校内放送などの活動に飽き足らず、 自分たちで独自に映像について勉強し、これまで数々の映像作品を制作してき ました。そして間もなく放送部を引退する末松くんは、後輩たちへぜひとも伝 えておきたいことがありました。

○ 高校3年放送部部長 末松 祐紀くんの話
「番組を作る人に熱意がないと伝わるものも伝わらない。みんなで楽しく番組を制作していくことに放送の意味があると思うし、それをぜひ後輩に伝えたい。」

末松部長の熱い思いは中学生たちへ伝わったのでしょうか?数日後、気になって放送部の部室を訪ねてみました。すでに撮影が始まっていました。実は「著作権」についてあまりリサーチが進んでいないようで、番組全体の内容が定まらないまま勝手に撮影を始めていたようです。いったい何を撮影しているのでしょうか?

生徒が描いた絵コンテによると難しいテーマの番組作りに戸惑い、悩んでいる自分たちの様子を、そのままドラマで再現していこうとしていました。本番中、画面に人物がうまく収まらないとカメラの小久保くん。そういう時はズームアウトして画のサイズを拡げればいいんだよ!とジェスチャーで伝える監督の千葉くん。リハーサルしないで撮影を始めたらこういう事が起きるのは当たり前なのですが…。

中学生たちの撮影の様子を見ていた末松くんは、納得がいかない様子。監督の千葉くんを呼び出し、あらためて「著作権」についてきちんと調べてから撮影を行うよう指示しました。中学生4人は、リサーチのためコンピュータールームへと向かいます。前は、あまりの情報の多さに、すぐにあきらめてしまいましたが、今回は4人そろって粘り強くリサーチを開始。「著作権を侵害したら1億5000万円以下の罰金」など4人それぞれが「著作権」についての新たな発見をし、番組作りのイメージが湧いてきたようです。

一方、中学生の番組作りを見守っている先輩、末松くんは中学生たちの様子を見ているうちに、自分でも「著作権」について興味がどんどん湧いてきました。そして、リサーチを進めるうちに、さまざまな疑問が出てきました。「著作権」って、どのように保護されているんだろう?日本と外国では、ルールが違うの?保護期間が過ぎると、どうなるんだろう?疑問を整理し始めた末松くん。そして疑問はやがて、知ることの喜びへと変わっていったようです。

○ 高校3年放送部部長 末松 祐紀くんの話
「えっ、こんなことまで!?という疑問が次々と出てきてリサーチしていくうちにいろんな発見がありました。」

構成を考える

中学生部員たちは、リサーチ結果をもとに、このあと、どう番組を作っていくかの打ち合わせを始めました。まず、みんなが、リサーチで発見したことを報告しあった結果、「著作権」についていろんなことがわかってきました。次のステップは、これをどう構成して、番組に生かしていくかです。ところが、情報があまりにも多いため、これが整理できずに、みんなは、再び大きな壁にぶっかってしまいました。

○ 役者担当・関口 伸之介くんの話
「番組作りはなんとかなると思います、多分。」
○ 役者担当・島村 純平くんの話
「作んないといけないから、頑張って作る。」
○ カメラ担当・小久保 智朗くんの話
「多分作れる。すべては監督に一任しているので…。」
○ 監督・千葉 滉平くんの話
「いろいろ調べたが、すごく難しい…。」


●日大豊山・放送部顧問 西田 和樹先生の話
インターネットで調べることは、いまや当たり前のことになってきている。調べた中には関係ない情報もたくさんあるということを知り、そのたくさんの情報の中から大事な情報を見つけることができるようになれば、これから放送部員として何をみんなに伝えればいいのか、ということが見えてくると思う。そうなれるよう生徒たちに期待している。」



番組では、テレビをご覧の皆さまからのお問い合わせ、ご要望をお待ちしています。

次回の放送は、6月4日(日)の予定です。