VTR(1)
4月9日、公開に先駆けて都内の劇場で完成披露試写会が行われ、 600 人を超えるお母さんと子どもたちが集まりました。
○テレビ朝日映画センター 西口なおみプロデューサーの話
「お客さんが果たして見に来てくれるのか心配で劇場の入り口を何度も見に行ったが、座れない人も出るほどのうれしい状況で、今日は良かったなぁ、と思いました。」
○ 映画を見た子供たちの感想。
「始まりは怖かったけど、後からしんのすけたちがみんなを助けるところがすごい楽しかったし、面白かったです。」
「コンニャクを人型に切って踊らせているところが怖かった。」
「コンニャクローンが手を使わないでベロで鶏肉を食べていたのが怖かった。」
スタジオ(1)
○ ムトウ監督の話
「今年はホラーで行くぞ!と思っていたので子供たちが怖がっているのはまさに狙い通りでした。」
VTR(2)
クレヨンしんちゃんの映画は、西東京市にあるシンエイ動画で制作されています。
~ 絵コンテを作る ~
アニメ映画といっても普通の映画と同じ。まず監督さんと脚本家がストーリーを考えて、脚本を作ります。
○
ムトウ監督の話
「今年は、ホラーを目指そうかと。ある日、しんちゃんが住んでいるカスカベにしんちゃんたちのニセものが現れる。コンニャクローンという人間のそっくりさんがカスカベの人 たちと入れ替わり、カスカベの町を乗っ取っていく。乗っ取られた人たちは、地下施設でサンバを踊らされ続ける、というストーリーです。」 監督さんは脚本に合わせてしんのすけや登場人物にいろいろ演技をさせたりします。そのためにまず自分で「絵コンテ」を描いていきます。脚本にある「巨大神殿のような地下施設」という言葉からイメージを膨らませて、監督さんは、ある場所を訪ねました。その場所とは埼玉県にあるコンニャク工場!コンニャクイモの皮をむいてコンニャクが作られる様子を熱心に見つめる監督さん。監督さんは頭で考えるだけでなく、こんな風に実際に足を運んでイメージを作り、絵コンテを作っていきます。
○ ムトウ監督の話
「コンニャクのドロドロと原液が流れているところとか、いろいろな部分を参考にさせてもらいました。」
絵コンテは、絵を描くほかに台詞や効果音と一緒に画面の動きも細かく指示していきます。監督さんが描いた90分の映画の絵コンテは全部でおよそ1500カット。でもアニメを動かすためにはもっと細かく絵を描く必要があります。
~ 絵コンテのイメージを伝える ~
監督さんが描いた絵コンテは、止まった状態。この絵を実際に動くようにするのが“原画さん”と呼ばれる人たちのお仕事。監督さんは時には直接演技をして原画さんたちにイメージを伝えたりすることもあるそうです。
~ 細かい動きをつける ~
監督さんが描いた、“しんのすけがサンバを踊る1枚の絵”を原画さんは11枚に細かく描き、しんのすけがサンバを踊る動きをつけました。この踊りのカットはたったの2秒半。90分の映画を作るには約5万枚の絵を描かなければならないそうです。あがってきた絵をチェックする監督さん。まず監督さんのイメージ通りの動きができているか確認。そして次に決められた秒数で台詞がきちんと収まるか確認。そしてようやく2秒半の動きが決定。カットごとに封筒に入れ、次の作業を進めていきます。90分の映画を作るのに大きな本棚2個分以上の封筒が必要なんだそうです。
~ 色を塗る ~
この後の作業はほとんどがパソコンでの作業。描きあがった絵は、1枚1枚パソコンに取り込んでいきます。色彩設計という仕事をしている人たちが、登場人物の洋服や肌の色をあらかじめ決めます。この色見本を元に色を塗る人はパソコンで色を着けていきます。色の見本は細部にわたっていて、なんとしんのすけの口の中の色まで決めてありました。そして塗った色に間違いがないか1枚1枚チェックしていきます。
~ 背景を描く ~
映画には監督さんとは別に美術監督さんがいて、映画に出てくる町や家を作ります。例えば、しんのすけの家がカスカベの町のどの辺りにあるのか地図を作ったり、実際の家を設計するように外観や平面図、断面図などかなり細かく設定されています。さらに物干し台やエアコン、リモコンなども決められていました。背景を描く方法はいろいろあるそうですが、まずは筆で大まかな絵を描いて、その後パソコンに取り込んで細かい仕上げを行います。劇場用のアニメでは細かい部分まで書き込むために1日に2枚仕上げるのが限度だそうです。
~ 絵を合わせる ~
次に背景としんのすけの絵をあわせていく作業。背景にしんのすけを載せて次に人物に合わせて背景の位置を調整していきます。そしてようやく1コマが出来上がり。これを1秒間に24コマも作らないとアニメが動きません。
スタジオ(2)
○ ムトウ監督の話
アニメ制作でパソコンを使うようになったのは10年位前から。パソコンを使うようになって色指定の人がいろいろな色を使うことが出来るようになり、より色についてこだわるようになった。その結果、余計に時間がかかるようになった。また背景をパソコンで描いていくようになって、よりリアルな絵が描けるようになった。」
VTR(3)
映画の完成が近づく頃、しんのすけは映画をみんなに見てもらうためにいろいろなイベントに参加しました。テレビ朝日のアトリウムでは「クレヨンしんちゃん握手会&写真撮影会」が行われました。そして長野県の野沢温泉スキー場にもしんのすけが登場!ここでもみんなから大歓迎を受けました。六本木ヒルズ・毛利庭園ではお花見の親子連れにもアピール!また、今回の映画に出演してくれた長州小力さんとはリングの上でパラパラを一緒に踊り、プロレスファンを沸かせました!さらにテレビ朝日の春休みイベント「親子DEテレ朝 クレヨンしんちゃんとサンバ!DEアミーゴ!」ではクレヨンしんちゃんショーやアテレコ体験、アニメ講座などが行われ、2日間でおよそ5000人ものみんなが集まってくれました。
VTR(4)
~ 声を入れる ~
スタジオでは出来上がった絵に声優さんたちが声を入れていきます。そしてこの後、効果音や音楽を入れていよいよ映画が完成です。
~ 最終チェック ~
みんなに見てもらう前に作った人たちで作品を最終チェックします。構想から 1 年、映画がついに完成しました。
○ ムトウ監督の話
「テレビシリーズでは、しんちゃんの 7 分間をリアルに追ってみました、という感じでキャラクターを見せている。一方、映画は 90 分ある。だから 90 分間で見せられる内容にこだわっています。日常とは別の世界にしんのすけを置いたときにどういう反応が返ってくるのか、という視点で映画を作っている。」
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